ゼントラーディ軍ボドル基幹艦隊攻撃から沖ノ鳥島
大陸や巨大列島や海上艦隊を中心にゼントラーディ軍の攻撃を受けてしまった為・・・
辛うじて生き残った島があった。
それは沖ノ鳥島。
コンクリート護岸で守られた島であるが、反統合同盟の攻撃により・・・
東京湾に存在した海堡のような人工島に守られる形になり・・・
地球温暖化で海面上昇しても、大丈夫な要塞島になっていた。
ゼントラーディ軍から無視され、砲撃から逃れ・・・
島にいた209名の兵士や20名の観測庁の職員はなんとか生き残った。
津田大尉「ふぅ去ったようだな、独身のまま死ぬ事はなかったな。」
地球統合海兵隊津田克己大尉
89式小銃を持って建物の待避シェルターの窓から覗く海兵隊隊員が呟く。
彼の名は津田克己大尉.25歳、まだ若いがベテランの部類に入る海兵隊隊員である。
統合戦争ではベテランの自衛官出身の統合軍兵士を失った。
その中でも若手として数々の激戦を潜り抜け、今を生きている。
上と対立して沖ノ鳥島監視施設に左遷されたが、危険は回避された。
危険が回避されるとすぐに周辺部隊に通信・・・
同じく生き残った南鳥島基地に連絡・・・・
のちに硫黄島残存部隊による沖ノ鳥島救出任務が発動される事になった。
津田大尉は後年、こう回想する。
津田大尉はタバコの袋を取り出し、タバコを吸おうとするが・・・
賀愛珍「津田大尉、タバコ吸わないでください。」
地球統合海兵隊.賀愛珍.軍曹
津田大尉「軍曹、加えるだけだ。」
賀愛珍「そのライターはなんですか?」
津田大尉「うっ・・・いいじゃねぇか、一本くらい。」
賀愛珍「ダメです、こんな時に・・・」
台湾出身の十代の女性兵士賀愛珍に止められる。
カッコよく吸おうとしていたが、止められてカッコ悪い表情になって残念がる。
愛珍は真面目で統合戦争に一応出た実戦経験者・・・
油断は出来ない。
津田大尉「さてと、その確認を・・・・・」
ビュゥゥゥゥン
津田大尉「あん?なんだ?はっなんだあいつ?」
「なんだ?なんだ?」
突然
謎の飛行音が聞こえてくる。
一体何者なのか?一体何が来たんだ?
津田大尉以下は、待避窓を確認した。
津田大尉「マジかよ、宇宙人のメカだわ。」
賀愛珍「えいっ」
津田大尉「あぁぁ俺のタバコ・・・」
賀愛珍「つまり危機的状況でしょ、どさくさになんですか?」
ゼントラーディ軍のバトルスーツと戦闘ポッドが飛んでいた。
約4個小隊分・・・・同じ軍だろうが編成がバラバラ・・・
敗残兵なのだろう・・・・
だが、1機は他のと違う・・・・
「くくく・・・・このマイクローンの惑星も悪くないな。」
1機はコマンダーだが・・・・・
明らかに雰囲気が違う・・・・・・・
コックピットの中で、端正な顔立ちをしているゼントラーディ兵が笑う・・・・・
戦いは終わりじゃないぜマイクローン
OP(読む前に必聴)
【硫黄島基地】
信義とフィリアを乗せたVR-1A-RFは硫黄島基地付近に到達した。
硫黄島基地周辺には父島列島と母島列島と同様残存艦艇が集結している。
練習艦カシマと潜水救難艦チハヤ。
ドック型輸送揚陸艦ニューオーリンズと巡洋艦ケープ・セント・ジョージ・・・
そしてポート・ロイヤルの5隻がいた。
ゆっくり機を基地の滑走路へ着陸・・・・
格納庫へと入っていく。
南部信実「兄貴、色っぽい女連れで帰ってくるとはな。」
南部中尉「うるせぇな!フィリア・ナージャさんだ。」
フィリア「フィリア・ナージャです、よろしく。」
ゼントラーディ軍ボドル基幹艦隊ラプラミズ艦隊ラーズ隊所属フィリア・ナージャ3級空士長
南部信実「馬鹿兄貴の弟信実です、フィリアちゃんね可愛いね。」
南部中尉「おい信実!!」
機体から降りてくとさっそく信実が絡んでくる。
信実が絡めば、若い男女の兵士達が早速やってきて。
信義とフィリアを囲む。
フィリアはこんな事が初めてなので困惑している。
南部中尉「とりあえず司令部へ行くよ、行こうフィリアさん。」
フィリア「うん。」
信実達を振り切って、司令部へ向かう。
今やる事は軍人としての仕事を最優先する事。
それをやらないと・・・・・どうにも・・・・・
信義はフィリアの手を引っ張って基地の奥へ消える。
大浦未海「あの娘地球人じゃないわね。」
地球統合空軍大浦未海.少尉
津軽信孝「そうだな、もしかしてこれも・・・・・」
地球統合空軍津軽信孝中尉
二人が格納庫から基地施設に入る所を見ていた者がいた。
同僚の津軽信孝中尉と大浦未海少尉である。
信孝は眼を細くして信義達を睨む。
クリフトン「カメラの映像を確認し現状確認と、宇宙人・・・いや・・・ゼントラーディ軍の軍人を拾うとはな、意外な収穫だな中尉。」
南部中尉「彼女は地球を砲撃せずむしろ地球側へついたゼントラーディ人です、なんとか保護できませんか?」
栗林大尉「中尉、いくら地球へ味方したとは言え今公開したらフィリア君は迫害されるぞ。地球を攻撃したゼントラーディ人、家族を失った者からすれば憎悪の対象だ。分かっているな。」
南部中尉「心得ています。」
信義はフィリアをTシャツとハーフパンツを着させ基地司令部に入る。
普通失礼で制服を着替えなきゃいけないのだが、特別な措置でお咎め無しである。
入るなり、カメラで撮影したものとフィリアと言うゼントラーディ人の保護に・・・
クリフトンは上機嫌である。
