マクロス外伝大本営 新統合軍極東太平洋軍管区司令部

マクロスやロボット大好きなブログです。二次創作などを主にやります。

公式ではなく非公式です。

2月11日の出会い 第2部 沖ノ鳥島の死闘

2019-07-15 23:29:22 | マクロス短編
ゼントラーディ軍ボドル基幹艦隊攻撃から沖ノ鳥島

大陸や巨大列島や海上艦隊を中心にゼントラーディ軍の攻撃を受けてしまった為・・・
辛うじて生き残った島があった。

それは沖ノ鳥島。

コンクリート護岸で守られた島であるが、反統合同盟の攻撃により・・・
東京湾に存在した海堡のような人工島に守られる形になり・・・
地球温暖化で海面上昇しても、大丈夫な要塞島になっていた。

ゼントラーディ軍から無視され、砲撃から逃れ・・・
島にいた209名の兵士や20名の観測庁の職員はなんとか生き残った。

津田大尉「ふぅ去ったようだな、独身のまま死ぬ事はなかったな。」
地球統合海兵隊津田克己大尉

89式小銃を持って建物の待避シェルターの窓から覗く海兵隊隊員が呟く。
彼の名は津田克己大尉.25歳、まだ若いがベテランの部類に入る海兵隊隊員である。

統合戦争ではベテランの自衛官出身の統合軍兵士を失った。
その中でも若手として数々の激戦を潜り抜け、今を生きている。
上と対立して沖ノ鳥島監視施設に左遷されたが、危険は回避された。

危険が回避されるとすぐに周辺部隊に通信・・・
同じく生き残った南鳥島基地に連絡・・・・

のちに硫黄島残存部隊による沖ノ鳥島救出任務が発動される事になった。

津田大尉は後年、こう回想する。
津田大尉はタバコの袋を取り出し、タバコを吸おうとするが・・・

賀愛珍「津田大尉、タバコ吸わないでください。」
地球統合海兵隊.賀愛珍.軍曹

津田大尉「軍曹、加えるだけだ。」

賀愛珍「そのライターはなんですか?」

津田大尉「うっ・・・いいじゃねぇか、一本くらい。」

賀愛珍「ダメです、こんな時に・・・」

台湾出身の十代の女性兵士賀愛珍に止められる。
カッコよく吸おうとしていたが、止められてカッコ悪い表情になって残念がる。
愛珍は真面目で統合戦争に一応出た実戦経験者・・・

油断は出来ない。

津田大尉「さてと、その確認を・・・・・」

ビュゥゥゥゥン

津田大尉「あん?なんだ?はっなんだあいつ?」

「なんだ?なんだ?」

突然
謎の飛行音が聞こえてくる。
一体何者なのか?一体何が来たんだ?
津田大尉以下は、待避窓を確認した。

津田大尉「マジかよ、宇宙人のメカだわ。」

賀愛珍「えいっ」

津田大尉「あぁぁ俺のタバコ・・・」

賀愛珍「つまり危機的状況でしょ、どさくさになんですか?」

ゼントラーディ軍のバトルスーツと戦闘ポッドが飛んでいた。
約4個小隊分・・・・同じ軍だろうが編成がバラバラ・・・

敗残兵なのだろう・・・・

だが、1機は他のと違う・・・・

「くくく・・・・このマイクローンの惑星も悪くないな。」

1機はコマンダーだが・・・・・
明らかに雰囲気が違う・・・・・・・

コックピットの中で、端正な顔立ちをしているゼントラーディ兵が笑う・・・・・

戦いは終わりじゃないぜマイクローン

OP(読む前に必聴)

【硫黄島基地】

信義とフィリアを乗せたVR-1A-RFは硫黄島基地付近に到達した。
硫黄島基地周辺には父島列島と母島列島と同様残存艦艇が集結している。

練習艦カシマと潜水救難艦チハヤ。
ドック型輸送揚陸艦ニューオーリンズと巡洋艦ケープ・セント・ジョージ・・・
そしてポート・ロイヤルの5隻がいた。

ゆっくり機を基地の滑走路へ着陸・・・・
格納庫へと入っていく。

南部信実「兄貴、色っぽい女連れで帰ってくるとはな。」

南部中尉「うるせぇな!フィリア・ナージャさんだ。」

フィリア「フィリア・ナージャです、よろしく。」
ゼントラーディ軍ボドル基幹艦隊ラプラミズ艦隊ラーズ隊所属フィリア・ナージャ3級空士長

南部信実「馬鹿兄貴の弟信実です、フィリアちゃんね可愛いね。」

南部中尉「おい信実!!」

機体から降りてくとさっそく信実が絡んでくる。
信実が絡めば、若い男女の兵士達が早速やってきて。
信義とフィリアを囲む。

フィリアはこんな事が初めてなので困惑している。

南部中尉「とりあえず司令部へ行くよ、行こうフィリアさん。」

フィリア「うん。」

信実達を振り切って、司令部へ向かう。
今やる事は軍人としての仕事を最優先する事。
それをやらないと・・・・・どうにも・・・・・

信義はフィリアの手を引っ張って基地の奥へ消える。

大浦未海「あの娘地球人じゃないわね。」
地球統合空軍大浦未海.少尉

津軽信孝「そうだな、もしかしてこれも・・・・・」
地球統合空軍津軽信孝中尉

二人が格納庫から基地施設に入る所を見ていた者がいた。
同僚の津軽信孝中尉と大浦未海少尉である。

信孝は眼を細くして信義達を睨む。

クリフトン「カメラの映像を確認し現状確認と、宇宙人・・・いや・・・ゼントラーディ軍の軍人を拾うとはな、意外な収穫だな中尉。」

南部中尉「彼女は地球を砲撃せずむしろ地球側へついたゼントラーディ人です、なんとか保護できませんか?」

栗林大尉「中尉、いくら地球へ味方したとは言え今公開したらフィリア君は迫害されるぞ。地球を攻撃したゼントラーディ人、家族を失った者からすれば憎悪の対象だ。分かっているな。」

南部中尉「心得ています。」

信義はフィリアをTシャツとハーフパンツを着させ基地司令部に入る。
普通失礼で制服を着替えなきゃいけないのだが、特別な措置でお咎め無しである。
入るなり、カメラで撮影したものとフィリアと言うゼントラーディ人の保護に・・・

