変温動物のほんとうはあったかはーと

冷たくないよ、ちょっと心が暖かくなる話を書きます。

話がかみあわない。

2006-12-08 15:40:51 | Weblog
ジャッケットの中の携帯が鳴った。
友人からだ。

友人とは、長い。結婚して、知り合ったので、二十数年になる。
お互い子供は、自立して夫と二人きりの生活になっている。
ちょっと私と違うのは、彼女の場合、夫は単身赴任で、週末になると帰ってくる。
だから、今は、ひとり暮らしなのだ。

その彼女がランチをしないか、という。

私は、外国にいる娘が「日本食が食べたい」とういので、レトルトのご飯、缶詰、インスタントの味噌汁等などいっぱい買って、税関の検査を受けに行こうとしていたところだった。あちこちのスーパーを走ったので、気ぜわしかった。そんな思いをしてるときだった。

デパートの最上階の食堂で待ち合わせた。
彼女は、パートに行っているので、制服だった。
昼休みによく会うので、いつも制服だ。
そんな彼女の姿はもう見慣れた。

「なんかあった?」と聞くと、「別に一人だと寂しいから」という。
二人の息子は都会、夫は週末でないと帰らない。
帰っても家の中は、がらんとして静か過ぎる位だろう。
趣味は持っている。友人は、交際上手だからおおい。
聞くと、よく出かけ楽しんでいるようだ。
「今日は暇、という日ができるとスケジュールを埋めたくなる」という。
「ふーん」

なんか話がかみあわない。
彼女の持つ話の波と私のそれが、互いに交差してかみあわないのだ。
彼女はそんなこと思ってないのかもしれない。
私だけが感じたのかもしれない。
じゃあね、と別れたけれど、もやもやした気分だったので、デパートの中を上から下まで歩いた。

少し気分は落ち着いた。

もっと素直に自分の気持ちを表現したらいいのに、もっともっと寂しいと素直に言えばいいのに。現実の目の前のことばかりに追われてたら、気がついたら「わたしってなんだったん」なんてことになりかねないよね。

そんなことを思った。