信義はフィリアを保護してもらえないか要請すると・・・
栗林大尉は公表するとフィリア自身危険な目に遭うと警告する。
なんたって地球を壊滅させたゼントラーディ人・・・・・
家族を失ったものからすれば憎悪の対象である。
フィリアは地球に味方したゼントラーディ人ではあるが、
普通の地球人からすれば同じゼントラーディ人であるのには変わりはない。
なので・・・・容易に公表したらフィリアに危害を与えてしまう結果になる。
信義はそれを理解し了承する事になった。
フィリア「美味しいこんな食べ物初めて。」
南部中尉「まずい軍隊飯だけどな。」
フィリア「美味しいわよ、私たちより美味しいわ。」
その後、食堂でレーションを食べた。
あんまり美味しくはないが・・・・・
これよりも美味しくない飯を食べていたフィリアからすればとてつもなく美味しいと感じている。
食べている姿とは地球人と一緒であり、フィリアの笑顔は可愛く見える。
宇宙人とは思えない程華憐である。
津軽信孝「おい・・・・」
南部中尉「津軽・・・・なんのようだ・・・・・」
ガシッ
フィリア「痛・・・何をするのよ・・・」
津軽信孝「人殺しの宇宙人め・・・・よくとのうのうと俺たちと同じ物を食えるな。」
信孝と未海がやってきて、フィリアの方を掴む。
物凄い目つきで・・・・睨んでいる。
フィリアは掴まれて痛がっており・・・・涙が出ている。
この後衝撃的な事を口にする。
津軽信孝「聞いたぞ、お前はゼントラーディ人・・・・地球を壊滅させた張本人と・・・・」
南部中尉「なっ・・・・・」
フィリア「・・・・!?」
ゼントラーディ人・・・・
クリフトンと栗林大尉しか知らない単語・・・・・
何故・・・・・・・まさか・・・・聞いていたのか・・・・・
この言葉の瞬間、この場にいた面々のフィリアへの顔つきが変わる・・・・・
過半数がフィリアへ地球を壊滅させた事への憎悪をぶつけていた。
南部信実「やめろ、津軽・・・フィリアちゃんは・・・・」
津軽信孝「関係ないと言うんだろ、地球に味方とはしたとは言え俺たちの同胞と文明を破壊したんだ。」
南部信実「くっ・・・・」
途中から来た信実がフィリアを掴む信孝の手を振りほどく・・・・
信孝は怒りのこもった目をしながら、今の思いを呟く・・・・
地球を破壊したゼントラーディ人に対する怒り・・・・・
信義も信実・・・・フィリアに対し普通に接する者も黙り込んでしまう。
フィリア「確かに地球を破壊した私たちゼントラーディ人は最悪です・・・・私も無関係とは言いません。」
津軽信孝「ほう・・・・・・」
フィリア「私は罪滅ぼしの為、地球人と共に戦います。私は宇宙での決戦で同胞を殺しています、迷いはないです。」
が・・・・フィリアは涙を振り切って言った。
それが地球人に恨まれる原因ならば罪滅ぼしの為に地球人と共に戦う・・・
同胞を殺す事を躊躇しない・・・・・
フィリアはそう言ったのだ・・・・
津軽信孝「そうか、だったら見せてみろ同胞殺しを・・・・・・南部、次の出撃あるんだってな。」
南部中尉「あるが・・・・・・・」
津軽信孝「ゼントラーディの女を出撃させろ、俺が見届けてやる。予備のSv-52があったはずだ・・・・そいつに乗ってもらう。」
南部中尉「アグレッサーの予備機か?」
津軽信孝「監視するのには持ってこいだ、ゼントラーディの女を乗せ沖ノ鳥島へ・・・そこでゼントラーディ人がいたら約束通り・・・・」
南部中尉「非道だな・・・・・」
フェアリの覚悟を知るべく、アグレッサー用のSv-51αを使わせる。
これで沖の鳥島にいる将兵達を救うべく出撃し・・・・・
遭遇したゼントラーディ軍と戦い殺してもらう・・・・結構厳しい条件・・・
信義は軽蔑するが、信孝は気にしていない。
フィリア「いいわ、私はやり遂げる・・・・」
南部中尉「いいのか?」
フィリア「私は最初はマイクローン(地球人)を味方になるのは部隊が決めた事だから仕方なく、従ったのよ。でもリン・ミンメイの歌を聴いて、地球の文明や地球人と同じような暮らしがしたいと思ったのよ。でも私の種族は地球を壊滅させた、だから地球の為に自分の手を血で汚しても・・・・地球の為に頑張りたい。」
南部中尉「フィリアさん・・・・・・・」
大浦未海「へぇ言う事は言うんだね、少しは認めてもいいわ。」
津軽信孝「よし出撃の時に会おう・・・・」
フィリア「いいわ・・・・」
フィリアは覚悟を決めている・・・・・
信義は黙って見ているしかない・・・・フィリアの目は本気だ・・・・
一方の信孝も嫌で非道だが、何か考えが・・・・・
二人を見て信義はいろいろと考えた・・・・
信孝は何を考えているか分からないが・・・・・・・・
それからしばらく
『イオウアイランド・タワー、ランウェイ10・クリアードフォーテイクオフ』
信義らは硫黄島に展開している救助艦隊の護衛として離陸した。
VR-1A-RFをVF-1Aバルキリーに換装し、信孝のVF-1Aと編隊を組む。
その先頭には・・・・・フィリアのSv-51・・・・
もし怪しい行動をとれば即座に背後から攻撃する・・・・
その意思が込められており・・・・
信義は信孝の考えを即座に考えを読み取る・・・・
むしろ、なぜあんなに激怒していたのか・・・・
まさか家族を失ったのだろうか・・・・・・
いろいろと信義は考える・・・・
