テキスト主体

懐中電灯と双眼鏡と写真機を
テキスト主体で語ろうとする
(当然、その他についても、語ったりする)

ヘッドライト(前照灯)の話

2013-08-28 23:30:03 | シロートの戯言
ここのところ、日が落ちるのが早くなってきて、帰りはいつもクルマのヘッドライトを点灯させています。むか~しは、ハロゲンバルブなんてのも無くて、シールドビームが主体の頃にクルマに乗り始めました(その前のノーマルバルブの時代は余り知らない)。
国産車はどれも似たようなものでしたが、外国車ではジャギュアの90wバルブなど明るいヘッドライトもあり、なかにはわざわざそんな高出力バルブを別のクルマに付けて、バッテリーを上げたりする、お茶目な方もいました。その後、ハロゲンバルブが高級車主体に採用されるようになり、純正以外の高出力バルブもカー用品店で一般に売られ、あるいは徒花のようにさっとはやってスグ消えたイエローバルブのようなものもありました。今ではHIDランプが軽自動車まで、標準か少なくとも純正オプションで用意されるようになり、少なくともロービームに関しては、恐らくこれ以上の光量は必要ないでしょうし、一部のクルマに採用されたLEDヘッドランプは、これ以上のLEDの飛躍的進歩の無い限り、主流とはならないでしょう。実はHIDランプはクルマの前照灯用としては最適でない性質もあって、特に短時間のオンオフにおいて、消耗しやすい構造上の特徴があります。特に良くないのが、バルブ内が熱い状態のまま再点灯する、状況で云えば断続するトンネルに合わせてオンオフするのは、HIDバルブの寿命を短くする恐れがあります。あと重力に対して鉛直方向、つまり真上向きに照射するのも良くありません。まぁクルマの前照灯ですから、45°の坂を登るウニモグでも無い限り、上を照らすのはあり得ないのですが、オンオフを頻繁に繰り返すのが良くない性質(つけっぱなし)は、その大光量から、信号待ちなどでの一時停止の時に、前のクルマのリアビューミラーに強い光が当たり過剰なグレアで眩惑する恐れがあります。普通乗用車で、適度な車間距離を取っていれば、まともなHIDランプには、光軸調整機構がありますから、さほど問題にならないのですが、RV車やミニバン、トラックなど、前照灯取り付け位置が地上高で85センチを越えるようなクルマでは、下手をすると、まともに前のクルマのミラーを射ることになります。特に車格を大きく見せるデザイン上の意図から、高い位置に前照灯のあるクルマが増えてきましたので、気に掛かるところです。
どちらにせよ、HIDランプ採用のくるまは、どことなく目つきが似通っていて、デザイン的には多様性が乏しくなったようにおもいます。個人的にはその昔のチェコのタトラの三灯ライトが個性的で好きですが、実物は生涯で一度しか見たことがありません。古くからの工業国チェコでスコダと並んで名車があるタトラのクルマ(いまはトラックしかつくっていない)ですが、リアエンジン故のフロントグリルを設ける制約がないデザインの顔つきは個性的です。