普段は短編を読んでも全体の感想に留めるが、この短編集は短編というには読みごたえがあり一編が割と長いので、それぞれ感想を書いてみる。
ネタバレしないように努めるが、ひとつひとつ書くとどうしても骨子が必要なので趣は出てしまうかな。
◇短編宇宙 集英社文庫編集部編 より 2021.10.31読了
『 南の十字に会いに行く 』 加納 朋子 著
冒頭から父娘が旅に出る場面だった。母が出てこないのは何か事情があるのだろう、というところ。離島への旅のため、一緒に出かけた旅行者が随所に出てきて、しかも最終的には同じ場所を目指していた。
母は死別でも離婚でもなくとある理由で長い離別中(但し、現代なのでネットで会えている)だった。
こう書いてしまうと何のことはないが、読んでくれれば展開に少しワクワクする。
短編ではなく短い小説的面白さだった。
『惑星マスコ』 寺地 はるな 著
周囲と違う思考をしてしまう点は自分もよくわかる。
一緒に居合わせたひと達が、とある話題で盛り上がっていても、大抵内容がわからないから話題に入れないし、入らなくてもつまらなくない。一人で時間を潰すことはいくらもできるから。
周囲から見て浮いてるなって思われても迷惑に感じない。
実際溶け込んでいないってことは浮いているんだし、用もないのに自分から混ぜてほしいと思ってないから、混ぜなくっちゃと思われる方が状態を乱されて迷惑だ。
この短編の登場人物たちは、そんなことを書いたもの。
みんなとおんなじにしないと落ち着かない人が読むと『へんなの』って思うのかな?
私にはアルアルだったけど。
『空へ昇る』 深緑 野分 著
この人の小説は多分初めて読んだかな?
いつの時代を指すのか不明なのも面白いし、地球上とは限らない星っていう感じも面白い。
地球には重力があるけれど、それに逆らって空に昇っていくものがあったら、確かに驚くなあ。
途中、どうしても堂々巡りって感じになってしまうが、それだけ長い年月解明されないストーリー。想像力を掻き立て、読みごたえあるって感じだろう。
ここからも初めて見る方々ですね。
『惑い星』 西島 伝法 著
なるほど、星の創世記。そんな状態はありそうだなあ...っていうストーリーだった。
充てた漢字の選び方が難しいところと、星々の命名がうまいねえっていう感じ。
あと、流れるストーリーがうまいなあと感じる。
『アンテュルディエン?』 雪舟 エマ 著
社会には異星人も含まれている、と私も思わないではない。相手はおっさん風だったが、確かに頭に話しかけられたことがあったからだ。通りすぎたあと、発展すると嫌だから振り向いて確認できなかった。完全に向こうの勘違いだったけど、まあ、何事も無かったから良しとしよう。
この短編の登場人物は、BLのようだが、異星人なら中性か両性だろうから惹かれても影響はないだろう(笑)
お幸せにって感じ。
『キリング・ベクトル』 宮澤 伊織 著
長い短編だ。人類の創成に関わる壮大なストーリー。
万物の母なるものは、不死の身体を持ちながら相手を攻撃することはできないらしい。
或いは、人類がインプットされた生成だったら、もっとドライに処分と見切りとを安易にできて便利なのにって思う。
自分みたいな雑魚はさっさと葬り去っていただきたいし、その方が苦悩もなくて助かるだろう。人類だってどこを目指しているか誰もわからない。現在だって宗教の差なのか、殺戮を繰り返さざるを得ない民族が存在している。
地球を大切にって思える人間は全体の何%か。大部分は他人のコピーで生きているし、良かれと思うことも独りよがりにすぎない。
スッキリした一話だと思うし、映像で観てみたいものだ。
『小さな家と生きものの木』 川端 裕人 著
コロナ禍での生活アルアルって感じのストーリーだった。
子供の疑問や提案、発案を無下にしないいい大人の在り方、みたいな。
