緒方貞子さんが逝く
国連難民高等弁務官として活躍
私がタイ・カンボジア国境のカオイダン難民キャンプで国連難民高等弁務官事務所（UNHCR）のボランティアとして難民支援活動をしていたときのことです。日本女性がキャンプを視察に訪れました。年配にもかかわらず、キャンプ内を精力的な動き回る姿に感心したものです。彼女はその後、国連難民高等弁務官として世界各地の難民救済活動を指揮することに。そう、10月22日に92歳で亡くなられた緒方貞子さんです。
幼少期を海外で過ごした緒方さんは、聖心女子大英文科の１期生。卒業後に渡米し、カリフォルニア大学で政治学の博士号を取得しています。国際基督教大学准教授、国連公使、国連人権委員会の日本政府代表などを歴任し、1991年に国連難民高等弁務官に就任しました。2000年までの在任中、イラク・クルド、ルワンダ難民支援などで世界各地を飛び回った他、高等弁務官事務所の財政立て直しにも尽力しました。まさに日本人の誇りとも言うべき人物でした。
緒方の死去を受け、国連のグテレス事務総長は10月29日、「人道主義者で、世界中の模範となる人だった」と追悼声明を発表、その功績をたたえています。都内の教会で行われた葬儀には、聖心の後輩で、緒方さんとは長年親交があった上皇后の美智子さまが弔問されました。
ところで、緒方さんの曽祖父はというと、あの５・15事件で青年将校に暗殺された犬養毅元首相です。本ブログでも登場した犬養道子さんは犬養元首相の孫なので、緒方さんは従姉妹の娘ということでしょうか。犬養道子さんも難民救済に尽力され、２年前に96歳で亡くなられています。（文・山本徳造）
犬養道子さんが登場する本ブログの記事
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●タイの田舎町にあった「マキシム」
https://blog.goo.ne.jp/46141105315genkigooid/e/40b2c7ef65749aac200acf1a9b67d7be
