マクロス外伝大本営 新統合軍極東太平洋軍管区司令部

マクロスやロボット大好きなブログです。二次創作などを主にやります。

公式ではなく非公式です。

高機動雷撃戦

2019-07-19 20:09:03 | マクロス短編
人類が初めて移民してから30年以上の年月が経過した。

スーパーノヴァ計画の完遂によりゼントラーディ軍基幹艦隊の危機が低下し・・・
ゼントラーディ軍に対する軍事的脅威は比較的に安定し・・・・
移民船団と移民惑星は比較的安全に過ごせるようになっていた。

しかし

第1次星間大戦におけるボドル基幹艦隊の壊滅により
他の基幹艦隊に合流できなかったゼントラーディ軍部隊が海賊化
4回の基幹艦隊撃退による合流できなかったゼントラーディ軍部隊も同様に
海賊化し・・・はぐれゼントラーディ軍が日常的猛威になった。

反統合勢力も同様に脅威になり・・・・
新統合軍全軍とPMC(民間軍事会社)と同盟国軍はその対処に追われていた。

この物語ははぐれゼントラーディ軍に対処したある艦隊の物語である。

【西暦2041年.惑星エデンⅡ.衛星ムーンⅡニューアポロ基地】

惑星エデンから5光年離れた惑星エデンⅡ.
惑星エデンと兄弟のような惑星であり、人類が住むのに適した惑星である。
入植はエデン入植から2年後であり、主な人口形態としてはゼントラーディ人が多い。

その惑星エデンⅡの防衛を担う月に似た衛星基地ニューアポロ基地

宇宙艦艇が多数在籍している・・・・

これらの艦隊を含む現地軍の指揮しているのが・・・・
惑星エデンのエデン軍司令部である。

草鹿成美「今日の惑星エデンⅡの宇宙は平穏なり・・・・
新統合宇宙軍草鹿成美大佐

この男の名は草鹿成美
ノーザンプトン級ステルスフリゲート.トラクスタンの艦長を務めている。  
それだけではない、第1独立雷撃戦隊の司令官であり・・・・

スピカ3事件でもかなり活躍した名艦長である。
有能な軍人であるが、少し変人ともあり周りから近寄りがたい印象があった。
とは言え、一応は人望があり・・・・

部下から信頼されている。

西中佐「司令、艦隊司令部より出航命令がありました。定時パトロールです。」
新統合宇宙軍西一博中佐

草鹿成美「うむ分かった、全艦出航命令を出せ・・・・いつも通りパトロールを行う。」

今日も定期パトロールの時間が来た。

当時の新統合軍の地球を含む各部隊は駆逐戦隊によるパトロールが行われており・・・・
ゼントラーディ軍やはぐれゼントラーディ軍、反統合勢力を警戒している。
この警戒態勢により、いつでも有事に対応できるような体制が整えられている。

草鹿のトラスクタンを旗艦にステルスフリゲート5隻、レーダーピケット艦1隻による・・・・
6隻による駆逐戦隊が編成されている。

もしもの場合に備えて、VF-16による3個小隊が艦隊にて待機している。

草鹿成美「全艦出航、本日も平穏である事を切に願う。」

草鹿戦隊はニューアポロ基地から出航した。
決められた防衛パトロールコースを巡回し帰還する流れになっている。

その後ろには別の4個戦隊が時間ごとに追いかけてくる形であり・・・・
常に敵の出現を見逃さないように対策が練られている。

草鹿成美「さて西君、今日は安全にパトロールできるかな?」

西中佐「分かりません、シャロン・アップル事件でかなり混乱が発生しています。今はなんとも言えない状態です。」

草鹿成美「なんとも言えない状態ね・・・・確かに言われてみればそうかもしれないな。」

とは言え・・・・
2041年は去年起きたシャロン・アップル事件で軍中枢が乗っ取られ・・・・
各自治軍に混乱が発生していた。

その影響の余波で、敵艦隊の襲来を許し・・・・
惑星トルメアの都市キルバ上空にて激しい空中戦を繰り広げ・・・
多数の死傷者を出している。
その事件はまだ可愛い方だ・・・・・

数年前のスピカ3の悲劇では数万の人々の命が失われている・・・・・
もうあんな悲劇を繰り返したくない。
大勢の人々の暮らしに戦争の魔の手を未然に防ぎたい・・・・
草鹿は軍人としての本来の責務としてその事を認識していた。

