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藤井聡京大教授がコロナ報道に喝! 【連載】腹ふくるるわざ⑥

2021-05-01 18:13:27 | 【連載】腹ふくるるわざ

【連載】腹ふくるるわざ⑥

藤井聡京大教授がコロナ報道に喝!

桑原玉樹(まちづくり家) 

 

▲YouTubeでマスコミ報道を批判する藤井教授

 

 YouTubeで京都大学の藤井聡教授が吠えまくっていた。4月29日付の番組である。
「大阪府で感染爆発しているなんてテレビが放送するのはけしからーん!」「理系の人間なら誰だってわかる簡単な数学、いや算数レベルがわかっとらーん!」「非常事態宣言なんかなくたって収束に向かっているんだー!」
 私も「そうだ そーだ!」と拍手を送ったが、ふと「いや待てよ。世の中の人のどのくらいがわかるだろう?」と気になった。
 私の勝手な解釈かもしれないが、藤井先生の説はこうだ。

●感染爆発では、ねずみ算的に倍々ゲームで指数関数的に増加する。
●感染が拡大期にあるか収束期にあるかは、新規感染者数が増加しているか否かではなく、増加率が上昇しているか否かで判定すべきである。
●大阪府では、確かに新規感染者数は増加しているが、増加率は下降している。
●つまり、大阪府は既に収束に向かっている。間もなく増加率は1を切り、新規感染者数は下がってくるはずである。
●また自粛率は増加率に全く関係していない。
●しかるに、テレビではこの説明は全くない。いや、それどころか、「前日を上回った!」と連日のように煽り、やがては「非常事態宣言の効果で第4波を乗り越えた。連休中の自粛が効いた」と報道することだろう。

 藤井先生の熱弁を聞いていたら、今後の予測もしてみたくなった。そこでNHKが公表しているデータをもとに、私なりに計算し実績値と合わせてグラフを作ってみた。別に難しくはない。ごく単純な掛け算割り算を繰り返すだけだから、エクセルを使えば「8割おじさん」でなくてもすぐできる。結果が次のグラフだ。

 藤井先生の話をこのグラフで復習するとこうなるのかな。(*藤井先生も指摘されていたが、データの日付は報告日なので、感染日はその約2週間前になる。しかも私の計算では直前の7日間の新規感染者の平均値を使っているので、感染日はさらに3日ほどさかのぼるだろう)

●増加率は、A(2月12日)からB(3月27日)まで上昇している。この時期の新規感染者数(陽性者数)は、E(2月12日)からF(3月2日)まで減少していて、その後増加している。この時期は、減少期間も含めて感染拡大の時期だった。
●増加率は、B(3月27日)から下降している。この時期の新規感染者数(陽性者数)はG(3月27日)からC(4月21日)まで増加しているが、決して感染は拡大しているのではなく、むしろ収束に向かっているのだ。
●非常事態宣言が出された4月25日は、新規感染者数(陽性者数)のピークの時期であったが、既に収束に向かっていることは明らかだ。非常時事態宣言が効果を発揮して新規感染者数(陽性者数)が減るわけではない。
●増加率がこのまま下降して2月頃の前日比0.95程度(D:5月9日)で一定になったと仮定すると、予測としては6月27日頃には2月末から3月上旬ころの新規感染者数(陽性者数)になるだろう。(*0.95としたのは筆者の勝手な仮定)

 さてさて、比較的簡単な計算だったが、マスメディアではこの程度の計算もすることはないのだろうか。新型コロナを煽るだけでなく、冷静に分析して報道してもらいたいものだ。しかし、事態が予測のように進むか、ちょっと心配だなー。

 

【桑原玉樹(くわはら たまき)さんのプロフィール】

昭和21(1946)年、熊本県生まれ。父親の転勤に伴って小学校7校、中学校3校を転々。東京大学工学部都市工学科卒業。日本住宅公団(現(独)UR都市機構)入社、都市開発やニュータウン開発に携わり、途中2年間JICA専門家としてマレーシアのクランバレー計画事務局に派遣される。関西学研都市事業本部長を最後に公団を退職後、㈱千葉ニュータウンセンターに。常務取締役・専務取締役・熱事業本部長などを歴任し、平成24(2012)年に退職。現在、印西市まちづくりファンド運営委員、社会福祉法人皐仁会評議員。

 

 


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