冷凍食品農薬混入事件。報道されていることが事実とすれば、
従業員の内心の問題は、企業・総務部にとって見過ごされない重大な問題を
はらんでいるように思われます。
労働条件などの会社対する「不満」は自己または自己の属する集団の中で日々増幅し、
会社が思ってもみなかった方向性へと発展することもあるのだと、震撼の思いに至ります。
さて、今日のお話は、会社主催の運動会や慰安旅行が、最近息を吹き返してきたという
ことを耳にしますが、総務さんからよく質問を受ける点について、お話したいと思います。
会社主催の運動会を所定休日の日曜日に実施するのですが、この日は「休日労働」
になりますか? また、運動会中に怪我をした場合は「労災保険」は対象となりますか?
ご質問にお答えするには、会社主催の運動会などは、「労働時間」なのか?
という問題を明らかにしなければなりません。
「
労働時間」とは、使用者の指揮命令下にあって業務に従事することをいいます。
ですから、運動会などが使用者の指揮命令下におかれていて、従業員がその命令下で
自己の労働義務の処分を使用者にゆだねているかどうかで判断されるといってよいでしょう。
もし、そのような支配下であれば「労働時間」と判断され、運動会中の怪我は
労災保険の対象となってきます。
ところで、労災保険の方では、会社主催の運動会中に起きた怪我などの場合の判断基準として、
次のような通達が出ています。
「労働者が事業場内の運動競技会に出場中に被った災害については、
次のすべての条件を満たす場合に限り、業務上の災害として取り扱う。
1、当該運動競技会に労働者を出場させることが、事業の運営に社会通念上
必要と認められること。
2、当該運動競技会に出場することが、事業主より強制されていること。
出場を強制されているとは、次の要件を満たしていること。
ア、当該運動競技会が事業所属労働者の全員の参加により定期的に行われるものであること。
イ、当該運動協議会出場日は、通常の出勤と同様に扱われ、出場しない者については、
欠勤として取り扱われるものであること。
ただ、一口に運動会といっても、例えば、取引先の運動会に従業員を派遣したとか、
自社の運動会でも、会社命令で運動会実行委員になった者の大会準備行為中とか、
会社の命令ではなく、労働者の自主的な意思で運動会の準備行為をしていた場合など、
「労働時間」かどうかの判断に微妙な問題をはらんでいる部分もあります。
日曜日などの所定休日に社内運動会を実施する場合などは、
その日を労働日=労働時間とするのかしないのか、あらかじめ明確に決定しておかなければ
ならないことはいうまでもありませんし、実行委員の準備後始末行為や任意の
準備行為手伝い者などが出た場合などを想定して、社内ルールを定めておく
ことが求められます。運動会中の怪我は少なくないと思われるからです。
運動会当日を「労働日」とするのかしないのか、それは、運動会を開く会社の意図と
深くかかわってくることですので、とても大切な問題です。
当事務所でも、同じような質問をいただいた場合は、上記労災保険の通達をご紹介し、
前もって労働日とするのかしないのか等、きっちりと決めていただくよう、
お話するようにしています。
運動会や社内旅行などは、普段疎遠な他部署同士の思わぬ「交流」のきっかけとなったり、
結構、従業員さんの心のバランスにもいい影響を与えたりするかもしれません。
見直されていい行事だと思います。
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従業員の内心の問題は、企業・総務部にとって見過ごされない重大な問題を
はらんでいるように思われます。
労働条件などの会社対する「不満」は自己または自己の属する集団の中で日々増幅し、
会社が思ってもみなかった方向性へと発展することもあるのだと、震撼の思いに至ります。
さて、今日のお話は、会社主催の運動会や慰安旅行が、最近息を吹き返してきたという
ことを耳にしますが、総務さんからよく質問を受ける点について、お話したいと思います。
会社主催の運動会を所定休日の日曜日に実施するのですが、この日は「休日労働」
になりますか? また、運動会中に怪我をした場合は「労災保険」は対象となりますか?
ご質問にお答えするには、会社主催の運動会などは、「労働時間」なのか?
という問題を明らかにしなければなりません。
「
労働時間」とは、使用者の指揮命令下にあって業務に従事することをいいます。
ですから、運動会などが使用者の指揮命令下におかれていて、従業員がその命令下で
自己の労働義務の処分を使用者にゆだねているかどうかで判断されるといってよいでしょう。
もし、そのような支配下であれば「労働時間」と判断され、運動会中の怪我は
労災保険の対象となってきます。
ところで、労災保険の方では、会社主催の運動会中に起きた怪我などの場合の判断基準として、
次のような通達が出ています。
「労働者が事業場内の運動競技会に出場中に被った災害については、
次のすべての条件を満たす場合に限り、業務上の災害として取り扱う。
1、当該運動競技会に労働者を出場させることが、事業の運営に社会通念上
必要と認められること。
2、当該運動競技会に出場することが、事業主より強制されていること。
出場を強制されているとは、次の要件を満たしていること。
ア、当該運動競技会が事業所属労働者の全員の参加により定期的に行われるものであること。
イ、当該運動協議会出場日は、通常の出勤と同様に扱われ、出場しない者については、
欠勤として取り扱われるものであること。
ただ、一口に運動会といっても、例えば、取引先の運動会に従業員を派遣したとか、
自社の運動会でも、会社命令で運動会実行委員になった者の大会準備行為中とか、
会社の命令ではなく、労働者の自主的な意思で運動会の準備行為をしていた場合など、
「労働時間」かどうかの判断に微妙な問題をはらんでいる部分もあります。
日曜日などの所定休日に社内運動会を実施する場合などは、
その日を労働日=労働時間とするのかしないのか、あらかじめ明確に決定しておかなければ
ならないことはいうまでもありませんし、実行委員の準備後始末行為や任意の
準備行為手伝い者などが出た場合などを想定して、社内ルールを定めておく
ことが求められます。運動会中の怪我は少なくないと思われるからです。
運動会当日を「労働日」とするのかしないのか、それは、運動会を開く会社の意図と
深くかかわってくることですので、とても大切な問題です。
当事務所でも、同じような質問をいただいた場合は、上記労災保険の通達をご紹介し、
前もって労働日とするのかしないのか等、きっちりと決めていただくよう、
お話するようにしています。
運動会や社内旅行などは、普段疎遠な他部署同士の思わぬ「交流」のきっかけとなったり、
結構、従業員さんの心のバランスにもいい影響を与えたりするかもしれません。
見直されていい行事だと思います。
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