クリフトンは上機嫌である。

信義はフィリアを保護してもらえないか要請すると・・・
栗林大尉は公表するとフィリア自身危険な目に遭うと警告する。
なんたって地球を壊滅させたゼントラーディ人・・・・・

家族を失ったものからすれば憎悪の対象である。
フィリアは地球に味方したゼントラーディ人ではあるが、

普通の地球人からすれば同じゼントラーディ人であるのには変わりはない。
なので・・・・容易に公表したらフィリアに危害を与えてしまう結果になる。
信義はそれを理解し了承する事になった。

フィリア「美味しいこんな食べ物初めて。」

南部中尉「まずい軍隊飯だけどな。」

フィリア「美味しいわよ、私たちより美味しいわ。」

その後、食堂でレーションを食べた。
あんまり美味しくはないが・・・・・
これよりも美味しくない飯を食べていたフィリアからすればとてつもなく美味しいと感じている。

食べている姿とは地球人と一緒であり、フィリアの笑顔は可愛く見える。
宇宙人とは思えない程華憐である。

津軽信孝「おい・・・・」

南部中尉「津軽・・・・なんのようだ・・・・・」

ガシッ

フィリア「痛・・・何をするのよ・・・」

津軽信孝「人殺しの宇宙人め・・・・よくとのうのうと俺たちと同じ物を食えるな。」

信孝と未海がやってきて、フィリアの方を掴む。
物凄い目つきで・・・・睨んでいる。

フィリアは掴まれて痛がっており・・・・涙が出ている。

この後衝撃的な事を口にする。

津軽信孝「聞いたぞ、お前はゼントラーディ人・・・・地球を壊滅させた張本人と・・・・」

南部中尉「なっ・・・・・」

フィリア「・・・・!?」

ゼントラーディ人・・・・
クリフトンと栗林大尉しか知らない単語・・・・・
何故・・・・・・・まさか・・・・聞いていたのか・・・・・

この言葉の瞬間、この場にいた面々のフィリアへの顔つきが変わる・・・・・

過半数がフィリアへ地球を壊滅させた事への憎悪をぶつけていた。

南部信実「やめろ、津軽・・・フィリアちゃんは・・・・」

津軽信孝「関係ないと言うんだろ、地球に味方とはしたとは言え俺たちの同胞と文明を破壊したんだ。」

南部信実「くっ・・・・」

途中から来た信実がフィリアを掴む信孝の手を振りほどく・・・・
信孝は怒りのこもった目をしながら、今の思いを呟く・・・・

地球を破壊したゼントラーディ人に対する怒り・・・・・

信義も信実・・・・フィリアに対し普通に接する者も黙り込んでしまう。

フィリア「確かに地球を破壊した私たちゼントラーディ人は最悪です・・・・私も無関係とは言いません。」

津軽信孝「ほう・・・・・・」

フィリア「私は罪滅ぼしの為、地球人と共に戦います。私は宇宙での決戦で同胞を殺しています、迷いはないです。」

が・・・・フィリアは涙を振り切って言った。
それが地球人に恨まれる原因ならば罪滅ぼしの為に地球人と共に戦う・・・

同胞を殺す事を躊躇しない・・・・・

フィリアはそう言ったのだ・・・・

津軽信孝「そうか、だったら見せてみろ同胞殺しを・・・・・・南部、次の出撃あるんだってな。」

南部中尉「あるが・・・・・・・」

津軽信孝「ゼントラーディの女を出撃させろ、俺が見届けてやる。予備のSv-52があったはずだ・・・・そいつに乗ってもらう。」

南部中尉「アグレッサーの予備機か?」

津軽信孝「監視するのには持ってこいだ、ゼントラーディの女を乗せ沖ノ鳥島へ・・・そこでゼントラーディ人がいたら約束通り・・・・」

南部中尉「非道だな・・・・・」

フェアリの覚悟を知るべく、アグレッサー用のSv-51αを使わせる。
これで沖の鳥島にいる将兵達を救うべく出撃し・・・・・
遭遇したゼントラーディ軍と戦い殺してもらう・・・・結構厳しい条件・・・

信義は軽蔑するが、信孝は気にしていない。

フィリア「いいわ、私はやり遂げる・・・・」

南部中尉「いいのか?」

フィリア「私は最初はマイクローン(地球人)を味方になるのは部隊が決めた事だから仕方なく、従ったのよ。でもリン・ミンメイの歌を聴いて、地球の文明や地球人と同じような暮らしがしたいと思ったのよ。でも私の種族は地球を壊滅させた、だから地球の為に自分の手を血で汚しても・・・・地球の為に頑張りたい。」

南部中尉「フィリアさん・・・・・・・」

大浦未海「へぇ言う事は言うんだね、少しは認めてもいいわ。」

津軽信孝「よし出撃の時に会おう・・・・」

フィリア「いいわ・・・・」

フィリアは覚悟を決めている・・・・・
信義は黙って見ているしかない・・・・フィリアの目は本気だ・・・・

一方の信孝も嫌で非道だが、何か考えが・・・・・
二人を見て信義はいろいろと考えた・・・・
信孝は何を考えているか分からないが・・・・・・・・

それからしばらく

『イオウアイランド・タワー、ランウェイ10・クリアードフォーテイクオフ』

信義らは硫黄島に展開している救助艦隊の護衛として離陸した。
VR-1A-RFをVF-1Aバルキリーに換装し、信孝のVF-1Aと編隊を組む。
その先頭には・・・・・フィリアのSv-51・・・・

