「何れ菖蒲か杜若」ということわざがあります。
意味は皆さんご存知のように、似ていて区別がつきにくいところから、どちらも優れていて優劣がつけにくいこと。
「菖蒲」も「杜若」もよく似た美しい花です。女性の美しさにたとえる場合が多いようです。
ということで今回は今(4月末)咲いているアヤメ科アヤメ属(多年草)の花を取り上げます。
見分け方の主なポイントは、花弁の根元の網目模様の有無と根元部分の色です。
➀「アヤメ(菖蒲、文目、綾目)」(Iris sanguinea)
多年草(球根)花期:5~6月(青紫)
山野の草地に生育。花弁の根元が白と黄色。外花被片に網目模様。葉は細長い。
②「カキツバタ(杜若、燕子花)」(Iris laevigata)
日本、朝鮮半島~東シベリア 準絶滅危惧(NT)
多年草(球根)花期:5~6月(花色:青紫)
水中や湿地に生育し、花弁の根元が白い。外花被片に網目模様はない。
「シロバナカキツバタ(白花杜若)」
③「ジャーマンアイリス」(Iris germanica)園芸品種
別名:ドイツアヤメ 多年草(根茎) 花期:4~5月(花色:紫、黄、白など)
乾いた場所に育つ。花弁のつけ根の近くにブラシのような毛。外花被片に網目模様はない。
④「キショウブ(黄菖蒲)」 (Iris pseudacorus) 西アジア~ヨーロッパ原産
多年草(球根) 花期:5月(花色:黄色)
水辺や湿地、林縁に生育。外花被片の中央に茶色がかった模様。
⑤「ダッチアイリス’ブルー・ダイヤモンド」(Iris × hollandica)
オランダで生まれた園芸品種 ※ダッチはオランダのこと。
別名:オランダアヤメ 多年草(球根)
花期:4~5月(花色:紫、青、黄色など)
乾いた場所に育つ。花弁の根元が黄色。外花被片に網目模様なし。
外側の花被片は垂れ下がり、内側の花被片は直立。
因みに「ハナショウブ(花菖蒲)」↑は、まだ咲いていませんが、湿地に育ち、花弁の根元が白と黄色で、外花被片に網目模様なしです。
また、「イチハツ(一初)」↑は、乾いた場所に育つ。花弁の根元にトサカ状の突起があり、外花被片に網目模様あります。花色は紫色で、外花被片は倒卵形で先が丸く、内花被片は小型でともに平開します。