そんな時・・・・・
南部中尉「そろそろ沖の鳥島か、かなり埋め立てられある程度の島らしくなったが・・・・」
フィリア「待って!!」
南部中尉「どうした!?」
フィリア「よく見てください、敵複数・・・・」
南部中尉「なんだと・・・・」
フィリアが敵を見つけたらしい言葉を発した。
信義や信孝はその言葉に疑問に思ったのか、若干疑問に感じる・・・
それもしょうがない。
ゼントラーディ人は地球人より骨格など身体に優れている。
視力は圧倒的に優れているので敵の姿を確認できる・・・・
フィリア「突貫!!」
南部中尉「フィリアさん!?」
津軽信孝「追いかけるぞ!」
南部中尉「お・・おい!!・・・行くしかねぇか!!」
フィリアは敵を見るなり突撃した。
早め撃墜し自分の覚悟を証明するつもりだろう・・・・
無論、フィリアを監視する信孝も後についていき・・・・
信義も戸惑いながら二人の後についていく・・・
無鉄砲に突進していいのかと戸惑いながら・・・
「護衛の連中、大丈夫なのか・・・俺たちを放置して。」
ドック型輸送揚陸艦ニューオーリンズの艦長らは困惑している。
軍人なのに、守る素振りがなくて勝手に行動する・・・・・・・
ニューオーリンズ以下各艦隊の将兵はこの時3人の行動に不信感を抱いた。
「隊長、マイクローンの連中が来ましたぜ!」
ラズム「そうか・・・数は3匹か・・・面白い相手かどうか楽しみだな。」
ゼントラーディ軍ラズム・キルヴェラ空間機甲長
信義達の行動を沖の鳥島付近海上に展開していたゼントラーディ軍部隊が動き出す。
リガードやヌージャデル・ガーは動く・・・・・・
その先頭に立つ機体シュルケル・ウーを語るラズム・キルヴェラは不敵に笑う。
ラズムは野心的なエースパイロットであり・・・
残虐であり冷徹な性格の持ち主であった。
監察軍と今まで戦っていたが・・・
面白い戦い方をする地球人に興味を持ち・・・・・
ようやく戦い機会に接する事が出来た。
ボドル基幹艦隊決戦があったとは言え、直接対決はしていない・・・・
だが、今この時・・・戦うチャンスが到来している・・・・
ならば潰してやる。
ラズムはそう考えた。
ズドドド
ズゴォォン
ラズム「あいつかなりの腕前だな。まぁあいつは後回しにして雑魚2機相手しようか!」
1機のバルキリーがバトロイド形態になり、ホバリングを上手く扱い戦っていた。
そのバルキリーはフィリアが駆るSv-51αであった。
Sv-51は反応エンジンを積んでおり、性能はかなり
ゼントラーディ軍相手に十分対抗できる程の力を有していた。
フィリアはゼントラーディ軍時代は優秀な腕前を持っており・・・
海面を跳ねてはホバリングを使用したジャンプ戦略でゼントラーディ軍を圧倒する・・
津軽信孝「本当に同胞を殺すとはな・・・・」
南部中尉「フィリアさんってあんなに強いのか?」
フィリアの活躍に二人は驚愕する・・・・・
本当に同胞を殺してしまうフィリアに信孝は驚く・・・・・
罪を償う気でいる・・・・・・・・
信孝はフィリアの行動を見てそう感じとる・・・・
だが・・・・
こいつは憎むべきゼントラーディ人・・・・
心の中で信孝はそう言い続けるが・・・・
半分は・・・フィリアを認めようと考え始める・・・
【沖ノ鳥島シェルター】
なんとか生き残った将兵達は小窓から戦闘の様子を伺っていた。
外では激しい戦闘の光が見えており・・・・・
撃ち合いが続いている。
「おい巻き込むんじゃないのか?」
「せっかく生き残ったのに、巻き込まれて死ぬのは冗談じゃねぇぞ!」
津田大尉「慌てるな、まだ巻き込まれてないし・・むしろ友軍の到着だ!」
賀愛珍「大尉、たばこ火つけないでくださいね。」
津田大尉「わかってらぁ」
兵士達や職員らは不安がるが津田大尉が叱咤激励し・・・・
その混乱に乗じて煙草を吸おうとする津田大尉を愛珍が阻止する。
このやり取りを続ける・・・
このやり取りにより兵士達の不安を解消しようと考えていた。
賀愛珍「大尉、うまく私たち脱出できますかね?」
津田大尉「さぁな、生き残るかは時の運・・・何が起きるか分からんさ。」
賀愛珍「そんな・・・・・・・ってたばこ吸わないでもらいます。」
津田大尉「人生の最期になるかもしれんのだぞ、一つくらいいいじゃん。」
ある程度落ち着くと、二人の会話が始まる。
これから脱出できるのか?どうなってしまうのか?
津田大尉曰く、生き残るか残らないかは時の運・・・・
どうなってしまうのか正直分からない・・・・
それを聞いた愛珍は少し不安そうな表情を浮かべるが・・・・
再び煙草を取り出し口にくわえようとする津田大尉を阻止した。
南部中尉「皆フィリアさんが相手して・・・俺たちは最後のあいつだけか・・っていない・・・・おわっ!!」
ラズム「俺は他の奴とは違うぞ!馬鹿め!」
津軽信孝「南部、こいつはゼントラーディの女が相手にしていた奴らとは違うぞ!」
南部中尉「何!?」
津軽信孝「奴はエースだ!」
フィリアが他の連中と戦っている頃に・・・・
信義と信孝はラズムと対峙するが・・・・
ラズムは二人の目の前から突然消えたと思いきや・・・・
信義の真横から攻撃を仕掛けてきて・・・・・
反復し機動力を駆使しながら二人を翻弄する。
南部中尉「この野郎!!」
ラズム「ぐぉ」
ズボォォォン
信義はガンポッドを立にし、ラズムのシュルケル・ウーを海に叩きつける。
