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日々感じた心の軌跡と手作りの品々のコレクション

苦痛な、海野十三の「○○獣」

2016-05-23 23:05:04 | 


あらすじ

深夜の大東京。
寝付かれずにいた敬二少年は、奇妙な音に気が付き窓から外を見てみると、東京ビルの横腹を一面に照らしている大きな赤火光を目撃する。
思わず飛び出して現場に駆けつけてみると、空地の草原からその光を発する大きな鋼鉄製のような球がふたつ出現し、やがて高速回転しながらそれらは見えなくなってどこかへ消えてしまう。
しかし、ほどなくビルが足元からえぐられ、崩壊するという事件が発生し、敬二は例の二つの大怪球のせいではないかと疑うが、敬二の他には誰もそれを見たものはいないのだった。
警察は識者の蟹寺博士にビル崩壊の原因究明を依頼するが、そんな中、仕事仲間のドン助に、かの目撃談を語っていた敬二は、そのネタを買うというイギリスの女性記者から小遣いをせしめ、その金で買ったカメラで再び始まったビルディング崩壊時の撮影を試みる。
そこに写っていたのは・・・。

昭和12年が初出という時代が時代、そして子供向けということを承知してても
高速回転するプロペラが見えないという理屈を当てはめて、怪球を透明にし、生け捕りするために落とし穴を掘ってセメントで固めるという能天気な作戦に鼻白んでしまうわ、捕まえた○○獣を、「もともとは瓦斯体で、宇宙を飛んでいる二つの小さい星雲が或るところで偶然出会い、それから激しい収縮と強い廻転とが生じて、それがたまたま地球の中をくぐりぬけた」「ふたつのそれらが互いに傍にいる間は、お互いの引力で小さくなっているんだが、両方に離してしまうと、引力がなくなって、膨張、爆発してしまったのだ」と分析された日には頭が痛くなってしまった。

星雲て、宇宙空間に漂う重力的にまとまりをもった、宇宙塵や星間ガスなどから成るガスのことなんだけど、地球よりも小さくなるだけでも、ありえないエネルギー放出するんじゃないの?ビルをシャクシャク食べる巨大ボールみたいな書き方してあるのに、もう気持ちがついて行けないんですよね。

多分、そういう読み方をしてはいけないのだろうと思うのだけど、人口知能の発達めざましい現代、海野の小説は、ひとつの化石的位置にいるんじゃないかと感じてしまいました。

あちこち、よそ見しながらでないと、手芸も進みません。写真は4つ目、キーホルダー。
コメント (2)
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