出航してから1時間が経った・・・・

中間地点に達し・・・・・折り返す時であった。

「司令、ピケット艦ドーバーより入電・・・・我・・・敵艦隊発見す、艦クラスはゼントラーディ軍スヴァール・サラン級3隻。以上。」

草鹿成美「ゼントラーディ軍3隻か・・・・・・厄介だな、オペレーターコース座標はあるか?」

「これに・・・・・」

草鹿成美「うむ。」

ピケット艦ドーバーからゼントラーディ軍艦隊を発見した報が入った。
艦はスヴァール・サラン級3隻であり、ある程度の脅威になる存在だった。

彼らはゼントラーディ軍基幹艦隊所属か、はぐれゼントラーディ軍のものか分からないが・・・・・

惑星エデンⅡからすれば国家安全保障上の脅威である。
もし放置すればエデンⅡの防衛線突破、物資の収奪か破壊・・・・
最悪基幹艦隊の来襲を招く可能性がある。

いくらVF-19やVF-21とVF-22の双子の兄弟が配備され始めたとは言え・・・
まだ配備が行き届いていない。

下手すればエデンⅡが焦土化する事になる。
それが起きたら悪夢だ!

そうならない為にも・・・・

草鹿成美「西君、対艦戦闘用意だ!敵を足止めする。」

西中佐「我々だけで?本隊に・・・・」

草鹿成美「無論するが、今報告しても脅威を見逃すだけだ!」

草鹿は対艦戦闘を決意。
ゼントラーディ軍艦隊に対し強襲を仕掛ける事を決意した。
あまりにも無謀ともいう草鹿の対艦戦闘に西や艦橋クルー・・・
のちに僚艦の艦長に驚かれるが・・・・

何か策がある・・・・と思うようになり指示に従うようにした。

一方・・・・・

「くそ、まだ合流できないのか?」

「ハッ・・・・基幹艦隊は見つからず・・・今はなんとも・・・・・」

「補給がないんだぞ、マイクローンに撃退されてから・・・・」

ゼントラーディ軍艦隊は敗残艦隊のはぐれゼントラーディ軍艦隊であった。
数年前のスピカ3の決戦で撃退され、敗走した部隊の一つであり・・・・
今までは各地で新統合軍と民間の補給基地を襲い物資を強奪していた。

彼らは他の基幹艦隊と合流を目指しているが・・・・
今だに合流の目途が立っておらず・・・・

むしろ、物資の強奪さえ困難になっていた。

「艦長、敵部隊接近数は9機・・・」

「9機だと?偵察か!!早く撃ち落とせ!!下等種族マイクローンに見つかるぞ!!」

「了解!!」

そんな時、彼らの前に9機の機影が見えた。
艦隊指揮官はこれを偵察機と判断・・・・・・
艦載機部隊を発進させようとしていた。

その9機とは・・・・・

穴吹大尉「奇襲攻撃の囮に俺たちね・・・・カタパルトの口が開くか・・・・・・各機・・・対艦ミサイルをカタパルトに向けて撃て!!!敵の主導権を少しでも減らすんだ!!あの変人大佐の奇想天外の戦略を成功させるためだ!!行け!!」
新統合宇宙軍穴吹清武大尉

穴吹清武率いる戦隊飛行隊である。
L.A.I社が開発した可変戦闘機VF-16ファルシオンを駆る最強部隊。
隊長の穴吹は白色電光戦闘穴吹二代目言われる程の最強のエース。

ゼントラーディ軍艦艇の艦載口を仕留め戦況を有利にする戦略を得意としている。

「ぐぁぁぁなんだ?」

「カタパルトにミサイルが撃ち込まれました、他の艦も同様・・・・」

「なんだと!?しょうがない生き残ったやつはどんどん出せ!!奴らに舐められてたまるか!!」

穴吹の戦術は見事成功・・・・
ゼントラーディ軍艦載機部隊が発艦する寸前であったが、その直後にミサイルが入り込み・・・・
一瞬にしてカタパルトを火の海と化する・・・・・・

敵対空射撃はあったが、穴吹以下・・・・は優秀であり・・・・
多少の被弾はあったが・・・・・損害は無である・・・・

「隊長、敵艦載機部隊出てきます。」

穴吹大尉「腐ってもゼントラーディ軍流石だな、全機に告げる・・・・敵部隊を排除しろ!!そろそろ来る!!草鹿大佐を信じろ!!」

『了解』

作戦は成功したとは言え艦載機全機発艦を阻止したわけではない。
彼らの倍はあるであろう戦力が穴吹達を襲う・・・・

どんどん集まっていき・・・・・穴吹達を追撃する!!

