変温動物のほんとうはあったかはーと

冷たくないよ、ちょっと心が暖かくなる話を書きます。

歯科の待合室

2008-02-15 22:23:06 | Weblog
おばあちゃんと小学生の男の子。

私は、三人掛けのソファの真ん中に座っている。

右隣りに座っていた私の娘が診察室に呼ばれて入っていった。

空いた席に、そのおばあちゃんが「○君、ありがとうございますって座りなさい」
○君は、照れくさそうに小さな声で「ありがとうございます」といって座った。私は、「いいえ、どういたしまして」と言った。

ちょっと爽やかな気分だった。

「おばあちゃん子は、三文安いなんていうけど、そんなことないね」と私は、心の中でおもった。

やがて、○君も呼ばれて、診察室に入っていった。その席が空いた。

私の左隣、30代位のお母さんが座っている。

そのお母さんが「△ちゃん、空いたとこに座りよ」と大きな声で言った。

△ちゃんも小学生女の子。呼ばれた△ちゃんは、その声にちょっと驚いたかのようにお母さんの膝に座りに来た。

私は、右にずれて座りなおした。△ちゃんは、空いた席をちらほらとみて、黙って座った。

私は、心の中で「ああ、若いお母さん、ちょっと躾けて欲しかった、あのおばあちゃんのように」と思った。

二人の大人の共通点は、「余裕」。

おばあちゃんの方は、余裕があって、若いお母さんの方は、それがない。

子育ての時、あのおばあちゃんの余裕があれば、そのことに気づけば、随分違ったのだろう。

成人した我が娘を見て、反省することばかりだ。