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「会食」して何が悪い!? 【連載】呑んで喰って、また呑んで(88)

2021-03-18 16:37:46 | 【連載】呑んで喰って、また呑んで

【連載】呑んで喰って、また呑んで(88

「会食」して何が悪い!?

●日本のどこでも

山本徳造 (本ブログ編集人)  

 


 テレビの国会中継を見ていると、じつに不愉快、いや腹が立って仕方がない。国民に雇われている国会議員が、「誰と会食した」「接待されたのか」と毎度毎度の茶番劇を繰り返すのだから、怒るのも当然だろう。だから、よほどのことがない限り、もう国会中継は見ないことにした。
 気の短い麻生太郎副総理兼財務相も苛立ちを隠さない。3月18日の参院予算委員会で、NTT幹部の「接待」問題をめぐって、武田良太総務相と立憲民主党や共産党の応酬にあきれ返ったのだろう
「質問も答弁も一言一句変わらず同じだ。テレビで見ている人は『何やってんだろうね、ここ(国会)は』ということになりはしないかと思って聞いていた」
 久々の麻生節だったが、国民の多くもそう思っているに違いない。そんなどうでもいい問題を国会で議論してどうするのか。それはともかく、「接待」と「会食」を混同する人が少なくないようだ。しかし、この二つは別のものである。
「会食」は飲食を共にして、親睦を深めたり、信頼関係を築いたりするためである。一方の「接待」はというと、客をもてなすこと。主にビジネス上の仕事相手をもてなす場合が多い。
 政治ジャーナリストの田崎史郎さんが政治家はなぜ「会食」をするのかについて、今年1月に民放のテレビ番組で、「政治家は会食するのが仕事」と言って話題になったという。政治記者を長年やってきた田崎さんらしい意見である。ところが、番組宛には視聴者から多数のメールが殺到した。その大半が批判的なものだったらしい。
 中でもショックだったのは、「リモートでもできるんじゃないか」という声だったと朝日新聞(3月15日)のインタビューで語っている。
「僕の考えでは、政治という営みには会食をすることが不可欠だったからです。会食する最大の目的は、互いの人間関係を深めることです」
 そう断言する田崎さんに、記者が「人間関係を深めなければできないものか」と問うと、
「そうです。『政治家は政策を競い合え』『政治家は政策ベースで動け』と説く人が多いですが、現実の政治家は政策では動いていません」「政治は人間が動かしています。そして人間を動かすのは感情です。他人の感情を、自分にプラスになるように育む。それが政治家にとっては大事な仕事になるのです」
 ちなみに、あのオバマ元大統領は会食を好まなかった。というか、感情というものが皆無だったと聞く。来日したとき、安倍首相が(当時)有名な鮨屋に連れて行ったが、肝心の鮨にはほとんど興味を示さなかった。せっかくの好意が台無しである。   

 安倍さんも立場がなかったことだろう。案の定、オバマ時代の日米関係はギクシャクしたものだった。こんな情の欠如した男には、誰もついていかないだろう。当然、お友達も少ない。その点、トランプ時代の日米関係は盤石だった。安倍、トランプの両首脳は何回も「会食」して親交を温めたからではないのか。
「長い時間を一緒に過ごせることが大きい」と田崎さんは言う「夕食なら2時間、朝食や昼食でも1時間は話せますから」「日中に仕事場でサシで話せるのは、せいぜい30分です。でも食事をしながら2時間サシで話をすると、相手の生まれ育ちやご家族のこと、交友関係など、いろいろな方面に話が広がっていく。相手の人間性が分かるのです」
「外国の首脳が来日したとき、必ず晩餐会とか午餐会とかを開いて会食しますよね。食事には人と人のつながりを深める効果がある。それは、人間が歴史的に積み重ねてきた知恵だと思うんです」
 そうだ、そうだ。「会食」は人間社会の潤滑油である。なのに、「会食」を止めて「リモート」で打ち合わせをしろだ、と? バカも休み休みに言ってもらおう。「リモート」で人と話をして何が楽しいのだ!  ふんっ、 面白くも可笑しくもない。同じ鍋をつつくこともできないではないか。それに酒も不味くなる。「まっ、もう一杯」と相手にすすめることも不可能だ。ヤクザは絆を強くするために盃を交わす。それもできないではないか!  別に私はヤクザではないから、いいか。
 そういう私だが、一度ZOOMを利用して「リモート呑み会」をやったことがある。つらかった。焼酎のロックとつまみを片手に最初は順調な滑り出しだった。しかし、途中で「私は誰? ここは何処?」という感覚に襲われた。他の参加者も同じ思いだったようである。この「呑み会」は30分も経ずにお開きに。うーん、悪酔いした。リモートは国を亡ぼすかも。
 


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