楽しいブログ生活

日々感じた心の軌跡と手作りの品々のコレクション

たまには晴耕雨読

2013-01-13 23:48:41 | 日記

翻訳もの、短編集と言うことで遅読のわたくしでもあっという間に読み終えた。
東京創元社に勤める同級生が去年の暮れの同窓会で自分の会社の本をいくつかプレゼントとして配ったらしい。
その同窓会には出席しなかったわたくしのトコロにも1冊回ってきてて、珍しく落ち着いた時間が取れたので、久しぶりの読書とあいなった。
昨夜たまたまテレビで「武士の家計簿」を観てしんみりしていた。
時代が変われども、日本という土壌への親密感は日本人であるが故に持ち得るもの。
一条ゆかりの漫画「プライド」で同性愛に関してあまり寛容でないというかほとんどまともに取り上げられないきらいのある日本を登場人物をして「つまらない国ね」と語らしめていたことも思い出した。
(わかる)んだが、感情移入がし難い。
11編のお話が納められていて、その犯罪の背景や動機は全て切り口が違うものの、全編、迷い児のように頼りない悲しさに捉われてしまい、そういうことはあるかも知れない、とは認めても日本人の犯罪として置き換えると違和感があるのだ。
その犯罪を生み出すのは、心の闇で、降り続く雨や濃い霧のせいではないのだが、その人間を作っていくものにいやでも風土は関わる。そして文化の違いにより、犯罪の種類も変わってくる。人間の業、悲しみに国境があるとは思われないが、どこか遠い部分があったのだ。
そもそも平々凡々たる小市民たる自分にとって、「犯罪者」は「異邦人」で、内なる人間として捉えるのには抵抗があるのだ。
同情はしても、まず自分の平安が脅かされることのない現実にホッとする小心さを自覚させられたましたかね、この本で。
コメント
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