もし怪しい行動をとれば即座に背後から攻撃する・・・・

その意思が込められており・・・・
信義は信孝の考えを即座に考えを読み取る・・・・
むしろ、なぜあんなに激怒していたのか・・・・

まさか家族を失ったのだろうか・・・・・・

いろいろと信義は考える・・・・

そんな時・・・・・

南部中尉「そろそろ沖の鳥島か、かなり埋め立てられある程度の島らしくなったが・・・・」

フィリア「待って!!」

南部中尉「どうした!?」

フィリア「よく見てください、敵複数・・・・」

南部中尉「なんだと・・・・」

フィリアが敵を見つけたらしい言葉を発した。
信義や信孝はその言葉に疑問に思ったのか、若干疑問に感じる・・・

それもしょうがない。
ゼントラーディ人は地球人より骨格など身体に優れている。
視力は圧倒的に優れているので敵の姿を確認できる・・・・

フィリア「突貫!!」

南部中尉「フィリアさん!?」

津軽信孝「追いかけるぞ!」

南部中尉「お・・おい!!・・・行くしかねぇか!!」

フィリアは敵を見るなり突撃した。

早め撃墜し自分の覚悟を証明するつもりだろう・・・・
無論、フィリアを監視する信孝も後についていき・・・・
信義も戸惑いながら二人の後についていく・・・

無鉄砲に突進していいのかと戸惑いながら・・・

「護衛の連中、大丈夫なのか・・・俺たちを放置して。」

ドック型輸送揚陸艦ニューオーリンズの艦長らは困惑している。
軍人なのに、守る素振りがなくて勝手に行動する・・・・・・・

ニューオーリンズ以下各艦隊の将兵はこの時3人の行動に不信感を抱いた。

「隊長、マイクローンの連中が来ましたぜ!」

ラズム「そうか・・・数は3匹か・・・面白い相手かどうか楽しみだな。」
ゼントラーディ軍ラズム・キルヴェラ空間機甲長

信義達の行動を沖の鳥島付近海上に展開していたゼントラーディ軍部隊が動き出す。
リガードやヌージャデル・ガーは動く・・・・・・

その先頭に立つ機体シュルケル・ウーを語るラズム・キルヴェラは不敵に笑う。

ラズムは野心的なエースパイロットであり・・・
残虐であり冷徹な性格の持ち主であった。

監察軍と今まで戦っていたが・・・
面白い戦い方をする地球人に興味を持ち・・・・・
ようやく戦い機会に接する事が出来た。

ボドル基幹艦隊決戦があったとは言え、直接対決はしていない・・・・
だが、今この時・・・戦うチャンスが到来している・・・・

ならば潰してやる。
ラズムはそう考えた。

ズドドド
ズゴォォン

ラズム「あいつかなりの腕前だな。まぁあいつは後回しにして雑魚2機相手しようか!」

1機のバルキリーがバトロイド形態になり、ホバリングを上手く扱い戦っていた。
そのバルキリーはフィリアが駆るSv-51αであった。

Sv-51は反応エンジンを積んでおり、性能はかなり
ゼントラーディ軍相手に十分対抗できる程の力を有していた。
フィリアはゼントラーディ軍時代は優秀な腕前を持っており・・・
海面を跳ねてはホバリングを使用したジャンプ戦略でゼントラーディ軍を圧倒する・・

津軽信孝「本当に同胞を殺すとはな・・・・」

南部中尉「フィリアさんってあんなに強いのか?」

フィリアの活躍に二人は驚愕する・・・・・
本当に同胞を殺してしまうフィリアに信孝は驚く・・・・・

罪を償う気でいる・・・・・・・・

信孝はフィリアの行動を見てそう感じとる・・・・

だが・・・・

こいつは憎むべきゼントラーディ人・・・・
心の中で信孝はそう言い続けるが・・・・
半分は・・・フィリアを認めようと考え始める・・・

【沖ノ鳥島シェルター】

なんとか生き残った将兵達は小窓から戦闘の様子を伺っていた。
外では激しい戦闘の光が見えており・・・・・

撃ち合いが続いている。

「おい巻き込むんじゃないのか?」

「せっかく生き残ったのに、巻き込まれて死ぬのは冗談じゃねぇぞ!」

津田大尉「慌てるな、まだ巻き込まれてないし・・むしろ友軍の到着だ!」

賀愛珍「大尉、たばこ火つけないでくださいね。」

津田大尉「わかってらぁ」

兵士達や職員らは不安がるが津田大尉が叱咤激励し・・・・
その混乱に乗じて煙草を吸おうとする津田大尉を愛珍が阻止する。

このやり取りを続ける・・・

このやり取りにより兵士達の不安を解消しようと考えていた。

賀愛珍「大尉、うまく私たち脱出できますかね?」

津田大尉「さぁな、生き残るかは時の運・・・何が起きるか分からんさ。」

賀愛珍「そんな・・・・・・・ってたばこ吸わないでもらいます。」

津田大尉「人生の最期になるかもしれんのだぞ、一つくらいいいじゃん。」

ある程度落ち着くと、二人の会話が始まる。
これから脱出できるのか?どうなってしまうのか?
津田大尉曰く、生き残るか残らないかは時の運・・・・

どうなってしまうのか正直分からない・・・・

それを聞いた愛珍は少し不安そうな表情を浮かべるが・・・・
再び煙草を取り出し口にくわえようとする津田大尉を阻止した。

南部中尉「皆フィリアさんが相手して・・・俺たちは最後のあいつだけか・・っていない・・・・おわっ!!」

ラズム「俺は他の奴とは違うぞ!馬鹿め!」

津軽信孝「南部、こいつはゼントラーディの女が相手にしていた奴らとは違うぞ!」

南部中尉「何!?」

津軽信孝「奴はエースだ!」

フィリアが他の連中と戦っている頃に・・・・
信義と信孝はラズムと対峙するが・・・・

ラズムは二人の目の前から突然消えたと思いきや・・・・
信義の真横から攻撃を仕掛けてきて・・・・・
反復し機動力を駆使しながら二人を翻弄する。

南部中尉「この野郎!!」

ラズム「ぐぉ」

ズボォォォン

信義はガンポッドを立にし、ラズムのシュルケル・ウーを海に叩きつける。
叩きつけ海中に没し、信義は倒したと安心しきるが・・・・

突然・・・・・

ズドドド

津軽信孝「ちっ・・・・こいつはくたばってないぞ!」

南部中尉「やったと思ったのに!!」

ラズム「面白い芸当だったが、俺を倒すのにはまだまだ未熟だな!!」

海中に没したはずのラズムが復活し二人を襲う・・・・
シュルケル・ウーは頑丈な機体であり・・・・
ラズムはわざと信義の攻撃の意図に乗り、油断させた。

見事作戦は成功し二人に動揺を与える事を成功した。

フィリア「この!」

ラズム「さっきの奴か!!遊びたかったぜ!」

二人が動揺し始めた直後に敵部隊を殲滅したフィリアがやってきた。

到着するなりフィリアはガンポッドの銃弾とようやく使えるようになったミサイルを発射・・・・
海面すれすれの状態をスケート選手のように滑りさらに銃弾を撃ちラズムを追い詰めた。

