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マスク着用は過去のもの? 【気まま連載】帰ってきたミーハー婆(60)

2022-07-21 05:30:47 | 【気まま連載】帰ってきたミーハー婆

【気まま連載】帰ってきたミーハー婆(60)

マスク着用は過去のもの?

岩崎邦子 

 

 

 大谷翔平が、米大リーグのオールスター戦の出場に選ばれ、1番DH(指名打者)で先発出場した。両リーグとも、日本人野手の2年連続スタメンは、イチロー以来の史上2人目だとか。
 日本だけでなく、アメリカでも大人気、大谷選手の顔の入ったTシャツなどのグッズがファンに配られて、現地は大フィーバーしていた。
 大谷翔平を囲んでの記者たちやファンに囲まれてのインタビュー風景では、誰もマスクをしていない。
 アメリカで大谷翔平が野球で大活躍していることは、野球好きの人たち、いや日本人にとっての誇りでもあり、大関心事でもある。そんな中でのマスク無しでの大谷へのインタビューは、日本では、考えられない情景だ。
「マスク?」「そんなの関係ね~!そんなの関係ね~!」
 思わずそんなお笑いタレントの小島よしおのギャグで、言い返されてしまいそうな光景が、朝のニュースで放映されていた。もちろんミーハー婆である私の勝手な感想なのだが。
 小島よしおが、言っているのではないことは、誰でも理解できることで、名誉?のために、彼のことを調べてみた。
 オッパッピー、ピーヤ、ダイジョウブ・ダイジョウブ、などのギャグがあって、子供たちに大人気。彼は高学歴で、欧米アジア語学センターの副校長でもある。
 子供向けにユーチューブで「小島よしお・おっぱっぴー小学校」の講師をしていて、小学生などを対象に勉強になることを分かりやすく、面白く解説しながら発信して人気を得ている。

 日々のテレビの画面では、政治家も芸能人も、何かでインタビューされる一般人も、人との間隔が狭い時には、マスクは必須のようだ。かつて、食リポをするタレントが、マスクを外して食べた後は、またマスクをして、必死のリポートをする様相が滑稽に思えてしまったのは、私だけだろうか。
 多くの番組でマスクの代わりにアクリル板がタレントの間を仕切っているのも、当たり前の光景。厳重にも思える対策をしていても、大手芸能事務所では定期的に「抗体検査キッド」で検査するらしい。
 陽性が判明すると大変だ。すぐさま世間に公表し、感染者扱いに。そして陰性になるまでは、芸能活動は強制的に中止されてしまう。
 日本では、マスク着用の大切さ、その義務が叫ばれていたことが、すっかり定着してしまった。暑い日々が訪れる季節になってからは、熱中症の懸念もあって、その義務も緩和されつつある。
 条件がつけられた。外ではマスク無しOKで、室内でも人との間隔が2メートルもあれば、着用はしなくて済む。
 ところが、実際はどうだろう。散歩をしている人、買物袋を提げているが一人で歩いている人、自転車に乗っている人を見ると、しっかりマスクをしている人たちがほとんどである。
「暑いですね、マスク、外しても良いのですよ」
 と、思わず声を掛けたくなってしまう。
 でも、そんなことをしたら、「コロナ感染者は、日々増えているのを知らないのですか!」と、叱られてしまうかも。
 夕方のニュースでは、その日の感染者数の発表がされる。最近の増加ぶりには驚かされるが……。はたして他国の状況はどうなんだろう。ゴルフ発祥の地で全英オープンが開かれていても、大勢のギャラリーにマスク姿は全く見受けられない。
 マスク着用の云々より、ニューヨークのあまりの物価高に驚かされる。日本でも数々の食品・商品の値上げが次々と発表されているが、それらとは比較にならないようだ。
 車社会のアメリカでは、ガソリンの高さには、何よりも困らされているという。マンハッタンにおいては、ハンバーガーやピザも、気軽には食べられない。
「ディナー並みの値段になってしまう」と嘆く日本人駐在員。牛乳や卵といった安定値段の食材まで、大幅値上げ。日本食品を扱うスーパーは、軒並みに品薄になっている。円安の影響で、多くの商品がすぐに買われてしまうからなのか。
「豆腐や油揚げさえも、探しても無いことが多いの」
 そう嘆くのは、ニュージャージー州に住む娘である。ところで、マスクはどうなっているのだろう?
「もう、誰もマスクなどしていない」と、娘が笑う。「でも、私はいつもマスクの用意はしているよ、日本人だからね」
「コロナ感染者は、すっかり下火になってるの?」
「感染者も増えているはずだけど、その人数が発表されているのかどうか、だれも関心がないみたい」
 娘が生活しているアメリカにおいては、自覚症状もないまま、もしかしたら、感染しているかもしれないが、持病がないとか、健康体であれば、いつの間にか、何の問題もないことになる。そう多くの人たちが解釈しているみたいだ。
 日本人として、大谷選手の身の安全(コロナ感染者になることの危惧)を変に心配するのは、アメリカの地にあっては、全くナンセンスなことで、まさに「そんなの関係ない!」になるらしい。
 昔とはすっかり様変わりをして、ロサンゼルスの巨大で立派になったドジャー・スタジアム。超満員の観客は、誰一人マスクなどせず、ア・リーグとナ・リーグの選ばれた選手たちの試合を楽しんでいた。
 中でも大谷選手への拍手・応援が一段と大きく感じたのは、私だけではないだろう。日本に住んでいる私たちも、「マスク? そんなの関係ないです」と、言える日が待たれる。

 

 

【岩崎邦子さんのプロフィール】 

昭和15(1940)年6月29日、岐阜県大垣市生まれ。県立大垣南高校卒業後、名古屋市でОL生活。2年後、叔父の会社に就職するため上京する。23歳のときに今のご主人と結婚し、1男1女をもうけた。有吉佐和子、田辺聖子、佐藤愛子など女流作家のファン。現在、白井市南山で夫と2人暮らし。白井健康元気村では、パークゴルフの企画・運営を担当。令和元(2018)年春から本ブログにエッセイ「岩崎邦子の『日々悠々』」を毎週水曜日に連載。大好評のうち100回目で終了した。


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