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国会乱入事件の1年後 【連載】アンディ・チャンのAC通信

2022-01-08 19:27:23 | アンディ・チャンのAC通信
【連載】アンディ・チャンのAC通信
国会乱入事件の1年後
No.877 (2022/1/7)
 
 
 
 昨日1月6日はインチキ選挙に抗議する民衆が国会に乱入した事件から1年目である。一般に国会乱入事件と呼ばれ、バイデン政権はこれをトランプが使嗾したため暴動が起きたとしている。しかし当日の記録ではトランプは国会に行って平和的に抗議をせよと言ったに過ぎない。
 
 それでもバイデン政権はこれを利用してトランプを政界から抹消しようとしている。ペロシは国会で乱入事件調査委員会を設置し、すでに700名余りが逮捕され、500名余りが起訴された。
 
 事件後満1年を迎え、バイデン政権はこの事件を大々的に煽ってトランプの責任を追求する計画を立てている。その目的は(1)秋の中間選挙で民主党に決定的に不利な現状を取り返すこと。(2)2024年の総選挙にトランプを再出馬させないこと。(3)トランプを政界から永久追放する計画の3つである。
 
 民主党とDS(Deep State、ディープステート)はバイデンが政権を握ればトランプは再起不能と思っていたが、予想に反してバイデン政権は失敗続きのみならず、トランプの人気は下がらず、共和党トップの位置は変わっていない。バイデンは2024年も出るつもりだけど、トランプ対バイデンの人気は49対41%である。
 
 1月6日の当日、バイデン大統領とカマラ・ハリス副大統領は国会の歴代政治家の銅像を配置したNational Statute Hall(国民彫像ホール)でそれぞれ記念公演を行った。これが今後のトランプ攻撃の基調演説だった。
 
 バイデンはこの演説で去年の国会乱入事件はトランプが支持者を唆して国会に乱入させた張本人だと名指しで攻撃した。この事件はペロシが国会で調査中だがトランプが民衆を唆した証拠はまだ上がっていない。FBIとANTIFAが暴動を唆した証拠も上がっている。バイデンは国会乱入事件を「Undemocratic(非民主的)」で「UnAmerican(非アメリカ的)」と言うキーワードとし、今後の戦略の基調とするつもりだった。ワシントン・ポスト、NYタイムス、CNNなどがこれをバイデンの名演説と持ち上げたが、民衆の反応は殆どなかった。
 
 バイデンの講演に民衆が無反応だった理由は、バイデンに続いてカマラ・ハリスが行った講演に対して轟々たる非難の声があがったからである。ハリスの講演は国会乱入事件を「世紀の大事件」とでっちあげ、日本の真珠湾攻撃と20年前のビン・ラディンの911ツインタワー攻撃と一緒にしたのである。お陰でメディアの反応はハリス批判に焦点を合わせ、バイデンはすっかり無視されてしまった。
 
 国会乱入事件はアメリカでも大きな事件だったと言える。しかし真珠湾攻撃やツインタワー攻撃は桁違いでいくらサヨク贔屓でも納得できない。翌日の評論ではハリスの無知とでっち上げを批判し、国会乱入事件をバイデン政権の一年内に起きた527件の暴動に比較する保守系の反論が大きく取り上げられた。藪を突いて蛇を出す結果である。ある評論によると民主党側が政権をとって以来、バイデン政権は初めてアメリカで起きた動乱、無政府状態に言及し、これまでの暴動の頻発や各都市の危機を無視してきたバイデンを批判することになってしまった。
 
 保守メディアは更にハリスの自覚のなさを批判し、カマラ・ハリスは常にBLMの側に立って暴動を援助し、暴動で逮捕された者に保釈金を与えた過去があることを指摘し、彼女がBLMを援助したお陰で2019年の民主党のプライマリー選挙に立候補した過去を取り上げ、彼女こそ暴動の使嗾者だと攻撃した。
 
