日々の事から

日々のあれこれ   by Kirari

読書記録📖

2020-01-13 23:20:28 | 
『森へ行きましょう』川上 弘美 著  2020.1.13読了

ストーリーは『ルツ』という名の女性の人生をいくつかのパターンによって書き上げられたものである。最初は二人分だが、年齢を追うごとに名前の漢字が増え人生も語られるということは、岐路が増えていくということを示すのだろうか。

最初は『ルツ』と『留津』。
例えば字を書き換えなくっても『もう一人のルツ』として書いてもいいわけだが、読み手も登場人物も混乱するだろうと字を変えたのかどうか。それは作者にしか分からないかな。どう読んでもいいと思う。
どちらの人生もあり得る話であった。
自分だって岐路はいくつもあったのでそんなことを思い浮かべながら読むことになってしまう。

一番『え?』と思ったのは、ルツが不倫してた相手の男が、ルツが『私、なんかあなたの子供が欲しいと思えてきた。』と感じたことを伝えてみただけなのに、『僕は妻と離婚はしない。でも君は僕にとって大事な人だ。特別な存在なんだ。』って言ったところかな。
実際の文章と異なるが、読み手として感じた概要はこんな感じ。
ルツは結婚してと迫ってるわけではないと弁明するが、唐突に感じたことが膨らんで、その後に発展しかねない思考であることを嗅ぎ取った不倫男の方が上手だと思うね。

それにしても男性って『君は特別な存在なんだ』とか言うの、決まり文句なのかー。ははは。軽い言葉なんだ、これ。
使う方は言葉の意味をよく考えた方がいいね、って思った。
『君は僕にとって家庭で出せない自分を出せる相手なんだ。それによって自分勝手に僕は均衡を保っているんだ。君は僕にとって存在して欲しい、特別な機能やシステムなんだよ。』ってことじゃん(笑)
浅はかなやつ。

自分勝手だよねー、全く。
女はそういうために存在してんじゃないんだよ(笑) 場面によって使い分けね。カテゴリごとに取り出す、みたいな?
男って自分の均衡も自分で調整できんのかなあ。都合よく女を点在させて各機能を利用する? バカみたい。
人さまを道具みたいに使うんじゃないよ。
そしてうまく立ちゆかなくなったら最後には親とおんなじセリフを吐くのかな。いい逃げだね。30年後が楽しみだ。


川上さんは面白い小説の書き方をする。
今回は自分も生きた時代背景もあって身近に感じられた場面が多かった。
よくありそうでそうでもない場面もうまいと思う。
次作を読むのが楽しみである。






本能的に、か?

2020-01-03 00:13:11 | 日記
地元の神社に初詣に出かけた。
山肌に沿って築かれた階段が100余段続くような神社であるが人っ子一人見かけない場所である。
山肌の急な階段に沿わなくとも緩く坂も造られておりそちらを通ればいいのだが、どうも崩落しそうな急な石段を登りたくなる。
途中、石が浮きそのまま崩れそうな段もある。
街なかなら立ち入り禁止になりそうだが、テープが張られるでもなくそのまま登れるようになっているところが田舎らしい。

途中、崩落もせず上まで上がり、お詣りをした。神社で不謹慎にも他人の不幸を祈ろうと思ってやって来たが、本能的に想いが封印されたようだ。他人への憎悪を罰当たりに祈るより、親族の安寧を祈る保身に走ったようで、怨みについてはチラと脳裏を掠めたイメージだけでどうしても具体的に出てこなかった。残念。

罰当たりだが、ひとしきり気が済むまでは私の生きるテーマは憎悪である。
よく、他人を怨むと自分に還るというが、還る前にこちらは提供したものが大きいのだ。
還るどころか怨むことくらいでは済まない状況なんだと死神も解るはずだろう。
暫くは怨み続けないとこなれない。
近寄ると逆怨みもあり得る。

怨むことで自分は死んでも構わない。怨みは気が済むまでは続くことだ。
これは湧く感情だからどうしようもない。紙に『死ね』と山ほど書き続ける人の気持ちがよく解るようになった。相手に思い知らせてやりたいと思うのだ。
自分がそんな感情がこれ程理解できる状況になるとは思わなかった。

とりあえず神に祈っては迷惑なようだ。自分で自分の気が済むまで続けるしかないようだから思考が止められたんだろう。
いつまでも煩わされ鬱陶しいし、なぜ自分の時間が更にそれで割かれるか解らないが、離れない感情はどうしようもない。それほどのこっちのダメージは無視してはいけないことだ。そんなにバカではない。

今年も録な年にならないな。面倒なことだ。




年が明けたのか...

2020-01-01 00:08:16 | 他人に思う事。
年が明けた。だからなんだって思う。
浮かれたやつを思い浮かべ、失望を想うだけだ。

なにも希望はない。
今年も憎悪に満ちた毎日を迎えるのだろう...

人は人にはなにもできない。できるような錯覚を押し付けるだけだ。
思い上がるな。
毎日毎日これまでの苦渋を舐める作業を続ける。
守護神である鈴の音を無視した代償なのだろう。

なぜ私が? なんであんたのために?
一縷の欲を繋いだ私が悪いのか?
私を利用してきた人間たちは
まるで幸せを迎える芝居のような虚構を上塗りしていることが許されている。
何よりがっかりしたのは
あれほど語っていた理想は口ばかりで、
海の藻屑のようにどこかに消え、
とんでもなく低い次元で妥協してしまった現実。
なんだ、口だけ? 嘘つきだったんだ。いい大人がねー。
そこでいいんだ(笑) あなた、それだけの人?
そんなことで私を煩わせていたんだ? へーえ。

なぜ私が今、この苦渋を必要とされるのだ?
低い次元の妥協など私には全く関係ないのに。

とても苦しい。
それを見ぬふりして幸せなつもりになっている人間。
自分の幸せがそんなに大事なんだ。
ふうん。
おもしろいものだ。

迂闊な行動だと思い知らせてやりたい。
自分ではなにもできないはずなのに。
それすら見えないふりができるのなら
きっと這い上がることは叶わない。
本物の奈落が待っているだけだろうな。

二度と姿を現すな。
どんどん不幸になればいい。