叩きつけ海中に没し、信義は倒したと安心しきるが・・・・
突然・・・・・
ズドドド
津軽信孝「ちっ・・・・こいつはくたばってないぞ!」
南部中尉「やったと思ったのに!!」
ラズム「面白い芸当だったが、俺を倒すのにはまだまだ未熟だな!!」
海中に没したはずのラズムが復活し二人を襲う・・・・
シュルケル・ウーは頑丈な機体であり・・・・
ラズムはわざと信義の攻撃の意図に乗り、油断させた。
見事作戦は成功し二人に動揺を与える事を成功した。
フィリア「この!」
ラズム「さっきの奴か!!遊びたかったぜ!」
二人が動揺し始めた直後に敵部隊を殲滅したフィリアがやってきた。
到着するなりフィリアはガンポッドの銃弾とようやく使えるようになったミサイルを発射・・・・
海面すれすれの状態をスケート選手のように滑りさらに銃弾を撃ちラズムを追い詰めた。
ラズム「こいつは・・・・・・・」
フィリア「確かゼントラーディ軍機への通信は・・・これか・・・・」
ラズム「ラック、敵からのつう・・・・・てめぇは!!メルトランの兵士だと!?」
戦いの最中でフィリアはラズムに通信を試みる。
無論、多勢無勢になっているラズムを投降させ命を助けるため・・・・・
ボドル基幹艦隊決戦時にエキセドルが教えた通信チャンネルを用い入り・・・
なんとか通信を試みる事に成功、顔合わせすると・・・
ラズムは驚く・・・・相手がメルトラン(同胞)だと・・・・・・・・
ラズム「驚いたなマイクローンに寝返る欠陥品が出るとはな。裏切り者のラプラミズか?」
フィリア「欠陥品!?私が?裏切り者のラプラミズ司令・・・・」
ラズム「本当に無様だな。」
フィリアはラズムと顔合わせするが・・・・
ラズムから裏切り者欠陥品呼ばわりされる。
その言葉にフィリアは深く傷つく・・・・
今までゼントラーディ軍軍人として誇りをもって戦ってきた。
それを欠陥品呼ばわりする・・・・・
屈辱でもあり、深く心の中に心臓が刺さる程傷ついた。
フィリア「私は欠陥・・・・・・・・」
ラズム「通信してきてこれか、メルトランの同胞よ!ならばゼントラーディ軍の軍人として死なせてやるよ!」
ラズムは不敵に笑い・・・・
傷つき戦意を失ったフィリアをシュルケル・ウーのパルスレーザーガンで叩き潰そうとした。
ショックのあまりフィリアは動く事が出来ず・・・・
ずっとその場に留まったばかりだ・・・・・
南部中尉「危ない!!フィリアさん!!」
信義は叫ぶがフィリアはそれでも動かない・・・・
素早いシュルケル・ウーの叩き潰しの速さに・・・もうフィリアはダメだ・
その時であった。
フィリア「えっ!?」
ラズム「ちっ」
フィリア「なんで・・・私を・・・・」
津軽信孝「フィリアと言ったな、お前の罪滅ぼしが完遂するまで死なせん。」
フィリア「・・・・・・」
信孝のガンポッドがパルスレーザーガンを破壊・・・・
ラズムは一歩下がり・・・後退・・・
フィリアは自分を憎んでいた信孝に助けられた事に困惑する・・・
困惑するフィリアに対し信孝は罪滅ぼしが完了するまで死なせんと・・
真顔で言う・・・・・
さっき約束した事を事を果たすまで死なせるつもりはない。
信孝はそう考えていた。
ラズム「ふん・・・・まぁいい、貴様らはいつでも殺せる・・・・首を洗って待っていろ!」
ラズムは救助艦隊が来る事を察したらしく早々と西へ向けて逃げていった。
沖縄与那国島方面へ逃げていくのだろう・・・・・・
信義達は無駄に追撃せず、ラズムを見逃す。
「貴様ら、護衛任務を勝手にサボタージュするとはどう言う事なんだ?えぇ!?」
南部中尉「申し訳ありません。」
「まぁいい今回は不問にする、救助ヘリの護衛したまえ!」
見逃した後、救助艦隊司令代行からきつい言葉をもらう。
信義らはきちんと謝り・・・・
救助部隊のUH-60ブラックホークとUH-60Jジャパンホークの護衛に入る。
数分後
救助ヘリは各自、沖ノ鳥島に到着し将兵を運ぶ。
当分この基地は現状が回復されるまで閉鎖し・・・硫黄島に移転しなくてはならない。
沖ノ鳥島の将兵達はどんどん乗機し輸送艦へ向かっていく。
津田大尉「賀、次は貴様だ!」
賀愛珍「はい、大尉は?」
津田大尉「俺の事はいいから全員乗るまで残るんだよ、さぁ行け!」
津田大尉は全員が乗機するまで残った。
外でタバコを吸えるのが嬉しいのだろうけど・・・・
将兵が津田大尉が乗らない事を心配しても・・・
どんどん乗っていけと言うノリで、どんどん乗らされて行く。
最後に将兵が搭乗すると、津田大尉最後のヘリコプターに乗りのみ輸送艦へ向かう。
その後
硫黄島基地へ到着、収容した将兵を次々と降ろす。
信義達もバルキリーから降り、休憩室へ向かった。
無事に任務が終わりフィリアは信義からお金を貰いコーラを買った。
自動販売機でコーラ買った時手が震えている。
ラズムに追い込まれてしまった事・・・
自分が情けなかった事・・・フィリアはそう感じており・・・
静かに涙を流す。
津軽信孝「ふん・・・・今回は認めるが、まだ諦めんぞゼントラーディの女」
そんな様子を影から実海と共に信孝は見ていた。
何かの想いを秘めているようだが・・・・・
今回は認めるが、諦めないと言う言葉を残し・・・・
そのまま帰っていった。
この諦めないと言う言葉は何を意味するのか?