 バイデンの基調講演に続き、民主党側では国会乱入事件を使ってトランプを政界から永久追放する計画を考慮中である。ペロシの国会調査会はこの事件の全責任をトランプになすりつけるため、トランプの幕僚や家族のSNS通話記録の提出を求め、幕僚を国会喚問するなどさまざまな権力濫用を繰り返してきた。更に国会の民主党議員は憲法改正第14条の第3項を使ってトランプを政界から永久追放すると言い出した。
 
 第14条第3項とは簡単に説明すると「国家に忠誠を誓った人物が、反政府の暴動や反乱に加わり、または援助し、或いは国家反乱に関与した場合、国会の上下両院の議員の3分の2の賛成を得て、永久に国会の上下院議員や正副大統領になることを禁止する。」というのである。
 
 反政府の暴動や反乱とは英語でInsurrection and Rebellionとなっているが、ペロシが強引に立ち上げた国会乱入事件調査委員会で起訴された500名余にInsurrection(暴動)で起訴された者は一人もいない。だからこの条項をトランプまで引き上げるのは無理だ。
 
 国会の上下両院で3分の2以上がトランプの政界追放に賛成する可能性は殆どない。DSと民主党は第14条3項でトランプを追放するのは不可能と知っているけれど、これを使って民衆を煽動し、2024年の選挙にトランプが出ないように工作するつもりである。
 
 DSと民主党はトランプが大嫌いというよりトランプを極度に恐れているのだ。世紀のインチキ選挙でトランプを降ろしたら人気が下落すると思っていた。ところがホワイトハウスを追われた後のトランプの人気は下落するより大幅に上がったので更なる大陰謀でトランプ追放を図ってるのである。

 年末は何かと忙しいが、クリスマスが過ぎると一応の落ち着きを取り戻し、新年を迎えるまでは静かな休日となる。2021年のアメリカは世界の歴史に残る特別な年だった。この1年の間にアメリカで起きた事件を振り返ってみれば数々の事件が世界に大きな変化をもたらしたことがわかる。

 2021年はバイデンがイカサマ選挙で大統領になってホワイトハウスに入った年である。2020年の選挙ではDeep Stateと民主党の大掛かりな陰謀で不正選挙が行われ、バイデンが当選した。アメリカ国民だけでなく世界中の人が不正選挙があったことを認め、バイデンの当選を信じていない。

 それにも拘らずアメリカの司法は1年たっても不正が明らかな各州の選挙不正を糺すことができない。Dominion計票機の不正、選挙委員と計票人員の不正は何度も法廷で糾明されているにも拘らず、法廷が命じたDomoinion機の差し押さえを拒否し続けている。選挙の不正は1つの州だけでなく5つの州で明らかになった、つまり全国的な不正選挙だった。世界の歴史でこのような大規模な不正選挙と真実の隠蔽が起きた例はない。バイデン政権はこの1年間、不正を隠すことに全力を注いでいたのである。

 バイデンがホワイトハウスに入ると直ちに38回の大統領命令にサインしてトランプの政策を全てキャンセルした。つまりバイデンと左翼は反トランプを主体とした政権である。反トランプ政策とは国境をなくすこと、国内の石油と天然ガスの生産をストップすること、違法移民、犯罪者の密入国、麻薬の密輸入を無視することである。

 この1年間のバイデンが実施した政策は一つも成功していない。バイデンが軍部の意見に逆らって命令したアフガン総退却はアメリカの歴史に残る最大の敗北だった。続いてミリー参謀長は個人的なトランプ憎悪で中国に通敵行為を行なったことが発覚した。おかげでアメリカは中東における影響力を失い、米中関係、米露関係はバイデン軽視が顕著になってアメリカの威信を損なわれ、パックス・アメリカーナは威力を失った。アメリカの衰退が始まったのだ。