こんな大人が傍にいてくれたら、自分ももっと上等なものの考え方と生き方が出来ていたな。
ネタバレしないように努めるが、ひとつひとつ書くとどうしても骨子が必要なので趣は出てしまうかな。
◇短編宇宙 集英社文庫編集部編 より 2021.10.31読了
『 南の十字に会いに行く 』 加納 朋子 著
冒頭から父娘が旅に出る場面だった。母が出てこないのは何か事情があるのだろう、というところ。離島への旅のため、一緒に出かけた旅行者が随所に出てきて、しかも最終的には同じ場所を目指していた。
母は死別でも離婚でもなくとある理由で長い離別中(但し、現代なのでネットで会えている)だった。
こう書いてしまうと何のことはないが、読んでくれれば展開に少しワクワクする。
短編ではなく短い小説的面白さだった。
『惑星マスコ』 寺地 はるな 著
周囲と違う思考をしてしまう点は自分もよくわかる。
一緒に居合わせたひと達が、とある話題で盛り上がっていても、大抵内容がわからないから話題に入れないし、入らなくてもつまらなくない。一人で時間を潰すことはいくらもできるから。
周囲から見て浮いてるなって思われても迷惑に感じない。
実際溶け込んでいないってことは浮いているんだし、用もないのに自分から混ぜてほしいと思ってないから、混ぜなくっちゃと思われる方が状態を乱されて迷惑だ。
この短編の登場人物たちは、そんなことを書いたもの。
みんなとおんなじにしないと落ち着かない人が読むと『へんなの』って思うのかな?
私にはアルアルだったけど。
『空へ昇る』 深緑 野分 著
この人の小説は多分初めて読んだかな?
いつの時代を指すのか不明なのも面白いし、地球上とは限らない星っていう感じも面白い。
地球には重力があるけれど、それに逆らって空に昇っていくものがあったら、確かに驚くなあ。
途中、どうしても堂々巡りって感じになってしまうが、それだけ長い年月解明されないストーリー。想像力を掻き立て、読みごたえあるって感じだろう。
ここからも初めて見る方々ですね。
『惑い星』 西島 伝法 著
なるほど、星の創世記。そんな状態はありそうだなあ...っていうストーリーだった。
充てた漢字の選び方が難しいところと、星々の命名がうまいねえっていう感じ。
あと、流れるストーリーがうまいなあと感じる。
『アンテュルディエン?』 雪舟 エマ 著
社会には異星人も含まれている、と私も思わないではない。相手はおっさん風だったが、確かに頭に話しかけられたことがあったからだ。通りすぎたあと、発展すると嫌だから振り向いて確認できなかった。完全に向こうの勘違いだったけど、まあ、何事も無かったから良しとしよう。
この短編の登場人物は、BLのようだが、異星人なら中性か両性だろうから惹かれても影響はないだろう(笑)
お幸せにって感じ。
『キリング・ベクトル』 宮澤 伊織 著
長い短編だ。人類の創成に関わる壮大なストーリー。
万物の母なるものは、不死の身体を持ちながら相手を攻撃することはできないらしい。
或いは、人類がインプットされた生成だったら、もっとドライに処分と見切りとを安易にできて便利なのにって思う。
自分みたいな雑魚はさっさと葬り去っていただきたいし、その方が苦悩もなくて助かるだろう。人類だってどこを目指しているか誰もわからない。現在だって宗教の差なのか、殺戮を繰り返さざるを得ない民族が存在している。
地球を大切にって思える人間は全体の何%か。大部分は他人のコピーで生きているし、良かれと思うことも独りよがりにすぎない。
スッキリした一話だと思うし、映像で観てみたいものだ。
『小さな家と生きものの木』 川端 裕人 著
コロナ禍での生活アルアルって感じのストーリーだった。
子供の疑問や提案、発案を無下にしないいい大人の在り方、みたいな。
こんな大人が傍にいてくれたら、自分ももっと上等なものの考え方と生き方が出来ていたな。