「わはははははどんどん追撃しろ!!下等なマイクローンどもを嬲り殺せ!!」

ゼントラーディ軍指揮官は笑いながら穴吹達を攻撃していた。
自分たちの勝利は確定的・・・・絶対勝利のはず・・・・・

そう考えており、どんどん部隊を送り追撃する・・・・・

西中佐「どんどん出ていきますね、まだですか?」

草鹿成美「もう少し待て!!」

敵の様子をピケット艦を通じて伺っていた草鹿はタイミングを待つ。
ピケット艦から送られる情報でどんどん敵艦載機が発進する・・・・

敵は相当自信家なのか、9機に対し十数機発進している・・・・・・

草鹿成美「そろそろだな・・・ピケット艦ドーバーは後詰、アリッシュ・ヤシマ・クウェート・アルバの僚艦は我に続け!!全艦出航!!最大全速!!」

西中佐「全艦発進!!最大全速!!」

敵がある程度発進した事を確認した草鹿は艦隊を動かす・・・・
艦隊は持てる力全てを出し、全速前進・・・・・

そのままゼントラーディ軍艦隊へ向けて進んでいく。

「艦長、敵艦5隻高速接近!!」

「慌てるな、敵は・・・・」

「かなりのスピード、間もなく来ます。」

「距離は?」

「それは・・・・至近距離です!」

「何!?」

ゼントラーディ軍艦隊は長距離レーダーを失っており・・・
まともな索敵機能は損なわれていた。
草鹿からすればなるべく近くまで接近し攻撃できればいいと思っていたが・・・・・・

長距離レーダーの機能が無であり、まともな対応ができておらず・・・・
至近距離までに草鹿の接近を許してしまった。

「ヤシマ被弾・・・・航行に支障なし。」

西中佐「危険ではありませんかやはり・・・・」

草鹿成美「いや大丈夫だ、まだいける。」

とは言え敵の艦砲撃にさらされる。
長時間居座ったら確実に全艦全滅してしまう結果になり非常に危険・・・・
草鹿はそれを承知でこの作戦を決行・・・・

結果的に僚艦ヤシマやクウェートが被弾・・・・
かなりのダメージを被る結果になる。

草鹿成美「全艦今だ!航宙魚雷をかませ!!」

西中佐「全艦へ告ぐ魚雷をかませ!!」

ダメージを受けたが、なんとか攻撃ポイントに到達し魚雷を発射した。
撃沈する前提ではなく、足止めする前提・・・・
魚雷は三艦当たるような配置で発射され・・・・・

3隻のスヴァール・サラン級に命中、被弾し撃沈はしなかったが・・・・
かなりの被害を受けた。

抵抗は続けるも、草鹿戦隊は損傷軽微な被弾を受け・・・射線軸から逃れる事に成功。
全艦は並列に並び・・・・・・・

草鹿成美「よし全速で離脱、バルキリー部隊と合流し時間稼ぎを行う。」

もう一度攻撃するのは危険であり・・・
下手すれば撃沈艦が増えてしまう。
いったん離脱し・・・・

バルキリー部隊と合流・・・・・本隊が到着するまでの時間稼ぎとする・・・・・

草鹿はそう考えていた。

「おのれマイクローンめ・・・・・機関は生きているだろうな。」

「もちろんです。」

「俺たちをなめたマイクローンを皆殺しにしてやる!!」

ゼントラーディ軍の指揮官は草鹿の行動に激怒していた。
いきなりやってきて嫌がらせのように雷撃・・・・

指揮官からすれば屈辱の何者でもなかった。

草加戦隊がある程度離れた頃、追撃を開始・・・・・
プライドを傷つけた報復を行おうとしていた。

【エデンⅡ第2機動艦隊】

草鹿戦隊からの報告を受けたエデンⅡ艦隊はゼントラーディ艦隊の拿捕を目指すべく・・・・
ウラガ級エデンを旗艦とした第2機動艦隊が発進した。

3隻のゼントラーディ艦隊を沈める事の出来る堂々とした布陣であり・・・・

見るものが攻撃しにくいような感じであった。

ジェームズ「あの変人め、足止めすると言ったなあの戦力で・・・・・」
新統合宇宙軍ジェームズ・マウントバッテン少将

ホーランド「奇想天外の草鹿ですよ、何をするか分からない男です。新米時代は普通だったらしく、艦を任されれば異端児レベルのやばい式を行うド変態・・・・艦隊の奇襲を戦隊のみでやる我々からすれば理解が不能な敵にしたら恐ろしい男です。」
新統合宇宙軍ホーランド・アーキスン准将