それは後程分かるのだが、それはまだ後日
ED
【極東軍司令部】
極東軍司令部は戦前、市ヶ谷から司令部機能を移転し・・・
堅い岩盤のある東京近郊の某所に基地が作られていた。
その結果、ゼントラーディ軍の被害を耐え抜き被害はなんとか全壊を免れた。
田中中将「なんとか、全壊は免れたな。動かせる部隊はどのくらいか?」
地球統合陸軍田中静市大将
多賀谷参謀長「分かりません、まだ混乱している部隊が多いので・・・」
地球統合陸軍多賀谷一少将
田中中将「そうか・・・」
極東軍総司令官田中は日本各地に残存した部隊と連絡を取り・・・・
残存部隊を持ってゼントラーディ軍各部隊と戦いながら・・・
シェルターにて生存した民間人を救出しなくてはならない。
まだ戦争は終わっていないが・・・・
民間人の命はなんとしても助けないといけない・・・
どんな事があろうとも・・・・
必ず・・・・・
【次回】
砲撃から一週間後、フィリアは統合軍の軍人に編入されていた。
何事もなく過ごすフィリア・・・・
フィリアを巡り言い争う信義と信孝・・・
そんな中、信義達にある命令が届いた。
それは日本本土にある極東軍司令部からだった。
次回 ライジング・サン
大陸や巨大列島や海上艦隊を中心にゼントラーディ軍の攻撃を受けてしまった為・・・
辛うじて生き残った島があった。
それは沖ノ鳥島。
コンクリート護岸で守られた島であるが、反統合同盟の攻撃により・・・
東京湾に存在した海堡のような人工島に守られる形になり・・・
地球温暖化で海面上昇しても、大丈夫な要塞島になっていた。
ゼントラーディ軍から無視され、砲撃から逃れ・・・
島にいた209名の兵士や20名の観測庁の職員はなんとか生き残った。
津田大尉「ふぅ去ったようだな、独身のまま死ぬ事はなかったな。」
地球統合海兵隊津田克己大尉
89式小銃を持って建物の待避シェルターの窓から覗く海兵隊隊員が呟く。
彼の名は津田克己大尉.25歳、まだ若いがベテランの部類に入る海兵隊隊員である。
統合戦争ではベテランの自衛官出身の統合軍兵士を失った。
その中でも若手として数々の激戦を潜り抜け、今を生きている。
上と対立して沖ノ鳥島監視施設に左遷されたが、危険は回避された。
危険が回避されるとすぐに周辺部隊に通信・・・
同じく生き残った南鳥島基地に連絡・・・・
のちに硫黄島残存部隊による沖ノ鳥島救出任務が発動される事になった。
津田大尉は後年、こう回想する。
津田大尉はタバコの袋を取り出し、タバコを吸おうとするが・・・
賀愛珍「津田大尉、タバコ吸わないでください。」
地球統合海兵隊.賀愛珍.軍曹
津田大尉「軍曹、加えるだけだ。」
賀愛珍「そのライターはなんですか?」
津田大尉「うっ・・・いいじゃねぇか、一本くらい。」
賀愛珍「ダメです、こんな時に・・・」
台湾出身の十代の女性兵士賀愛珍に止められる。
カッコよく吸おうとしていたが、止められてカッコ悪い表情になって残念がる。
愛珍は真面目で統合戦争に一応出た実戦経験者・・・
油断は出来ない。
津田大尉「さてと、その確認を・・・・・」
ビュゥゥゥゥン
津田大尉「あん?なんだ?はっなんだあいつ?」
「なんだ?なんだ?」
突然
謎の飛行音が聞こえてくる。
一体何者なのか?一体何が来たんだ?
津田大尉以下は、待避窓を確認した。
津田大尉「マジかよ、宇宙人のメカだわ。」
賀愛珍「えいっ」
津田大尉「あぁぁ俺のタバコ・・・」
賀愛珍「つまり危機的状況でしょ、どさくさになんですか?」
ゼントラーディ軍のバトルスーツと戦闘ポッドが飛んでいた。
約4個小隊分・・・・同じ軍だろうが編成がバラバラ・・・
敗残兵なのだろう・・・・
だが、1機は他のと違う・・・・
「くくく・・・・このマイクローンの惑星も悪くないな。」
1機はコマンダーだが・・・・・
明らかに雰囲気が違う・・・・・・・
コックピットの中で、端正な顔立ちをしているゼントラーディ兵が笑う・・・・・
戦いは終わりじゃないぜマイクローン
OP(読む前に必聴)
【硫黄島基地】
信義とフィリアを乗せたVR-1A-RFは硫黄島基地付近に到達した。
硫黄島基地周辺には父島列島と母島列島と同様残存艦艇が集結している。
練習艦カシマと潜水救難艦チハヤ。
ドック型輸送揚陸艦ニューオーリンズと巡洋艦ケープ・セント・ジョージ・・・
そしてポート・ロイヤルの5隻がいた。
ゆっくり機を基地の滑走路へ着陸・・・・
格納庫へと入っていく。
南部信実「兄貴、色っぽい女連れで帰ってくるとはな。」
南部中尉「うるせぇな!フィリア・ナージャさんだ。」
フィリア「フィリア・ナージャです、よろしく。」
ゼントラーディ軍ボドル基幹艦隊ラプラミズ艦隊ラーズ隊所属フィリア・ナージャ3級空士長
南部信実「馬鹿兄貴の弟信実です、フィリアちゃんね可愛いね。」
南部中尉「おい信実!!」
機体から降りてくとさっそく信実が絡んでくる。
信実が絡めば、若い男女の兵士達が早速やってきて。
信義とフィリアを囲む。
フィリアはこんな事が初めてなので困惑している。
南部中尉「とりあえず司令部へ行くよ、行こうフィリアさん。」
フィリア「うん。」
信実達を振り切って、司令部へ向かう。
今やる事は軍人としての仕事を最優先する事。
それをやらないと・・・・・どうにも・・・・・
信義はフィリアの手を引っ張って基地の奥へ消える。
大浦未海「あの娘地球人じゃないわね。」
地球統合空軍大浦未海.少尉
津軽信孝「そうだな、もしかしてこれも・・・・・」
地球統合空軍津軽信孝中尉
二人が格納庫から基地施設に入る所を見ていた者がいた。
同僚の津軽信孝中尉と大浦未海少尉である。
信孝は眼を細くして信義達を睨む。
クリフトン「カメラの映像を確認し現状確認と、宇宙人・・・いや・・・ゼントラーディ軍の軍人を拾うとはな、意外な収穫だな中尉。」
南部中尉「彼女は地球を砲撃せずむしろ地球側へついたゼントラーディ人です、なんとか保護できませんか?」