ラズム「こいつは・・・・・・・」

フィリア「確かゼントラーディ軍機への通信は・・・これか・・・・」

ラズム「ラック、敵からのつう・・・・・てめぇは!!メルトランの兵士だと!?」

戦いの最中でフィリアはラズムに通信を試みる。
無論、多勢無勢になっているラズムを投降させ命を助けるため・・・・・

ボドル基幹艦隊決戦時にエキセドルが教えた通信チャンネルを用い入り・・・
なんとか通信を試みる事に成功、顔合わせすると・・・
ラズムは驚く・・・・相手がメルトラン(同胞)だと・・・・・・・・

ラズム「驚いたなマイクローンに寝返る欠陥品が出るとはな。裏切り者のラプラミズか?」

フィリア「欠陥品!?私が?裏切り者のラプラミズ司令・・・・」

ラズム「本当に無様だな。」

フィリアはラズムと顔合わせするが・・・・
ラズムから裏切り者欠陥品呼ばわりされる。
その言葉にフィリアは深く傷つく・・・・

今までゼントラーディ軍軍人として誇りをもって戦ってきた。

それを欠陥品呼ばわりする・・・・・

屈辱でもあり、深く心の中に心臓が刺さる程傷ついた。

フィリア「私は欠陥・・・・・・・・」

ラズム「通信してきてこれか、メルトランの同胞よ!ならばゼントラーディ軍の軍人として死なせてやるよ!」

ラズムは不敵に笑い・・・・
傷つき戦意を失ったフィリアをシュルケル・ウーのパルスレーザーガンで叩き潰そうとした。
ショックのあまりフィリアは動く事が出来ず・・・・

ずっとその場に留まったばかりだ・・・・・

南部中尉「危ない!!フィリアさん!!」

信義は叫ぶがフィリアはそれでも動かない・・・・
素早いシュルケル・ウーの叩き潰しの速さに・・・もうフィリアはダメだ・

その時であった。

フィリア「えっ!?」

ラズム「ちっ」

フィリア「なんで・・・私を・・・・」

津軽信孝「フィリアと言ったな、お前の罪滅ぼしが完遂するまで死なせん。」

フィリア「・・・・・・」

信孝のガンポッドがパルスレーザーガンを破壊・・・・
ラズムは一歩下がり・・・後退・・・

フィリアは自分を憎んでいた信孝に助けられた事に困惑する・・・
困惑するフィリアに対し信孝は罪滅ぼしが完了するまで死なせんと・・
真顔で言う・・・・・

さっき約束した事を事を果たすまで死なせるつもりはない。
信孝はそう考えていた。

ラズム「ふん・・・・まぁいい、貴様らはいつでも殺せる・・・・首を洗って待っていろ!」

ラズムは救助艦隊が来る事を察したらしく早々と西へ向けて逃げていった。
沖縄与那国島方面へ逃げていくのだろう・・・・・・

信義達は無駄に追撃せず、ラズムを見逃す。

「貴様ら、護衛任務を勝手にサボタージュするとはどう言う事なんだ?えぇ!?」

南部中尉「申し訳ありません。」

「まぁいい今回は不問にする、救助ヘリの護衛したまえ!」

見逃した後、救助艦隊司令代行からきつい言葉をもらう。
信義らはきちんと謝り・・・・
救助部隊のUH-60ブラックホークとUH-60Jジャパンホークの護衛に入る。

数分後

救助ヘリは各自、沖ノ鳥島に到着し将兵を運ぶ。
当分この基地は現状が回復されるまで閉鎖し・・・硫黄島に移転しなくてはならない。

沖ノ鳥島の将兵達はどんどん乗機し輸送艦へ向かっていく。

津田大尉「賀、次は貴様だ!」

賀愛珍「はい、大尉は?」

津田大尉「俺の事はいいから全員乗るまで残るんだよ、さぁ行け!」

津田大尉は全員が乗機するまで残った。
外でタバコを吸えるのが嬉しいのだろうけど・・・・

将兵が津田大尉が乗らない事を心配しても・・・

どんどん乗っていけと言うノリで、どんどん乗らされて行く。
最後に将兵が搭乗すると、津田大尉最後のヘリコプターに乗りのみ輸送艦へ向かう。

その後

硫黄島基地へ到着、収容した将兵を次々と降ろす。

信義達もバルキリーから降り、休憩室へ向かった。
無事に任務が終わりフィリアは信義からお金を貰いコーラを買った。

自動販売機でコーラ買った時手が震えている。

ラズムに追い込まれてしまった事・・・
自分が情けなかった事・・・フィリアはそう感じており・・・
静かに涙を流す。

津軽信孝「ふん・・・・今回は認めるが、まだ諦めんぞゼントラーディの女」

そんな様子を影から実海と共に信孝は見ていた。
何かの想いを秘めているようだが・・・・・

今回は認めるが、諦めないと言う言葉を残し・・・・
そのまま帰っていった。
この諦めないと言う言葉は何を意味するのか?

それは後程分かるのだが、それはまだ後日

ED

【極東軍司令部】

極東軍司令部は戦前、市ヶ谷から司令部機能を移転し・・・
堅い岩盤のある東京近郊の某所に基地が作られていた。

その結果、ゼントラーディ軍の被害を耐え抜き被害はなんとか全壊を免れた。

田中中将「なんとか、全壊は免れたな。動かせる部隊はどのくらいか?」
地球統合陸軍田中静市大将

多賀谷参謀長「分かりません、まだ混乱している部隊が多いので・・・」
地球統合陸軍多賀谷一少将

田中中将「そうか・・・」

極東軍総司令官田中は日本各地に残存した部隊と連絡を取り・・・・
残存部隊を持ってゼントラーディ軍各部隊と戦いながら・・・

シェルターにて生存した民間人を救出しなくてはならない。

まだ戦争は終わっていないが・・・・
民間人の命はなんとしても助けないといけない・・・
どんな事があろうとも・・・・

必ず・・・・・

【次回】

砲撃から一週間後、フィリアは統合軍の軍人に編入されていた。
何事もなく過ごすフィリア・・・・
フィリアを巡り言い争う信義と信孝・・・

そんな中、信義達にある命令が届いた。

それは日本本土にある極東軍司令部からだった。

次回 ライジング・サン
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2月11日の出会い 第1部 壊滅した東京の地で