ジェームズ「そうだな。」

第2機動艦隊司令ジェームズと副司令官は草鹿に関して語り合う。
誰もがしないような事をする男、敵にしたら恐ろしい男・・・・・・

今回の5隻による雷撃実施を聞いてジェームズらは信じられないと思った。

普通なら既に死んでいると思ってしまうが・・・・
まだ生きているのではと思ってしまう。

あの草鹿だ・・・・・・死ぬような真似はしない・・・・・・
ジェームズと幕僚らはそう考えた。

穴吹大尉「全機無事だな。」

藤村中尉「俺たち穴吹隊がゼントラーディのブリキ共に負けるかよ!」
新統合宇宙軍藤村裕次郎中尉

アリミア「中尉殿、ゼントラーディのブリキとは失礼ですね。」
新統合宇宙軍アリミア・リーファ少尉

その頃、穴吹隊はゼントラーディ軍艦載部隊と交戦していた。
武器弾薬は減ったが、全機健在であり・・・・

士気も衰えずなんとか踏ん張ってた・・・

藤村中尉「おっ艦影5・・・・母艦が戻ってきたぜ!」

穴吹大尉「よしいいタイミングだ!」

踏ん張っていた所に草鹿戦隊が到着・・・・
友軍の到着に穴吹隊は歓喜する・・・・

と言っても戦況が多少マシになっただけで、まだまだ戦闘は終わりそうにもない。
むしろ厳しい状況が続いている。

グガァァァン

草鹿成美「ぐぅぅ被害状況を!!」

「カタパルトデッキ被弾、死傷者多数。」

「レーダー破損、索敵に支障が出ます。」

草鹿成美「持たせろ!艦隊はもうすぐ来る。ドーバーからの連絡はまだか?」

「あります、艦影多数。あと少しです。」

草鹿成美「よしそれまで何とか耐え切れ!」

穴吹隊と合流した草鹿戦隊だが、艦への損傷が増え始めている。
撃沈には至ってないが、どの艦も小破とも言うべき損傷を被っていた。

このままでは押し切られてしまう。

各員の士気は段々と低下していき、危うい状況になるが・・・
草鹿はあきらめていなかった。

あと少しで友軍艦隊が到着する。
踏ん張れば勝てる。

そんな時であった、

「艦長、先程のゼントラーディ軍艦隊です。」

草鹿成美「追撃してきたのか、しつこい奴らだ!」

先程のゼントラーディ軍艦隊が追撃してきた。
直接艦隊戦をやりあったら確実に負ける・・・・・・

草鹿はそう確信いやこれが常識だ!

第1次星間大戦もオーベルト級駆逐艦やARMD級空母が簡単に沈んでいる。
発展型とは言えノーザンプトン級でもただでは済まない。
このままでは・・・・・・

そう思った時・・・・・・・

ズガァァンン
ドゴォォォン

「ぐあぁぁぁぁ」

草鹿成美「なんだ?」

西中佐「友軍のVF-11Bです、援軍が到着したのです。」

ようやく友軍艦隊が到着。
十数機のVF-11AとBが来襲し、ゼントラーディ軍艦隊を攻撃。
中には艦内に入り制圧戦を開始する部隊も出始めた。

結果・・・・・

「くそマイクローンめ・・・・・」

ズドドドーン

「がはっ・・・・・・」

ゼントラーディ軍指揮官は抵抗したが射殺・・・・
他の兵士達は戦意を損失し投降した。

これにより地味だが、ゼントラーディ軍はぐれ艦隊との遭遇戦は終結した。

【ニューアポロ基地】

戦闘を終えニューアポロ基地に帰還した。
戦闘は第2機動艦隊には損失はなかったが、草鹿艦隊は死者が多数出た。
死者は原型を留めているものもあれば、そうでもないものがある。

大勢の士官が遺体に向かって敬礼する。
後日、遺族揃って宇宙葬をやる予定である。

一部の遺族から攻められたが
もし草鹿が食い止めなかったら大勢の死者が出ていた事があり。
遺族の大半は草鹿の作戦に好意的評価を持った
が・・・・・・

草鹿成美「仕方がないとは言え、これは痛いな。だが戦争を無くす事の出来ない敵を自然的に作る人類が背負う血の十字架か。」

草鹿自身は今回の事を振り返り反省する・・・・・

人類は戦争はなくせない。
人類は常に戦争と向き合わなくてはいけない。
人類が滅ぶまで背負う十字架と・・・・・・・
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする