白井健康元気村

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南山公園の惨状に愕然 【気まま連載】帰ってきたミーハー婆⑰

2021-09-23 06:00:11 | 【気まま連載】帰ってきたミーハー婆

【気まま連載】帰ってきたミーハー婆⑰

南山公園の惨状に愕然

岩崎邦子 

 


                     
「もう彼岸花が咲く頃だよね」
 朝晩はすっかり涼しくなったなぁ、と思い、夫に話す。
 今年の秋の彼岸は9月20日から26日で、20日は「敬老の日」、お中日の23日は「秋分の日」となって、祭日扱いとなっている。
 彼岸入りの20日にパークゴルフに出かけると、仲間がゴルフ場に来る道すがら「彼岸花が沢山咲いていたよ」と。彼岸花には、赤だけでなく、白・オレンジ系・黄色系・薄紫系の珍しい花もあって、その写真を手作り教室の先生から、ご自宅のお寺の庭に咲いている様子が、LINEで送られて来た。
 夫は用で出かけた佐倉市の志津で、昔の面影がないほど奇麗に整備された公園に、真っ赤に咲き誇る彼岸花を写真に収めてきた。
 彼岸花を私もこの目で見たいと、我が家のすぐ近くの南山公園に出かけることに。住まいの駐車場出入り口を出て、道路をまたいだところに、野球場やテニスコートを利用する人たちのための駐車場がある。
 その右手方面が調節池のある公園だ。なんと歩道に面したところの木々がバッサリと根元近くから伐採されて、無残な姿をさらけ出しているではないか。先日、我が家の窓から見下ろした時、工事用の車が、道路わきに留まっていて、確か「剪定中」の文字を見たが……。
「なんでぇ?」「どうしたんだろう?」「道路に“はみ出す余分な枝”を切るだけで良いのに~」
 このマンションに越してきて30年。当初の南山公園は白井駅からも近く、調節池の周りの遊歩道は散歩コースだ。池にかかる法目橋の右手側から入るが、春になると左に白い花が咲くヤマボウシがあり、低木樹のサツキやアオキ、キンモクセイなどが植えられた小道が。クヌギ、ケヤキ、シラカシ、松や柳などの様々な木々が季節を彩る。
 公園の右手は親水広場だ。坂を少し下ると、浅い池があって、春に黄色い菖蒲が咲く。笹竹の風情を楽しみながら、池のまわりをぐるりと歩くと、途中には「あずまや」があって、椅子にかけてくつろいだり、景色を楽しんだり。
 南山小学校・中学校との間の道を歩く時は、生徒たちの歓声を聞くこともあるが、特に春には桜が、秋にはイチョウの葉の色づきが楽しめた。
 調節池を一周して法目橋の近く、池のほとりに、合歓の木やさるすべり、野生の柿もある。法目橋の中ほどで、池を見下ろすと大きな鯉や亀が泳いでいて、子供達には人気の場所だった。
 最近の南山公園の様子はすっかり様変わりをしている。池のまわりはすっかり笹が覆っている。さてさて、彼岸花を見るために、遊歩道を歩いて行くと、どんぐり街道になっていて、ざくざくと踏みつけて進む。
 池を眺めながらくつろげるように椅子が設置されているが、繁茂した木々が邪魔だ。途中には藤棚があったのだが、今ではすっかり朽ち果てている。そこから少し歩を進めた所に、以前より少し貧弱な彼岸花が咲いていた。
「あ、あったぁ」
 やはり季節を忘れていない。
 彼岸花の脇に数年前に見かけたのだが、珍しい吾亦紅の花は、やはり見られないのか。秋に枝分かれした先に、穂のような赤褐色の風情がある花だ。
「これ吾亦紅(ワレモコウ)だよ」
 当時、花の名前をあまり知らなかった夫に私が言ったことがある。それには訳があった。彼がカラオケに行った時、仲間で上手な人が『吾亦紅』を歌っていた。その歌を夫がすごく気に入って、自分でも歌いたくなっていたからだ。
 ちなみに、歌の作詞は「ちあき哲也」だが、作曲は「杉本正人」で、歌っているのは「すぎもとまさと」である。
 ♪マッチを擦れば おろしが吹いて 線香が やけにつきにくい~
 そんな歌いだしから始まって、「あなたに謝りたくて」の節が繰り返され、亡き母親に切々と自分の生きざまを憂う。夫たちの年齢になると、母親に対しての思い、心当たりを感じる部分もあるのだろうか。
 話が横道にそれてしまった。昔の良き面影がほとんど無くなってしまった感のある南山公園に話題を戻そう。
 南山公園は、公園だけでなく防災調節池の機能も合わせ持つ兼用工作物とのこと。草刈りや木々の剪定など諸々の手入れは、防災調節池部分は千葉県、公園部分は白井市、と管理範囲を分担していて、当該箇所は千葉県の管轄なのだそうだ。でも、今まで防災調節池部分の木々への手入れらしきものを、見たり感じたりしたことがない。
 我が家からも見える歩道脇の木々は、緑も良かったのに、あの根元から息の根をとめる伐採ぶりは、どこの管轄で何のためにされたのだろう。
 池のまわりの立て看板には、魚釣り禁止や、フェンス内に入るなとか、禁止事項が目に付く。
 調節池の周りの木々にまつわり付き、景観も損ね、はびこる葛を退治するという有志仲間がある。名付けて「グリーンレンジャー」というが、夫はこの中では最高齢者だが、元気なうちはお手伝いになれば、との意で作業に参加してきた。
 こうした作業は素人の手作業だけで出来るものではなく、それなりの機器購入の助成金などがいる。役所へは、白井健康元気村のブログに登場されたこともある方たちが、何度も検討されたりして相当に面倒な手続きを一手に引き受けて下さった。
 ところが、その熱意も役所には届かなかったようである。はたして公園の実態を見に来ていたのだろうか。素人の私は残念でならない。
 野球やサッカーをする運動公園、テニスコートに向かう道のまわり一帯の葛退治は、一応の処理をとげたのだが、真夏の作業は休んでいるうちに、葛はまた強烈に復活してきているという。
 秋に入り、葛退治の作業は始められることになった。葛の花はピンクで可愛いが、その繁殖力の強さには、脅威さえ覚えてしまう。国道464号の沿線を見ると、桜の木々にも葛は威勢よくまとわりついている。桜並木となって「春の景観が素晴らしい」なんて言えなくなるかも。
 南山公園の問題は葛だけでない。近隣の市町村で手入れの良い公園のように、公的な援助が得られますように。そして、民間企業からの助成金が得られることを切に願っている。
 白井市を愛して止まない「グリーンレンジャー」の方々は、これからも頑張って行かれるに違いない。近隣にお住いの方々からも、南山公園を愛する仲間が増えますように。草花を愛で、木陰を安心して歩ける遊歩道。そんな南山公園
こそ、高齢化時代の住民たちが切望する姿ではないだろうか。

 

【岩崎邦子さんのプロフィール】 

昭和15(1940)年6月29日、岐阜県大垣市生まれ。県立大垣南高校卒業後、名古屋市でОL生活。2年後、叔父の会社に就職するため上京する。23歳のときに今のご主人と結婚し、1男1女をもうけた。有吉佐和子、田辺聖子、佐藤愛子など女流作家のファン。現在、白井市南山で夫と2人暮らし。白井健康元気村では、パークゴルフの企画・運営を担当。令和元(2018)年春から本ブログにエッセイ「岩崎邦子の『日々悠々』」を毎週水曜日に連載。大好評のうち100回目で終了した。


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