先日のパックロッドの記事にて、ちょこっと触れた、リール専業メーカーの大森製作所の”ダイヤモンドリール”の検索率が高く、まだまだこのメーカーに関心をお持ちの方がおられるのだなぁと感慨深かったので、続編です。
Diamond Mi-Con Ultra No.1、俗にマイコンU1と呼ばれた機種です。
他の釣り具メーカーと違い、大森製作所はリールのみに特化したメーカーでした。
ハイポイドフェースギヤなど、今のスピニングリールの標準機構の元祖(開発者)で、堅実で優れたリールをつくっていて、1980年代、リアドラグのマイコンシリーズで先鋭的な機構として注目を浴びました。ドラグというのは、欧米流のスポーツフィッシングという概念のなかの、糸の破断強さをクラス分けして釣る、という目的のために(同じ大きさの魚を釣っても、細くて切れやすい糸で釣った方が価値があるという考え方)、糸の限界近くのテンションがかかったときに、スプール(糸巻き)部分が負荷に応じて滑り出し、ラインブレイク(糸切れ)を防ぐ機構です。調整する場合は巻いてあるラインの強さに合わせておくのですが、実際に魚がかかってからでも、強引に寄せたい場合や、バラさないよう慎重に取り込みたい場合など、調整することがあります。両軸(トローリング、船釣り、バス用のベイトタイプ)リールでは側面のレバーやハンドルと同軸のクラウンハンドルなどで、容易に調整できますが、スピニングリールの場合、スプールにドラグ機構があるものがほとんどなので、スプールの前面のキャップを回すことになり、非常にやりにくい。マイコンなどのリアドラグは、竿やリールを持ち変えること無しにドラグ調整を手元のダイヤルを確認しながら行えるのが利点。
スプールにドラグを内蔵しないことによって、ワンタッチ着脱や、スプール高さの微調整機構などを組み込むことが出来るようになっています(フロントドラグのリールは、巻糸が片寄ったりして高さ調整が必要な場合、スプール軸のドラグクリッカーの前にワッシャーを抜き差ししないとならない)。
まだ、日本製の時代で、また便利だったのが、ベイル(糸をフリーにしたり巻いたりする針金状のガイド)が一段深く折りたためるようになっていたことです。ハンドルは、逆ネジのねじ込み式折りたたみで、近年、ステラの限定モデルが、この確実堅固な方式を再採用してたように、ワンタッチ式に較べて、感触が非常に優れています。
欠点もあって、古いリールはスプールの垂直移動のストロークが速く、粗く斜め格子状に巻くのがデフォでしたが、やがてゆっくりとしたストロークで密ならせん状に巻くようになりました。このマイコンは比較的ストロークが速く、糸ふけがでた(糸がゆるんだ)時など、巻糸が崩れそうになることがあります。一緒に写っている、同じダイヤモンドのターボSSは、フロントドラグ、ワンタッチハンドル、ストロークも遅め、長めな現代的な仕様です。
釣行主体で往くときには、上のPENN同様あまり使わなかったリールですが、信頼性は、常用機のシマノやダイワと同等以上に高く、何より、目先のスペック競争に溺れない、例えば、回転のなめらかさを謳うのに、ベアリングを何個使っているか、などより、軸受けと軸の材質と精度、ギヤの精度と精確な噛み合わせを追求していた同社の姿勢は、その後凋落し、潰れてしまったのが残念で仕方なく思えてしまう、そんなリールでした。
常用機2種
Diamond Mi-Con Ultra No.1、俗にマイコンU1と呼ばれた機種です。
他の釣り具メーカーと違い、大森製作所はリールのみに特化したメーカーでした。
ハイポイドフェースギヤなど、今のスピニングリールの標準機構の元祖(開発者)で、堅実で優れたリールをつくっていて、1980年代、リアドラグのマイコンシリーズで先鋭的な機構として注目を浴びました。ドラグというのは、欧米流のスポーツフィッシングという概念のなかの、糸の破断強さをクラス分けして釣る、という目的のために(同じ大きさの魚を釣っても、細くて切れやすい糸で釣った方が価値があるという考え方)、糸の限界近くのテンションがかかったときに、スプール(糸巻き)部分が負荷に応じて滑り出し、ラインブレイク(糸切れ)を防ぐ機構です。調整する場合は巻いてあるラインの強さに合わせておくのですが、実際に魚がかかってからでも、強引に寄せたい場合や、バラさないよう慎重に取り込みたい場合など、調整することがあります。両軸(トローリング、船釣り、バス用のベイトタイプ)リールでは側面のレバーやハンドルと同軸のクラウンハンドルなどで、容易に調整できますが、スピニングリールの場合、スプールにドラグ機構があるものがほとんどなので、スプールの前面のキャップを回すことになり、非常にやりにくい。マイコンなどのリアドラグは、竿やリールを持ち変えること無しにドラグ調整を手元のダイヤルを確認しながら行えるのが利点。
スプールにドラグを内蔵しないことによって、ワンタッチ着脱や、スプール高さの微調整機構などを組み込むことが出来るようになっています(フロントドラグのリールは、巻糸が片寄ったりして高さ調整が必要な場合、スプール軸のドラグクリッカーの前にワッシャーを抜き差ししないとならない)。
まだ、日本製の時代で、また便利だったのが、ベイル(糸をフリーにしたり巻いたりする針金状のガイド)が一段深く折りたためるようになっていたことです。ハンドルは、逆ネジのねじ込み式折りたたみで、近年、ステラの限定モデルが、この確実堅固な方式を再採用してたように、ワンタッチ式に較べて、感触が非常に優れています。
欠点もあって、古いリールはスプールの垂直移動のストロークが速く、粗く斜め格子状に巻くのがデフォでしたが、やがてゆっくりとしたストロークで密ならせん状に巻くようになりました。このマイコンは比較的ストロークが速く、糸ふけがでた(糸がゆるんだ)時など、巻糸が崩れそうになることがあります。一緒に写っている、同じダイヤモンドのターボSSは、フロントドラグ、ワンタッチハンドル、ストロークも遅め、長めな現代的な仕様です。
釣行主体で往くときには、上のPENN同様あまり使わなかったリールですが、信頼性は、常用機のシマノやダイワと同等以上に高く、何より、目先のスペック競争に溺れない、例えば、回転のなめらかさを謳うのに、ベアリングを何個使っているか、などより、軸受けと軸の材質と精度、ギヤの精度と精確な噛み合わせを追求していた同社の姿勢は、その後凋落し、潰れてしまったのが残念で仕方なく思えてしまう、そんなリールでした。
常用機2種