阿部ブログ

日々思うこと

熊野沖の泥火山は 「リチウム鉱山」?

2010年11月14日 | 日記
熊野沖には「泥火山」と呼ばれる海底火山がある。「泥火山」は大陸プレートが集束するエリアに存在する。日本では熊野沖の他、種子島沖や宮崎沖などで確認されている。
ちなみに世界最大の泥火山はイベリア沖のリオ・ティントと言う海底火山で、有名な鉱山会社と同じ名称。この泥火山には約1億トンの熱水鉱床があると推定されている。

熊野沖の泥火山は山頂部が平らな平頂火山で、海洋研究開発機構の調査によるとこの泥火山にはメタンハイドレートが存在する事が判明している。また、特筆すべきは泥火山はリチウム鉱山でもある事が確かめられた事である。
リチウムは典型的な偏在性が顕著な資源で、その大部分はチリのアタカマ塩湖の冠水から得ている。だが、そのアタカマ塩湖のリチウムより泥火山のリチウムの方が濃度の方が濃い。それも極めて濃い。泥火山からリチウムの原液が噴出している感じだ。



種子島や宮崎沖の泥火山群も多分、海底リチウム鉱山である可能性が非常に高い。

海洋研究開発機構が所有している地球深度探査船「ちきゅう」の活躍により、沖縄・伊平屋北フィールドでは「黒鉱」が採取されている。
(※ちなみに海洋研究開発機構は、日本有数のスーパーコンピュータ「地球シミュレーター」も所有し、運用管理している)

この地域には大量の「黒鉱」が存在する。
「黒鉱」には我が国産業界が必要とする希少元素が多様に含まれている。最近注目を集めているレアアースも含む。特に重希土類に富み精製途上でのトリウムなど放射性物質の随伴物質も少なく、弱酸でのリーチングで回収できる優れた資源である。

日本は「ジパング」。まさに資源大国だ。