栗林大尉「中尉、いくら地球へ味方したとは言え今公開したらフィリア君は迫害されるぞ。地球を攻撃したゼントラーディ人、家族を失った者からすれば憎悪の対象だ。分かっているな。」
南部中尉「心得ています。」
信義はフィリアをTシャツとハーフパンツを着させ基地司令部に入る。
普通失礼で制服を着替えなきゃいけないのだが、特別な措置でお咎め無しである。
入るなり、カメラで撮影したものとフィリアと言うゼントラーディ人の保護に・・・
クリフトンは上機嫌である。
信義はフィリアを保護してもらえないか要請すると・・・
栗林大尉は公表するとフィリア自身危険な目に遭うと警告する。
なんたって地球を壊滅させたゼントラーディ人・・・・・
家族を失ったものからすれば憎悪の対象である。
フィリアは地球に味方したゼントラーディ人ではあるが、
普通の地球人からすれば同じゼントラーディ人であるのには変わりはない。
なので・・・・容易に公表したらフィリアに危害を与えてしまう結果になる。
信義はそれを理解し了承する事になった。
フィリア「美味しいこんな食べ物初めて。」
南部中尉「まずい軍隊飯だけどな。」
フィリア「美味しいわよ、私たちより美味しいわ。」
その後、食堂でレーションを食べた。
あんまり美味しくはないが・・・・・
これよりも美味しくない飯を食べていたフィリアからすればとてつもなく美味しいと感じている。
食べている姿とは地球人と一緒であり、フィリアの笑顔は可愛く見える。
宇宙人とは思えない程華憐である。
津軽信孝「おい・・・・」
南部中尉「津軽・・・・なんのようだ・・・・・」
ガシッ
フィリア「痛・・・何をするのよ・・・」
津軽信孝「人殺しの宇宙人め・・・・よくとのうのうと俺たちと同じ物を食えるな。」
信孝と未海がやってきて、フィリアの方を掴む。
物凄い目つきで・・・・睨んでいる。
フィリアは掴まれて痛がっており・・・・涙が出ている。
この後衝撃的な事を口にする。
津軽信孝「聞いたぞ、お前はゼントラーディ人・・・・地球を壊滅させた張本人と・・・・」
南部中尉「なっ・・・・・」
フィリア「・・・・!?」
ゼントラーディ人・・・・
クリフトンと栗林大尉しか知らない単語・・・・・
何故・・・・・・・まさか・・・・聞いていたのか・・・・・
この言葉の瞬間、この場にいた面々のフィリアへの顔つきが変わる・・・・・
過半数がフィリアへ地球を壊滅させた事への憎悪をぶつけていた。
南部信実「やめろ、津軽・・・フィリアちゃんは・・・・」
津軽信孝「関係ないと言うんだろ、地球に味方とはしたとは言え俺たちの同胞と文明を破壊したんだ。」
南部信実「くっ・・・・」
途中から来た信実がフィリアを掴む信孝の手を振りほどく・・・・
信孝は怒りのこもった目をしながら、今の思いを呟く・・・・
地球を破壊したゼントラーディ人に対する怒り・・・・・
信義も信実・・・・フィリアに対し普通に接する者も黙り込んでしまう。
フィリア「確かに地球を破壊した私たちゼントラーディ人は最悪です・・・・私も無関係とは言いません。」
津軽信孝「ほう・・・・・・」
フィリア「私は罪滅ぼしの為、地球人と共に戦います。私は宇宙での決戦で同胞を殺しています、迷いはないです。」
が・・・・フィリアは涙を振り切って言った。
それが地球人に恨まれる原因ならば罪滅ぼしの為に地球人と共に戦う・・・
同胞を殺す事を躊躇しない・・・・・
フィリアはそう言ったのだ・・・・
津軽信孝「そうか、だったら見せてみろ同胞殺しを・・・・・・南部、次の出撃あるんだってな。」
南部中尉「あるが・・・・・・・」
津軽信孝「ゼントラーディの女を出撃させろ、俺が見届けてやる。予備のSv-52があったはずだ・・・・そいつに乗ってもらう。」
南部中尉「アグレッサーの予備機か?」
津軽信孝「監視するのには持ってこいだ、ゼントラーディの女を乗せ沖ノ鳥島へ・・・そこでゼントラーディ人がいたら約束通り・・・・」
南部中尉「非道だな・・・・・」
フェアリの覚悟を知るべく、アグレッサー用のSv-51αを使わせる。
これで沖の鳥島にいる将兵達を救うべく出撃し・・・・・
遭遇したゼントラーディ軍と戦い殺してもらう・・・・結構厳しい条件・・・
信義は軽蔑するが、信孝は気にしていない。
フィリア「いいわ、私はやり遂げる・・・・」
南部中尉「いいのか?」
フィリア「私は最初はマイクローン(地球人)を味方になるのは部隊が決めた事だから仕方なく、従ったのよ。でもリン・ミンメイの歌を聴いて、地球の文明や地球人と同じような暮らしがしたいと思ったのよ。でも私の種族は地球を壊滅させた、だから地球の為に自分の手を血で汚しても・・・・地球の為に頑張りたい。」
南部中尉「フィリアさん・・・・・・・」
大浦未海「へぇ言う事は言うんだね、少しは認めてもいいわ。」
津軽信孝「よし出撃の時に会おう・・・・」
フィリア「いいわ・・・・」
フィリアは覚悟を決めている・・・・・
信義は黙って見ているしかない・・・・フィリアの目は本気だ・・・・
一方の信孝も嫌で非道だが、何か考えが・・・・・
二人を見て信義はいろいろと考えた・・・・
信孝は何を考えているか分からないが・・・・・・・・
それからしばらく
『イオウアイランド・タワー、ランウェイ10・クリアードフォーテイクオフ』
信義らは硫黄島に展開している救助艦隊の護衛として離陸した。
VR-1A-RFをVF-1Aバルキリーに換装し、信孝のVF-1Aと編隊を組む。
その先頭には・・・・・フィリアのSv-51・・・・
もし怪しい行動をとれば即座に背後から攻撃する・・・・
その意思が込められており・・・・
信義は信孝の考えを即座に考えを読み取る・・・・
むしろ、なぜあんなに激怒していたのか・・・・
まさか家族を失ったのだろうか・・・・・・
いろいろと信義は考える・・・・
そんな時・・・・・
