大澤朝子の社労士事務所便り

山登りと江戸芸能を愛する女性社労士が、
労使トラブル、人事・労務問題の現場を本音で語ります。

◆人件費の無駄って?

2013年12月02日 14時36分20秒 | 近頃思うこと
昨日の日曜日は、久しぶりに「大中寺」から「大平神社」(栃木県)へ
歩いてきました。

「大中寺」は、上田秋成「雨月物語」にも一説書かれていますが、
大平山、晃石山などを縦走する時などによく立ち寄る名古刹です。
「開かずの雪隠」とか、いろいろ怖いお話のあるお寺なのですが、
付近には鎌倉街道も残っていますし、山歩きの帰途などによく立ち寄ります。
昨日も、鬱蒼とした杉木立の境内には、誰一人いませんでした(こわーい)。

「人材」が企業資源にとって一番重要な要素だと分かっていても、
「人件費」はなるべくかけたくない、と思うのは人情。
人件費をかけたくないという(経営者の)方は、例えば、

1、給与を時給にする。
2、なるべく短期の有期雇用契約にする。
3、非正規で雇い、後で正社員登用をうたう。

などとするでしょうが、
こうしますと、あたかも人件費は安く済むように見えますが、
従業員の出入りが多く、年がら年中「採用」活動することになったりします。

採用にかける「お金」も人件費コストといえますが、
このあたりの計算は案外タンパクで、

1、求人媒体への登録費用
2、職安へ求人を出しにいく手間・人件費
3、採用面接の時間・手間
4、合否連絡の時間・手間
5、新人への既存従業員の教育の手間・人件費
6、契約更新の面接や書類作り

など、目に見えない形でコストがかかっています。
しかし、目に見えないため、本人は気づきにくいのかもしれません。

傍目では、そこまでして「有期雇用にしたい?」と不思議ですが、
求人広告を見ますと、例えば、女子の事務職などは有期雇用が本当に多い。
統計でみても、有期雇用の職種で一番多いのが「事務職」でその次が
「販売職」ですので、これが世の中の採用の実態といえば、まあ、
致し方ないのでしょうか。

日本の賃金は諸外国に比べても1.5倍も高い、といわれれば、
肯首せざるを得ませんが、せめても、有期雇用契約が状態となって
いるこの状態、なんとかならないものでしょうか。
そんな会社、とても伸びる企業には思えませんが。

――さて、大平神社は今が見ごろの紅葉。見はるかす関東平野を
眼下に、茶店に頼んですするお茶や団子の味もひとしおで、あとは、
静かな山道を陽が傾きかけた大中寺の駐車場に向かいました。

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