2019-07-15 20:31:46 | マクロス短編
西暦2020年.2月11年.地球.極東・太平洋行政区.区都東京

かつて日本国の首都のあった東京で戦没者慰霊式が行われた。

10年前に終わった第1次星間大戦で・・・・
世界有数の大都市であった東京はゼントラーディ軍の攻撃により壊滅。
住んでいた殆どの人間が戦火に飲み込まれ死亡した。

あれから10年
生き残った人々は様々な対立や激怒喜び悲しみがあったが・・・・
東京を元通りとは言わないが・・・・
新統合政府首都惑星地球に相応しい大都市に復活した。

南部信義「先の大戦では数多くの人が亡くなりました・・・・だが、ゼントラーディ人を恨んでも亡くなった方は戻ってきません。今の我々に出来る事は亡くなった方々の遺志を継ぎ、二度と同じ悲劇を繰り返さない未来を作る事です。」
極東・太平洋区知事.南部信義(自由共和党所属)

慰霊式典で、区知事の南部信義は演説を行った。
この演説は各方面から大絶賛され、この日の各社の新聞のトップを飾る。

一方でゼントラーディ人権団体や反ゼントラーディ団体から抗議されるが・・・・

集まった観衆に逆に抗議され一目散に逃げていった。

南部美桜「名演説、流石あなたね。」
信義の妻.南部美桜

南部信義「ありがとう、美桜。昨日必死に考えた感があったよ。」

演説を終えた信義は席に戻ると妻の美桜と会話する。
妻は日本人の名前だが、日本人でも地球人ではない・・・

かつて地球を壊滅させたゼントラーディ人である。

今は政治家である信義の妻として子育てしながら支えており・・・
信義も妻を苦労させないように頑張っている。

そんな二人が出会ったのは丁度10年前・・・・
あの惨劇があったあの日・・・・

そして語られる歴史に消えたある戦士達の物語を・・・

OP(読む前に必聴)

【AD2010年2月11日午前10時00分硫黄島基地】

ゼントラーディ軍ボドル基幹艦隊が来襲した。
アラスカの総司令部は各方面軍に迎撃命令を出し、地球各部隊は臨戦態勢をとった。
無論、極東・太平洋方面軍にも迎撃命令が出ており・・・・

横須賀や百里など日本を含む該当地域の部隊は次々と出撃して行った。

南部中尉「ゼントラーディ軍の数万の艦隊か、やばいな。」
新統合空軍南部信義.中尉

南部信実「月にいるお袋達、無事か不安だわ。」
新統合空軍南部信実.少尉

硫黄島基地の滑走路で、多くの将兵が上空に展開するゼントラーディ軍の様子を伺う。
見たことのないような艦隊が上空に沢山見れる・・・・

あまりにも恐ろしい光景に将兵達は恐れを感じていた。

南部兄弟は怖いもの知らずなのか、殆ど怖がってない。

南部中尉「まぁいい、俺達は敵が来れば徹底敵にやる。信実も備えておけ!」

南部信実「兄貴の指示じゃしょうがねぇな!」

信義は弟信実に今後やるべき事を言う。
どんな敵が来ようとも、自分達がやる事は敵を倒し民間人を守る事。

今信義の言った事は信実も同じように感じており・・・
指示通り、自分の愛機VA-3インベーダーに向かって歩いていく。
その時・・・・・

南部中尉「!!!なんだ!?この光は」

突然、周りが多数の光の矢が落ちてくる。
風も吹き飛ばされんが、かなり凄まじい・・・・
一体何が起きている?何が起きているんだ?

大勢の兵士はそう思いながら、今のイレギュラーな事態に備える。

光の矢をよく見ると、日本列島やユーラシア大陸・・・
マリアナ列島に集中している・・・・

近くの光の矢は統合海軍艦隊のいる方向だ・・・

しばらくして・・・・

南部信実「終わったのか?何が起きてやがる!」

南部中尉「空が暗い・・・・・こんなのは初めてだ!」

ようやく光の矢は収まった。
将兵達は立ち上がると、今の状態を確認する。

今の状況を確認すべく
基地に所属している救難隊のUH-60J救難ヘリコプタ-とUS-2が飛び立つ。
信義は信実を残し今の事態を把握すべく、基地施設へ入った。

クリフトン「今の状況はどうなんだ?」
地球統合陸軍硫黄島基地統合司令クリフトン・ロジャー大佐

栗林大尉「はっ父島基地と南鳥島基地は共に健在、他は・・・
地球統合陸軍栗林利之助大尉

クリフトン「それはいい本土はどうなんだ?」

栗林大尉「なんと言いますか、通信が出来ない為分かりません。」

クリフトン「ぬぅ。」

その頃、硫黄島司令部では幹部達が右往左往慌てていた。
硫黄島周辺の小笠原諸島とその艦船の安否を確認したが・・・・
肝心の本土との連絡がつかなかった。

司令官クリフトンは極東・太平洋軍司令部とのコンタクトがとれなくてイライラしており・・・
部下の栗林大尉は微妙な顔をし、受け答えする。

クリフトン「とりあえず、、偵察飛行隊を出せ!状況が知りたい!」

栗林大尉「ハッ」

なんとか落ち着きを取り戻すと、クリフトンから偵察飛行隊を出せの命令を出した。
クリフトンの意をくみ取り栗林大尉は敬礼し、偵察飛行隊を探しに行く。

とりあえず適当に一人見つけて、飛ばそうと・・・・

南部中尉「?なんだこの騒ぎ?」

基地施設に入った信義は司令部付近の慌てように驚く。
一体何が起きている?

