楽しいブログ生活

日々感じた心の軌跡と手作りの品々のコレクション

海野十三の「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」

2016-11-12 23:15:01 | 
画像がないと寂しいので、先日教えてもらった折り紙、広告紙で折った少し大きめの分を、もらってきた小さな分と合わせて貼り付け。
大きな方はさる目論見があって、あと2つ追加する予定です。^ ^



さて、本日、読書会の当日でして、岡田みゆきの「谷間の神」についてはディスカッション対象、海野の作品については継続的に調査票対象ということで、恒例の概要紹介と参ります。

初出 「科学ペン」三省堂 1937(昭和12)年7月

収録本 「海野十三全集 第5巻 浮かぶ飛行島」三一書房 1989(平成元)年4月15日第1版第1刷発行

時代設定 発表時と同時代程度

作品舞台 ヒルミ夫人の生活空間

登場人物

・物語の語り手 
・ヒルミ夫人 
・不良少年、モニカの千太郎
・ヒルミ夫人の夫、万吉郎 
・語り手に声をかける正体不明の若い男

あらすじ

朝霧の中、写真を撮りにきた男は「低いボデーの上に黒い西洋棺桶のようなものが載っている奇妙な車」を運転する美しい女を目撃する。
そこへ「あれですよ『ヒルミ夫人の冷蔵鞄』というのは」と話しかけてきた若い男が、コーヒーをおごってくれたらその冷蔵鞄の中身を教えると言う。
男によるとヒルミ夫人というのは天才的な整形外科医で、先頃、万吉郎という五つも年下のたいそうな美男子と結婚したらしい。
その二ヶ月ほど以前には大きな刃傷事件があり、とばっちりを食ったモニカの千太郎という瀕死の不良少年がヒルミ夫人の神手術のお陰で一命を取り留めるのだが、回復した千太郎は行方をくらます。
しかし、実はその千太郎が整形手術で美しく変身した万吉郎だというのだ。
しかも、ヒルミ夫人はその若い夫に夢中で、あまりの自分への執着振りに辟易する万太郎は、何とか逃げ出す手立てがないものか考えを巡らす。

みどころ

美人と不美人との相違の真髄は何処にありやと考えるのに、要するにそれは主として眉目の立体幾何学的問題に在る。
眉目の寸法、配列等が当を得れば美人となり、また当を得ざれば醜人となる。
しかも美醜間に於ける眉目の寸法配列等の差たるや極めて僅少に過ぎない。
整形手術により、美しさは容易に手に入るのだから、それを試みずして自分の醜さを嘆いて一生を棒に振るなど愚かしいことというヒルミ夫人の考え方は現代でも十分検証に値する問題。

美醜テーマでは別の機会に私見などつぶやいてみたいが、損得(プラスマイナス)でいえば、美しいからと言って絶対的得ともいえないんじゃないかとは思うんですけど、どうでしょう。
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