 国内では暴動と掠奪の多発で治安の悪化と、30年来のインフレで国民の生活が脅かされる様になった。バイデンは社会主義者とサヨク議員に賛同し、白人原罪論を推進し、司法と警察はBLM(ブラック・ライブズ・マター)とANTIFA(反ファシスト勢力)の暴動略奪を阻止できず、民主党州では警察の経費を削減し、警察は無力化した。このため計画的な集団強盗が全国17の都市で頻発した。社会道徳を失ったアメリカは無法地帯の蔓延る国となった。

 司法が無力になり最高裁も選挙違法を糺す気力がない。バイデンの任命した司法部長は法を無視してバイデン一家の汚職を糺さず、司法部は民主党左翼の手先となった。国会は民主党多数でヘイト・トランプで有名なペロシ議長は法を悪用して政敵を攻撃する、つまり法の政治闘争悪用である。

 62年前に私が留学したアメリカは良い国だった。奨学金で学位を取り、就職して国と社会に貢献し平和な家庭を築くことができた。社会は安定し人々には相互扶助の精神があった。それがだんだん変わっていった。今のアメリカは政治家の闘争と犯罪の氾濫である。

 この60年で色々なことがあった。ケネディの暗殺、ベトナム戦争の激化と撤退、OPECの石油禁輸による経済危機、イラク戦争、ビン・ラディンの911ツインタワー攻撃。これらの時期では多少の変化はあっても国民の相互扶助や善意と社会道徳は揺るがなかった。

 変化が起きたのはオバマ時代になってからである。黒人のオバマが大統領になると黒人たちの差別意識と闘争が激化した。オバマは大変な陰謀家で、大統領になると直ちに政府の各部門を使って民主党の一党独裁を推進して共和党の弱体化に全力を尽くした。

 外交面ではオバマとヒラリーの推進した「中東諸国の民主化」で、アルカイーダを使って革命を推進した。チュニジア、リビア、エジプトで革命が成功したが、アルカイーダに提供した武器類を取り戻そうとしたベンガジの大失敗でスティーブンス大使が殺害され、提供した武器一切を失った。オバマは失敗を隠すためホワイトハウスのベン・ローズとジェーク・サリバンが共同で作り上げた嘘を国連大使だったスーザン・ライスが嘘の発表し続けた。ベンガジ事件の真相は今でも調査中である。

 オバマは政府の公務員を政治化したため司法部、FBI 、CIA、税務署など多くの政府公務員が左翼思想に傾倒し、反トランプ、反共和党となり嘘と悪が蔓延り正義が通らなくなった。オバマの民主党員が自由思想や社会主義、グローバリゼーションを推進した。

 サヨク政治家によって黒人がのさばり警察は無力化され、マリファナ合法化で麻薬が蔓延る社会となった。Me Tooのセクハラ、サヨクの犯罪者釈放、違法移民問題など、民主党とDSはこれらの諸問題を援助する立場をとっている。つまりサヨクが社会不安と動乱を作り出したのだ。

 呆けのバイデンが政権を握るとたった1年でアメリカの衰退が始まった。しかもバイデンは年末の回顧で彼のおかげでアメリカは50年来の大きな進歩を遂げたと寝言を言ったのである。バイデン政権になってからアメリカ政府は嘘と失敗隠しで数々の危機をほったらかしにしている。

 何時になったらアメリカは以前の強くて正義の通る国となるのだろうか? 共和党が国会上下院の優勢を取り戻し、トランプが政権を取り戻した後、違法選挙の真相、ヒラリー、バイデン一家の国際汚職、ベンガジ事件の真相、嘘のトランプ弾劾を糾明し、正義が通るアメリカを取り戻すことができるだろうか。アメリカの将来はDeep Stateとサヨクを追放することにかかっている。


 
 
【アンディ・チャン(Andy Chang)さんのプロフィール】 1934年生まれ。第2次大戦後に台湾からアメリカに留学し帰化した。現在、カリフォルニア在住。アメリカと台湾の時事ニュース中心に独自の視点で分析してネット配信している。AC通信は週刊のメルマガで、使用言語は日本語。

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