いつもいつも、場内の市場では、必ず行列をなしているお店があったそうです。
お店のそばの通路まで、行列が伸びていることも多く見られました。
さてそれが、どういう加減でありましょうか、前に一人のお客も並ぶことがなく、
その出来事の珍しさに誘われたかのように、店内に吸い込まれていきました。
お店の中は、異国からのお客様が多く、英語の飛び交う中で、お寿司をいただくことも、
なかなか経験できないことだと、感じられました。
お寿司がたいそうおいしいことはいうまでもないことですが、
加えてお店の方が、お店を舞台にして、
歯切れの良さや手際の良さを披露する舞台のようであると感じました。
上京のたびに築地を訪れる精進を、
神仏が憐れと思い、行列を短くしてくれたのかもしれない、
と人々は語り合いました。
また行きたいなあ。