南部中尉「そろそろ沖の鳥島か、かなり埋め立てられある程度の島らしくなったが・・・・」
フィリア「待って!!」
南部中尉「どうした!?」
フィリア「よく見てください、敵複数・・・・」
南部中尉「なんだと・・・・」
フィリアが敵を見つけたらしい言葉を発した。
信義や信孝はその言葉に疑問に思ったのか、若干疑問に感じる・・・
それもしょうがない。
ゼントラーディ人は地球人より骨格など身体に優れている。
視力は圧倒的に優れているので敵の姿を確認できる・・・・
フィリア「突貫!!」
南部中尉「フィリアさん!?」
津軽信孝「追いかけるぞ!」
南部中尉「お・・おい!!・・・行くしかねぇか!!」
フィリアは敵を見るなり突撃した。
早め撃墜し自分の覚悟を証明するつもりだろう・・・・
無論、フィリアを監視する信孝も後についていき・・・・
信義も戸惑いながら二人の後についていく・・・
無鉄砲に突進していいのかと戸惑いながら・・・
「護衛の連中、大丈夫なのか・・・俺たちを放置して。」
ドック型輸送揚陸艦ニューオーリンズの艦長らは困惑している。
軍人なのに、守る素振りがなくて勝手に行動する・・・・・・・
ニューオーリンズ以下各艦隊の将兵はこの時3人の行動に不信感を抱いた。
「隊長、マイクローンの連中が来ましたぜ!」
ラズム「そうか・・・数は3匹か・・・面白い相手かどうか楽しみだな。」
ゼントラーディ軍ラズム・キルヴェラ空間機甲長
信義達の行動を沖の鳥島付近海上に展開していたゼントラーディ軍部隊が動き出す。
リガードやヌージャデル・ガーは動く・・・・・・
その先頭に立つ機体シュルケル・ウーを語るラズム・キルヴェラは不敵に笑う。
ラズムは野心的なエースパイロットであり・・・
残虐であり冷徹な性格の持ち主であった。
監察軍と今まで戦っていたが・・・
面白い戦い方をする地球人に興味を持ち・・・・・
ようやく戦い機会に接する事が出来た。
ボドル基幹艦隊決戦があったとは言え、直接対決はしていない・・・・
だが、今この時・・・戦うチャンスが到来している・・・・
ならば潰してやる。
ラズムはそう考えた。
ズドドド
ズゴォォン
ラズム「あいつかなりの腕前だな。まぁあいつは後回しにして雑魚2機相手しようか!」
1機のバルキリーがバトロイド形態になり、ホバリングを上手く扱い戦っていた。
そのバルキリーはフィリアが駆るSv-51αであった。
Sv-51は反応エンジンを積んでおり、性能はかなり
ゼントラーディ軍相手に十分対抗できる程の力を有していた。
フィリアはゼントラーディ軍時代は優秀な腕前を持っており・・・
海面を跳ねてはホバリングを使用したジャンプ戦略でゼントラーディ軍を圧倒する・・
津軽信孝「本当に同胞を殺すとはな・・・・」
南部中尉「フィリアさんってあんなに強いのか?」
フィリアの活躍に二人は驚愕する・・・・・
本当に同胞を殺してしまうフィリアに信孝は驚く・・・・・
罪を償う気でいる・・・・・・・・
信孝はフィリアの行動を見てそう感じとる・・・・
だが・・・・
こいつは憎むべきゼントラーディ人・・・・
心の中で信孝はそう言い続けるが・・・・
半分は・・・フィリアを認めようと考え始める・・・
【沖ノ鳥島シェルター】
なんとか生き残った将兵達は小窓から戦闘の様子を伺っていた。
外では激しい戦闘の光が見えており・・・・・
撃ち合いが続いている。
「おい巻き込むんじゃないのか?」
「せっかく生き残ったのに、巻き込まれて死ぬのは冗談じゃねぇぞ!」
津田大尉「慌てるな、まだ巻き込まれてないし・・むしろ友軍の到着だ!」
賀愛珍「大尉、たばこ火つけないでくださいね。」
津田大尉「わかってらぁ」
兵士達や職員らは不安がるが津田大尉が叱咤激励し・・・・
その混乱に乗じて煙草を吸おうとする津田大尉を愛珍が阻止する。
このやり取りを続ける・・・
このやり取りにより兵士達の不安を解消しようと考えていた。
賀愛珍「大尉、うまく私たち脱出できますかね?」
津田大尉「さぁな、生き残るかは時の運・・・何が起きるか分からんさ。」
賀愛珍「そんな・・・・・・・ってたばこ吸わないでもらいます。」
津田大尉「人生の最期になるかもしれんのだぞ、一つくらいいいじゃん。」
ある程度落ち着くと、二人の会話が始まる。
これから脱出できるのか?どうなってしまうのか?
津田大尉曰く、生き残るか残らないかは時の運・・・・
どうなってしまうのか正直分からない・・・・
それを聞いた愛珍は少し不安そうな表情を浮かべるが・・・・
再び煙草を取り出し口にくわえようとする津田大尉を阻止した。
南部中尉「皆フィリアさんが相手して・・・俺たちは最後のあいつだけか・・っていない・・・・おわっ!!」
ラズム「俺は他の奴とは違うぞ!馬鹿め!」
津軽信孝「南部、こいつはゼントラーディの女が相手にしていた奴らとは違うぞ!」
南部中尉「何!?」
津軽信孝「奴はエースだ!」
フィリアが他の連中と戦っている頃に・・・・
信義と信孝はラズムと対峙するが・・・・
ラズムは二人の目の前から突然消えたと思いきや・・・・
信義の真横から攻撃を仕掛けてきて・・・・・
反復し機動力を駆使しながら二人を翻弄する。
南部中尉「この野郎!!」
ラズム「ぐぉ」
ズボォォォン
信義はガンポッドを立にし、ラズムのシュルケル・ウーを海に叩きつける。
叩きつけ海中に没し、信義は倒したと安心しきるが・・・・
突然・・・・・
ズドドド
津軽信孝「ちっ・・・・こいつはくたばってないぞ!」
南部中尉「やったと思ったのに!!」
ラズム「面白い芸当だったが、俺を倒すのにはまだまだ未熟だな!!」
海中に没したはずのラズムが復活し二人を襲う・・・・
シュルケル・ウーは頑丈な機体であり・・・・
ラズムはわざと信義の攻撃の意図に乗り、油断させた。
見事作戦は成功し二人に動揺を与える事を成功した。
フィリア「この!」
ラズム「さっきの奴か!!遊びたかったぜ!」