将兵の慌てように信義は困惑している。

すると・・・・

栗林大尉「南部君!」

南部中尉「おわっびっくりした!」

栗林大尉「頼みがある、今から東京へ向かってくれ!」

南部中尉「なんだって!?」

司令部から出てきた栗林大尉から東京へ向かってくれと頼まれる。
最初は驚いた信義だが、栗林大尉の熱心な要請ともあり了承した。

それから50分後・・・
機体の調整を終え硫黄島基地から離陸したVF-1A-RF・・・・
空は黒く異常な光景だが、小笠原諸島の島々は南アタリア島以外いつも通りだ。

そう思っていると・・・・

南部中尉「大きな爆発、宇宙で何か起こったんだな。」

宇宙が爆発した。
この時、SDF-1マクロスと同盟ゼントラーディ軍艦隊がボドルザーを倒した。
今の爆発はボドルザーが乗艦していたフルブス・バレンスが撃沈したもので・・・

地上やアポロ基地からでも十分に見える大きな光であった。

信義の近くに巨大な軍艦が多数落下し海の中へ海没した。

落下してくる軍艦や破片に気を付けながら、信義は進む。

【AD2010年2月11日 東京湾】

南部中尉のVR-1A-RFは東京湾へたどり着いた。
地球統合海軍の最大軍港横須賀基地がミニッツ級空母などが横転したり・・・
基地の建物の破片が湾内に入り込んでいた。

アーレイバーグ級が重なりあい沈んでいるのが、辛い・・・・

よく見るとなんとか生き残った地下シェルターからトラックが出てくる。
陸軍と海軍の残存部隊だろう、どんどん兵士が出てきて生き残りのシェルターを探している。

南部信義「見るに耐えないな、対岸の木更津基地もくっ・・・」

信義は今の光景にかなり苦痛に感じる・・・
東京湾沿岸がかなり酷い被害を受けていた。
横浜も千葉も、アクアラインも無惨な姿を晒していた。

思わず強いショックで意識を失いかけたが・・・

南部中尉「HQ(司令部)HQ、こちら、イエロータイガー3。トウキョウ上空に到達。これより撮影します。」

『了解、東京上空を撮影せよ!』

南部中尉「了解。」

自分の役割を果たす事に専念する。
まだ20歳とは言え、統合戦争に従軍し悲惨な光景を目の当たりにして来た。

目の前に見える火災の炎だって何度も・・・・

信義は手をギュット握りして目的地へ向かう・・・

が・・・・・

南部中尉「こ.これは・・・・・」

東京へ辿り着くが・・・・・

目の前には巨大なクレーターが広がっていた。
確かここには日本国の首都で大都市のあった東京があった場所だ・・・
その東京が大きなクレーターの広がる荒廃した地になり・・・

かつての栄光を見慣れたら信じたくないような無惨な姿を晒していた。



信義は両翼にミサイル代わりに装着されたカメラで写真撮影を行った。
無惨に倒れる東京タワー、僅かに生き残り彷徨う人々。
建設途中で無惨に破壊された東京スカイツリー・・・・・

無残な光景に信義は涙を流した。

かつて日本国の繁栄極めた東京の成れの果てなのかと・・・

南部中尉「くそっ!くそっ!くそぉぉぉぉ」

声にならない叫びをあげた。
今は統合政府の一つになったとは言え、日本は故郷なんだ・・・
故郷がこんな姿になるのは耐えられない・・・

今頃、故郷の田舎も・・・・

信義は涙を流しながら号泣し叫ぶ・・・・

そんな時・・・・

南部信義「なんだ?レーダーに何か・・・・」

突然レーダーに何かが移る。
房総方面から単機で何かが・・・・・

一旦バトロイドに変形し、ガンポッドを構えていると・・・・

南部中尉「なんだこいつは?」

目の前に見たことのない人型機動兵器が現れた。
その機動兵器とはクァドラン・ロー、ゼントラーディ軍女性兵器である。

無論見たことのない信義からすれば見たことないアンノン。

とは言え友軍機には見えないが・・・・・
若干被弾しフラフラしている。

フラフラしたクァドラン・ローは東京クレーターの一部へ落ちる。

南部中尉「なんだ、あいつ?落ちていくのか?とりあえず、宇宙から来たのならばとっちめてやる!」

信義はバーニアを駆使しながら、ゆっくり降下し・・・・
落ちていったクァドラン・ローを追いかける。
情報源が欲しい
あいつは何か知っているはずだ、この惨劇を引き起こした原因がなんなのかを・・・・

地上へ降下すると、クァドラン・ローが破壊された建物に背をつけながら座っている。

南部中尉「ハッチが開こうとしている?どんな奴が乗っているんだ?」

座っているクァドラン・ローのハッチが開こうとしていた。
ハッチが開く、中に乗っている奴が出てくる。
まさか、マクロスの原型のような巨人なのか・・・・

冷や汗を出しながら、ガンポッドをクァドラン・ローへ向ける。
いつでも撃てるように・・・・

ガコォン

南部中尉「女・・・・しかもスタイルのいい女の巨人・・・・」

中からメルトランが出てくる。
巨人の女兵士・・・・・しかもスタイルがいい女・・・

あまりにも非日常的な光景に信義は声が出ない。

「マイクローン(地球人)・・・・マイクローン(地球人)だな・・・・」

南部中尉「こいつ、地球語を喋れるのか?お前は誰だ!」

「私はゼントラーディ軍ボドル基幹艦隊ラプラミズ艦隊ラーズ隊所属フィリア・ナージャ3級空士長・・・・」

南部中尉「フィリアだと?」

地球語で喋りかけてくるメルトラン。
見慣れない巨人の女が地球の言葉で喋りかけてくる。

名前はフィリア・・・・・

ゼントラーディ軍の女性兵士・・・・・
後に南部信義の妻になる南部美桜が結婚する前の名前であった。

フィリア「地球人との部隊と私の原隊から離れたのはいいが、情けない話。この機体は使えない。頼みがある、私をあそこまで連れて行ってくれないか?」

南部中尉「待てお前!いきなり現れてそれはなんだ?連れていけとか?ゼントラーディ軍・・・それはなんだ?」

フィリア「私が所属する軍・・・・この惨状を引き起こした軍だ!」

フィリアからイキナリ頼み事をされるが・・・・
信義は声を荒くしながら、フィリアを問いただす・・・・

声を荒くして返してきた信義にフィリアは怯えながら、質問に答える。

が・・・・・

これが不味かったのか・・・・・

南部中尉「貴様らがやったのか?この惨状を・・・・」

フィリア「えっえっ何を・・・・惨状を・・・待って私達はやって・・・・」

南部中尉「貴様らがやったのかぁぁぁぁぁぁぁぁ」

ズドドドドン

信義はぶちギレ・・・・・
怯えてしまったフィリアに向けてガンポッドを発砲した。

反射神経が幸いしたのか、フィリアは銃弾が当たる前に尻餅をついてしまい。
回避に成功するが、信義は怒りに任せ発砲し続ける。
あまりにも恐ろしい声を聞いたフィリアは戦闘種族とは言え泣き出してしまう。

その時・・・・

やめろ!そこの友軍機!

