アメリカ民主党が先の中間選挙で大敗した。が、その予兆は既にあった。
2009年2月16日にオバマ大統領が署名して「アメリカ回復・再投資法」(American Recovery and Reinvestment Act of 2009、ARRA)が成立した。
このARRAにより送配電網再構築、スマートグリッド、再生可能エネルギー開発、電気自動車普及促進などへの一連の大規模な投資へと繋がっている。ただし、このARRA法案は、議会通過前後から様々な批判が沸き起こっていた。
これは様々な抗議活動を生み、ARRAなど景気刺激策に伴う国家債務の増加に対して全米に広まり始めた。この抗議活動は、「ティーパーティー」(Tea Party movement)と呼ばれ反オバマ色を強める大きなうねりとなっていた。
2010年2月6日にティーパーティーの大規模な全米集会がテネシー州ナッシュビルで開かれ、ペイリン前共和党副大統領候補(前アラスカ州知事)が基調演説を行い「大きな政府の下で(国民生活を)不安定にさせ(国家財政の)負債が増える」と批判している。米国議会予算局によれば2010年会計年度は、当初1兆3490億ドルと推定していたが、それを超え過去最悪の1兆6000億ドル(144兆円)に達するとしている。
この財政赤字の拡大と民主党の中間選挙敗退、つまりは共和党の反撃と保守派やリバータリアンの発言力と存在感が増す中、オバマ政権の政策の継続性が危ぶまれている。特に医療改革は反対のベクトルが強く働く事になるだろう。
また重要インフラである次世代電力網スマートグリッドの整備とも関連するが、電気自動車の普及に欠かせない充電インフラの整備が財政赤字の影響を最も大きく受けそうだ。
今後の電気自動車の大衆消費者市場の拡大には政府の支援が欠かせないが、公共の充電スタンド建設への政府融資を関係する企業・団体は求めている。しかし、こうした政府主体の財政支援は、政治的に強い反対に直面する可能性が高い。これは当初から認識はされていたが、今回の中間選挙に敗退した事でさらに困難さを増す結果となる。
今後、益々連邦政府の巨大財政赤字に対する懸念は増大する環境下で、GMとクライスラーを政府が救済したことに根強く反感を持つ議員もおり、電気自動車への補助金投入については財政的な側面の議論も含め様々な論争を巻き起こすだろう。今後の米国政府の政策継続性については、慎重に観察する必要がある。
2009年2月16日にオバマ大統領が署名して「アメリカ回復・再投資法」(American Recovery and Reinvestment Act of 2009、ARRA)が成立した。
このARRAにより送配電網再構築、スマートグリッド、再生可能エネルギー開発、電気自動車普及促進などへの一連の大規模な投資へと繋がっている。ただし、このARRA法案は、議会通過前後から様々な批判が沸き起こっていた。
これは様々な抗議活動を生み、ARRAなど景気刺激策に伴う国家債務の増加に対して全米に広まり始めた。この抗議活動は、「ティーパーティー」(Tea Party movement)と呼ばれ反オバマ色を強める大きなうねりとなっていた。
2010年2月6日にティーパーティーの大規模な全米集会がテネシー州ナッシュビルで開かれ、ペイリン前共和党副大統領候補(前アラスカ州知事)が基調演説を行い「大きな政府の下で(国民生活を)不安定にさせ(国家財政の)負債が増える」と批判している。米国議会予算局によれば2010年会計年度は、当初1兆3490億ドルと推定していたが、それを超え過去最悪の1兆6000億ドル(144兆円)に達するとしている。
この財政赤字の拡大と民主党の中間選挙敗退、つまりは共和党の反撃と保守派やリバータリアンの発言力と存在感が増す中、オバマ政権の政策の継続性が危ぶまれている。特に医療改革は反対のベクトルが強く働く事になるだろう。
また重要インフラである次世代電力網スマートグリッドの整備とも関連するが、電気自動車の普及に欠かせない充電インフラの整備が財政赤字の影響を最も大きく受けそうだ。
今後の電気自動車の大衆消費者市場の拡大には政府の支援が欠かせないが、公共の充電スタンド建設への政府融資を関係する企業・団体は求めている。しかし、こうした政府主体の財政支援は、政治的に強い反対に直面する可能性が高い。これは当初から認識はされていたが、今回の中間選挙に敗退した事でさらに困難さを増す結果となる。
今後、益々連邦政府の巨大財政赤字に対する懸念は増大する環境下で、GMとクライスラーを政府が救済したことに根強く反感を持つ議員もおり、電気自動車への補助金投入については財政的な側面の議論も含め様々な論争を巻き起こすだろう。今後の米国政府の政策継続性については、慎重に観察する必要がある。