二人が動揺し始めた直後に敵部隊を殲滅したフィリアがやってきた。
到着するなりフィリアはガンポッドの銃弾とようやく使えるようになったミサイルを発射・・・・
海面すれすれの状態をスケート選手のように滑りさらに銃弾を撃ちラズムを追い詰めた。
ラズム「こいつは・・・・・・・」
フィリア「確かゼントラーディ軍機への通信は・・・これか・・・・」
ラズム「ラック、敵からのつう・・・・・てめぇは!!メルトランの兵士だと!?」
戦いの最中でフィリアはラズムに通信を試みる。
無論、多勢無勢になっているラズムを投降させ命を助けるため・・・・・
ボドル基幹艦隊決戦時にエキセドルが教えた通信チャンネルを用い入り・・・
なんとか通信を試みる事に成功、顔合わせすると・・・
ラズムは驚く・・・・相手がメルトラン(同胞)だと・・・・・・・・
ラズム「驚いたなマイクローンに寝返る欠陥品が出るとはな。裏切り者のラプラミズか?」
フィリア「欠陥品!?私が?裏切り者のラプラミズ司令・・・・」
ラズム「本当に無様だな。」
フィリアはラズムと顔合わせするが・・・・
ラズムから裏切り者欠陥品呼ばわりされる。
その言葉にフィリアは深く傷つく・・・・
今までゼントラーディ軍軍人として誇りをもって戦ってきた。
それを欠陥品呼ばわりする・・・・・
屈辱でもあり、深く心の中に心臓が刺さる程傷ついた。
フィリア「私は欠陥・・・・・・・・」
ラズム「通信してきてこれか、メルトランの同胞よ!ならばゼントラーディ軍の軍人として死なせてやるよ!」
ラズムは不敵に笑い・・・・
傷つき戦意を失ったフィリアをシュルケル・ウーのパルスレーザーガンで叩き潰そうとした。
ショックのあまりフィリアは動く事が出来ず・・・・
ずっとその場に留まったばかりだ・・・・・
南部中尉「危ない!!フィリアさん!!」
信義は叫ぶがフィリアはそれでも動かない・・・・
素早いシュルケル・ウーの叩き潰しの速さに・・・もうフィリアはダメだ・
その時であった。
フィリア「えっ!?」
ラズム「ちっ」
フィリア「なんで・・・私を・・・・」
津軽信孝「フィリアと言ったな、お前の罪滅ぼしが完遂するまで死なせん。」
フィリア「・・・・・・」
信孝のガンポッドがパルスレーザーガンを破壊・・・・
ラズムは一歩下がり・・・後退・・・
フィリアは自分を憎んでいた信孝に助けられた事に困惑する・・・
困惑するフィリアに対し信孝は罪滅ぼしが完了するまで死なせんと・・
真顔で言う・・・・・
さっき約束した事を事を果たすまで死なせるつもりはない。
信孝はそう考えていた。
ラズム「ふん・・・・まぁいい、貴様らはいつでも殺せる・・・・首を洗って待っていろ!」
ラズムは救助艦隊が来る事を察したらしく早々と西へ向けて逃げていった。
沖縄与那国島方面へ逃げていくのだろう・・・・・・
信義達は無駄に追撃せず、ラズムを見逃す。
「貴様ら、護衛任務を勝手にサボタージュするとはどう言う事なんだ?えぇ!?」
南部中尉「申し訳ありません。」
「まぁいい今回は不問にする、救助ヘリの護衛したまえ!」
見逃した後、救助艦隊司令代行からきつい言葉をもらう。
信義らはきちんと謝り・・・・
救助部隊のUH-60ブラックホークとUH-60Jジャパンホークの護衛に入る。
数分後
救助ヘリは各自、沖ノ鳥島に到着し将兵を運ぶ。
当分この基地は現状が回復されるまで閉鎖し・・・硫黄島に移転しなくてはならない。
沖ノ鳥島の将兵達はどんどん乗機し輸送艦へ向かっていく。
津田大尉「賀、次は貴様だ!」
賀愛珍「はい、大尉は?」
津田大尉「俺の事はいいから全員乗るまで残るんだよ、さぁ行け!」
津田大尉は全員が乗機するまで残った。
外でタバコを吸えるのが嬉しいのだろうけど・・・・
将兵が津田大尉が乗らない事を心配しても・・・
どんどん乗っていけと言うノリで、どんどん乗らされて行く。
最後に将兵が搭乗すると、津田大尉最後のヘリコプターに乗りのみ輸送艦へ向かう。
その後
硫黄島基地へ到着、収容した将兵を次々と降ろす。
信義達もバルキリーから降り、休憩室へ向かった。
無事に任務が終わりフィリアは信義からお金を貰いコーラを買った。
自動販売機でコーラ買った時手が震えている。
ラズムに追い込まれてしまった事・・・
自分が情けなかった事・・・フィリアはそう感じており・・・
静かに涙を流す。
津軽信孝「ふん・・・・今回は認めるが、まだ諦めんぞゼントラーディの女」
そんな様子を影から実海と共に信孝は見ていた。
何かの想いを秘めているようだが・・・・・
今回は認めるが、諦めないと言う言葉を残し・・・・
そのまま帰っていった。
この諦めないと言う言葉は何を意味するのか?
それは後程分かるのだが、それはまだ後日
ED
【極東軍司令部】
極東軍司令部は戦前、市ヶ谷から司令部機能を移転し・・・
堅い岩盤のある東京近郊の某所に基地が作られていた。
その結果、ゼントラーディ軍の被害を耐え抜き被害はなんとか全壊を免れた。
田中中将「なんとか、全壊は免れたな。動かせる部隊はどのくらいか?」
地球統合陸軍田中静市大将
多賀谷参謀長「分かりません、まだ混乱している部隊が多いので・・・」
地球統合陸軍多賀谷一少将
田中中将「そうか・・・」
極東軍総司令官田中は日本各地に残存した部隊と連絡を取り・・・・
残存部隊を持ってゼントラーディ軍各部隊と戦いながら・・・
シェルターにて生存した民間人を救出しなくてはならない。
まだ戦争は終わっていないが・・・・
民間人の命はなんとしても助けないといけない・・・
どんな事があろうとも・・・・
必ず・・・・・
【次回】
砲撃から一週間後、フィリアは統合軍の軍人に編入されていた。
何事もなく過ごすフィリア・・・・
フィリアを巡り言い争う信義と信孝・・・
そんな中、信義達にある命令が届いた。
それは日本本土にある極東軍司令部からだった。
次回 ライジング・サン