白井健康元気村

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南山公園の美観を守ろう! 葛退治に集まった5人

2021-01-17 17:18:24 | 特別記事

南山公園の美観を守ろう!

葛退治に集まった5人

 

▲藤原雄介さん

 白井市を代表する公園の一つが、調整池のある南山公園だ。池の周辺、とくに北側の法目橋のたもとでノコギリを片手に奮闘する男性がいた。白井健康元気村の村民、藤原雄介さん(68)である。藤原さんが切ろうとしているのは、つる草の一つである葛(クズ)だ。
 南山公園に葛が一杯あることに気づいたのは、数年にロンドン勤務を終えてからのことである。とにかく繁殖力が尋常ではない。地上に現れた部分を引き抜いても、土の中に茎が残っていると、そこからまた再生し、どんどん成長する植物なのである。夏になると、たった1日で30~100センチも伸びるというから驚く。まさにゾンビみたいな植物なのだ。
 他の植物に巻き付いて葛が成長する。巻き付かれた木や草花はたまったものではない。当然、陽が当たりにくくなって光合成ができないので、たちまち枯れてしまう。
 藤原さんはロンドン生活の後、あるプロジェクトの責任者として香港に毎週通うことになった。週末は白井で過ごすのだが、南山公園を散歩するたびに葛が公園全体の美観を損なうのではないかと心配でならない。そこで目についた葛をアーミーナイフで切りとることに。
「とにかくこの公園の惨状が目に余ったので、なんとかしたいなあと思って、2年ぐらい前から一人で始めたんです。アーミーナイフを持っているので『危ないおじさん』と思われたかも」
 集団で「葛退治」を始めたのは昨年12月からである。
「リタイアしたのは昨年春です。時間ができたので、元気村の他に『白井ダーツの会』のメンバーにもなった。軽く呑みながらダーツを楽しむ会です。その席で葛の話をしたところ、皆さん賛同してくれた。で、何人かで葛退治をすることになったんです」

▲小野敏郎さん

 ちなみに葛退治に参集したのは、「白井ダーツの会」メンバーが中心だ。もちろん同会代表の小野敏郎さん(72)も。航空会社勤務時代にテニスを始めた小野さんは退職後、子供たちにテニスのレッスン指導を行うなどボランティア活動には熱心だった。
「何とか南山公園がきれいになればと思って参加しました。適当に汗をかくので、楽しいのと苦しいのと半分ぐらいですかね」
 一昨年6月まで千葉県テニス協会会長を務めた小野さんに、テニスと葛退治のどちらがキツイかと尋ねると、
「うーん、テニスよりも葛退治の方が運動量があるのではないですか」
 と苦笑しながら額の汗をぬぐう。

▲下高原洋さん


 さて、厄介な葛を退治するにはどうすればいいのか。葛の根元を掘り返して茎を除去するか、葛が生えている周囲に葛用の除草剤を撒くしかない。
 ダーツの会でいつも珍味を提供する下高原洋さん(68)が説明する。
「強力な除草剤を浸み込ませた楊枝状の木針がある。葛を退治するクギみたいなものです。それを根に打ち込む。すると根まで枯れるので、二度と葛は生えてこないでしょう。それを使うにしても、まず枯れた雑草を取り除かないとね。草が張ったままにしたら、どこに葛があるのかわからないので、葛を除去できない」
 いずれにしても、表面の雑草などを取り除かなければならないのだ。体力勝負の作業でもある。下高原さんも葛退治は初めてだが、40年以上も漁業関係の仕事に携わってきたので、ある程度の応用が利くらしい。
「漁師さんたちの作業を手伝ったりしてたでしょ。彼らは木工の仕事から船を修理したりとか、そういうものを全部やるじゃないですか。遠洋マグロの船員も、入港すると壊れたところを修理したり、ペンキを塗ったりする。それを見たり、いろんな話を聞いたり、手伝いもした。ま、かじった程度ですけど……」
 そう謙遜するが、メンバーの中では一番頼りがいがある人材かも。

▲川鍋文明さん


 白井市や八千代市のキャラクター・グッズをつくって販売している川鍋文明さん(70)は、絶えずダジャレを飛ばして場を盛り上げる「元気印」である。
「いやあ、コロナ対策でマスクしてるから酸素不足です。ちょっとボーっとしてる。最近はコロナのおかげでイベントなんかが中止になったりで、たまらん。夜中になると、映画の『トイ・ストーリー』みたいにキャラクター・グッズがカタカタコトコトと動き出して……」
 はい、有難うございました。

▲桑原玉樹さん


 いつもダーツの会で日本酒をちびりちびり呑みながら高得点をマークするのが桑原玉樹さん(74)だ。UR都市機構を17年前に退職後も第三セクターに8年間在籍した都市計画の専門家である。
「URでニュータウンを計画する立場だったこともあるけど、街の美観に興味があったことは確かです。実際、ニュータウンに住んでいると、やはり周りに汚れた環境があると、『何とかならないかなあ』と前から思っていた。URの先輩なんかでも、ニュータウンの計画段階から住んでいて、退職後もいろいろ街の活動をやっている人が結構います。エライなあと思う。街をフィジカルにつくるんじゃなくて、美観も含めて、住んでいて街をどういうふうにするのかでしょう」
 その意味では葛退治も大切な活動かもしれない。学生時代はホッケー部に所属していたせいか、体力も人一倍ありそうだ。「今は暇をつぶすのに忙しい」と言うが、テニス、ダーツ、パズルと趣味も豊富。地元防災会のリーダーとしても活躍するなど充実した日々を送っている。
 昨年から「鬼滅の刃」が大ヒットを続けている。主人公の炭治郎が所属するのは「鬼殺隊」だが、葛を鬼に例えてみれば、以上の五人衆はさしずめ白井の「葛殺隊」とでも呼ぼうか。毎週月曜日の9時半から正午までが活動の時間。葛退治の後は公園全体の美化を推進するという。


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