大澤朝子の社労士事務所便り

山登りと江戸芸能を愛する女性社労士が、
労使トラブル、人事・労務問題の現場を本音で語ります。

◆年間休日数? あ、それ総務部長に聞いて。

2014年02月07日 10時36分23秒 | 労働基準
就活、転職応募者の気になる労働条件の中に「年間休日数」があります。

人生の大半を過ごすことになる応募先企業の「年間休日数」は、
賃金、勤務時間、業務内容、教育体制等の他に、気になるところです。

「年間休日数? あ、それ総務部長に聞いて。」
経営者の方は、概して「年間休日数」には淡白なところがあるように思われますが、
応募者は、重箱の隅々まで見て決めるでしょう。

1年単位の変形労働時間制を採っている企業の場合は、明確に「年間休日数」を
意識します。例えば、1日8時間勤務の場合、年間休日数は少なくとも105日
必要です(これで年間週平均所定労働時間は40時間になります)。

そこで、「自社の年間休日数は多いだろうか、少ないだろうか……。」

そんな経営者の方の疑問にお答えするには、判断の目安として「105日」を挙げます。

最低限105日ですから、労働条件で他社に差を付けて、
よりよい人材が欲しい場合には、それ以上の年間休日数を検討してみては――、
ということになります。

「年間休日数」の客観的なデータがあります。

昨年11月、厚生労働省が発表した平成25年「就業条件総合調査」によれば、
企業の実態は以下のようです(調査企業4,211社)。

規模      130日以上  120~129日  110~119日  100~109日  90~99日
1,000人以上    0.3      43.6       24.0       26.4      3.5
300~999人     0.8      35.1       22.3       31.6      4.6
100~299人     0.6      25.5       23.2       31.3      8.3
30~99人      1.1      19.6        17.1       32.5     10.7
                                         (単位%)
上の数字を見たところで、自社の年間休日数の「水準」がお分かりいただけたかと思います。
ちなみに、土日祝日完全休み、夏季休暇、年末年始休暇ありの場合は、年間130日以上の
休日数になります。

そして、「年間休日数」が分からなければ、給与計算もできない、というお話。

「年間休日数」が分からなければ、月給者の「割増賃金単価」「欠勤単価」も算出不可能です。

<計算例>
1日8時間 年間休日数105日 年間所定労働日数260日 月給300,000円の場合

・年間総労働時間 260日×8時間=2,080時間
・月平均所定労働日数=260日÷12月=21.6日
・月平均所定労働時間=2,080時間÷12月=173.3時間
・日給単価=300,000円÷21.6日≠13,889円
・時間給単価=300,000円÷173.3時間≠1,732円

このように、「年間休日数」が明確であるからこそ、「単価」が正しく計算ができるのです。

どうです?
意識していなかった年間休日数で、給与計算のすべてが決まる、なんて意識していました?

「年間休日数」を決めるって、結構、大事なことだったんですね。

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