南部中尉「誰だ?」

早露中尉「俺は早露昇平中尉、SDF-1マクロス所属の者だ!彼女は味方だ!」
地球統合軍早露中尉

信義に向けてどなり声をあげる。

その声の主は早露昇平中尉。
南部信義の先輩であり、航空自衛隊出身のエースパイロットだった。
信義や同期の滝田英史らと共に10名の日本人パイロットと共に北米にて可変戦闘機訓練を受け・・・

統合戦争では
F-15++
F/A-20Nシードラゴン
AV-8Bハリアー
を乗り回し、数々の戦歴をあげ・・・・
反統合同盟軍のスコリア作戦のカウンター攻撃ヤブキ作戦に参加し戦功をあげている。

マクロスの進宙式に参加するが、南アタリア島の戦いが起こり・・・・・
見学に来ていた家族揃ってマクロスに乗艦している。
ちなみに滝田も同じように参加してよく古い仲の関係を維持していたようだ。

南部中尉「早露中尉、死んだはずでは・・・・」

早露中尉「南部か、久しいな。俺はピンピンしている。お前こそ死んだと思ったぞ」

南部中尉「しかし、なぜ中尉は彼処にいる女を敵じゃないと・・・」

早露中尉「落ち着け!貴様!まずは落ち着け、話はその後だ!」

懐かしい話はしたいが、今はこの状況を纏めないといけない。
もっとも今はフィリアを殺そうとする信義の為にも・・・

とりあえず信義と早露とフィリアの三人で話し合う事にした。

フィリアの部隊が地球を攻撃してない事。
マクロスとフィリアの部隊などのゼントラーディ軍の1部隊と合流した事。
本当にフィリアの部隊が地球を攻撃してない事を聞いた。

南部中尉「すまん、フィリアさん。殺そうとして・・・」

フィリア「いいんです、事実私の同胞はあなた達を殺してしまいました。私達は撃ってないとは言え、地球を殺したゼントラーディ人とは何です。そう言われてもしょうがないです。ごめんなさい。」

信義は事実も知らず、フィリアを殺そうとしてしまった事を謝罪した。
フィリアの方も勘違いさせるような発言をしてしまったし・・・・・・・
攻撃しなかったとは言え、ゼントラーディ軍は事実地球を攻撃してしまっているので・・・
しょうがないと信義に返した。

このやりとりに早露はお似合いだなと内心思ってしまった。

南部中尉「で中尉殿、フィリアさんが俺に連れていってもらいたい所はどこ何です?」

早露中尉「あれだ!」

南部中尉「これは巨大な宇宙戦艦?」

早露中尉「そうだ、落下し墜落したゼントラーディ軍の宇宙戦艦だ!」

南部中尉「一体何が?」

早露中尉「行ってからのお楽しみだ、なぁに慌てるな。」

会話の最中にフィリアが行きたかった場所について信義は聞いた。
フィリアが行きたがっていた場所、気になる。
早露は墜落しているゼントラーディ艦(スヴァール・サラン級)を指を指し・・・

行ってからのお楽しみと言う。

信義はお楽しみと言う疑問に感じるが・・・・
フィリアが信義のバルキリーを見て、行きたいと言う事を頼む表情をしており・・・
美しさと可愛さが混ざった第1印象な表情である為・・・

南部中尉「よし行こう!後で硫黄島へ戻る予定だけど・・・・いいだろう。」

フィリア「ありがとう、中尉。」

南部中尉「待ってくれフィリアさん、抱きつかれても・・・」

ゼントラーディ艦に行く事を表明・・・・
信義の宣言に喜んだのか、フィリアは抱きついてくる。
可愛くてナイスバディ・・・・

巨人じゃなくて、同じような体型であれば・・・・

今起きている事態やさっきの叫びを忘れ・・・
今の感動を噛み締める。

それを見ていた早露は単純な奴と思った。

三人はそのままゼントラーディ軍艦にたどり着き艦内に入る。
ガウォーク形態で艦内を進み、フィリアの言う通りに道を進む。

南部中尉「うっ・・・・こいつは酷いな。」

艦内には無論、巨人の兵士らが倒れて死んでいた。
男性の兵士のようで、どれも生きているようには見えない。
皆死んでいる。

思わず目を背けたくなるが、どうしても見てしまう。
信義は我慢しながら二人と共に目的に向かう。

そして

目的に到着、なんとかなったと・・・
信義は安心するが・・・・

南部中尉「フィリアさん何を!?」

フィリア「あの機械に入るのよ、そうすれば・・・だね。」

南部中尉「ちょっとフィリアさん、恥ずかしくないんですか?」

フィリア「恥ずかしいなんですか?」

突然
フィリアがパイロットスーツと下着を脱ぎ、全裸になる。

とんでもない出来事に信義と早露は驚き・・・
思わず恥ずかしくないのかと聞くが、フィリア本人は恥ずかしくないらしく。
むしろその問いに地球人とゼントラーディ人との間のカルチャーショックを覚える。

早露中尉「やべぇ、ナイスバディのストリップじゃなくて・・・」

南部中尉「抗議がない、俺は男として女を襲う趣味はないが・・・・黙って見よう。」

早露中尉「だな・・・・(妻よ、子供達よすまん。)」

フィリア「その装置を動かしてくれ、スイッチを押せば動く」

思わず助平心があるが、人間としての良心が働きフィリアを襲うと考えないが・・・
恥ずかしくないのならと、二人揃ってフィリアがカプセルに入っていく所を見つつ・・・

フィリアの指示にしたがってスイッチを押す。

最初は助平心で見ていたが・・・・

早露中尉「ほうなるほど、液体が出てきたな。」

南部中尉「液体、これじゃフィリアさん窒息・・・・」

早露中尉「いやよく見ておけ・・・・何かが違う・・・」

カプセルの中にどんどん液体が入ってきて・・・フィリアを包む。
あまりにも突然な光景に信義は慌てるが、早露は落ち着いてみている。

液体はどんどんブクブクとフィリアを包むが、フィリアの目は開けており・・
平気な顔つきをしている。
するとだんだん小さくなり、目の前にフィリアが消える。

南部中尉「フィリアさんが消えた・・・・」

フィリアが消えた事に驚く・・・

この装置はなんだ?一体なんなんだ?
信義は慌てていると・・・

フィリア「私はここだよ、中尉。」

南部中尉「フィリアさん!?俺達と同じサイズになった?なんで?」

フィリア「マイクローン装置でマイクローン(地球人)と同じになったんだ、そうすれば地球人の武器で私も戦える所が出来る。」

地球人と同じになったフィリアが全裸で見上げながら呼び掛けていた。
なんでそんな風になるのか?
信義の頭が混乱し、今の状況が飲み込めない。

一方の早露は・・・

早露中尉「フィリア君、予備の服だ。裸じゃまずい、服を着たまへ」

フィリア「ありがとうございます」

バルキリーの手にフィリアを乗せて・・・全裸なフィリアに服を貸してあげた。
早露はもしもの時、服の予備をコックピットに載せている。
服装はTシャツとハーフパンツの軽い格好であり・・・・

貸してもらった服をフィリアは難なく着替えた。
信義は不機嫌な顔をしているが、目的は達成した為艦を後にした。

その後

ヨス「早露中尉無事でしたか・・・」
地球統合軍ヨス・ネイラー少尉

早露中尉「ネイラー少尉、貴様もな・・・」

早露の同僚ヨス・ネイラー少尉とブリタイ艦隊所属のリガード部隊と合流した。
これからヨス達と極東軍の残存部隊と合流する予定らしいが・・・・

信義は・・・・・

南部中尉「俺は硫黄島に戻り、司令に現状報告を・・・・」

早露中尉「そうか、気をつけて帰れよ。まだ何が起こるか分からんからな。」

南部中尉「はい」

硫黄島へ戻らなくてはならない。
通信昨日が回復していない今、硫黄島へ戻り・・・
状況を報告をしなくてはならない。

硫黄島の皆が情報を知りたがっている。

信義はその場から去ろうとすると・・・

早露中尉「それとこれ・・・」

南部中尉「えっフィリアさん?」

早露中尉「とりあえず、後部予備座席に座らせ連れていけ・・・軽装の美女を収容するのはちょっとな・・・」

早露から手に乗せていたフィリアを渡される。

理由は女を乗せてバルキリーに乗りたくないとの事。
信義は不思議そうな表情を浮かべていたが・・・・・・

南部中尉「では預かります。」

早露中尉「うむ。」

南部中尉「フィリアさん、後部座席へ」

フィリア「分かったわ・・・」

信義は早露からフィリアを預かり、後部座席へ座らせると・・・
ガウォーク形態に変形しある程度してファイターに変形し空へ飛び立つ。

見届けた早露達は信義達が見えなくなると、極東軍残存部隊求めて何処かへ向かう。

このフィリアとの出会いは妻になる女性に出会っただけではなく
一ヶ月間の短くも長い苦しい戦いの序章である事を・・・
信義とフィリアは知らない。

ED

【父島】

かつて海上自衛隊父島基地が置かれていた島で・・・・
今では地球統合海軍父島補給基地が置かれている。
統合戦争で南アタリア島攻防戦の余波を受けて、冬眠は南アタリア島や日本本土へ疎開し・・・
今では母島共に軍隊の島になった。

「報告します、砲撃の余波を受けオオスミ級シモキタ。大破座礁、乗員退艦しました。」

「オオスミとクニサキが無事でいい、とりあえず、事態の収集に入れ!」

「ハッ」

父島では極東第1輸送艦隊が展開していたが・・・・
ゼントラーディ軍の砲撃を受け被害を受けていた。
護衛に当たっていた駆逐艦隊に被害が出ており・・・・
砲撃のギリギリの所にいたアーレイバーグ級ウィンストン・S・チャーチルが無惨に炎上している。

輸送艦オオスミとクニサキは無事だったが・・・
軽空母ヒュウガとクニサキは被弾座礁もしくは転覆。

なんとか無事だった同型艦のイセは甲板にあったヘリが吹き飛ばされていた。

「とりあえず纏められる艦隊はどうだ?」

「父島及び母島に展開している艦艇はこれです。」

輸送艦オオスミ
輸送艦クニサキ
軽空母イセ
駆逐艦ザ・サリヴァンズ
駆逐艦ミリアス
駆逐艦ハルサメ
駆逐艦ムラサメ
駆逐艦アブクマ
巡洋艦アタゴ
巡洋艦アシガラ
巡洋艦アンティータム
揚陸指揮艦ブルー・リッジ

「これしか残存してないのか、海上自衛隊から由来の艦艇がこれしか・・・」

「司令・・・」

基地司令官は奇跡的に生き残った艦艇を確認するが・・・
自衛隊護衛艦から引き継がれた艦艇の少なさを嘆く・・・・
統合戦争ではあぶくま型などの艦艇が戦火に沈んだが・・・・

かなりの艦艇が生きていたが・・・

今ではこれしか生きてない・・・・

ミッドウェー島にも多数のこんごうなどのイージス艦は生き残っているが・・・
全体の1割以下までに低下している・・・・

「とりあえず、艦隊を編成・・・・」

「待ってください、本土より何か来ます・・・これは・・・VF-1バルキリーです。」

「何!?」

父島のなんとか生き残ったレーダーに1機の機体が映る・・・
それは東京から飛来した信義とフィリアが乗るVF-1バルキリーだった。

父島列島や道中の母島列島、聟島列島に驚かれるが・・・

すぐに偵察に行った機が硫黄島から離陸したことを思いだし・・・
仕事を再編する。

南部中尉「父島列島の艦隊編成か・・・・よくこれだけ生き残ってたな・・・」

フィリア「凄い、地球人はあんな攻撃を受けたのにこれほどまで・・・」

南部中尉「地球人はタフなんだよ、そう簡単に絶滅なんてするかってんだ!」

艦隊の様子を見てフィリアは驚いていた。
ゼントラーディ軍艦隊の砲撃をあんなに受けていたのに、生き残りがいた・・・
被害を受けているが、作戦行動可能な艦が多数存在する。

信義は自信満々に地球人のタフさをフィリアに教えるが・・・

フィリアは驚きのあまり声が出てない。

そうしているうちに二人は硫黄島基地へと近づいていった。

【次回】

フィリアを連れて硫黄島基地へ戻った信義。
彼女でも出来たのかと、大勢の兵士達にからかわれるが・・・
一人の兵士は突然、フィリアの頬をビンタした。

そして硫黄島基地司令部は沖ノ鳥島と南鳥島とのコンタクトを試みる。

そんな信義の前に謎の機体が襲う

次回 沖ノ鳥島の死闘
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする