阿部ブログ

日々思うこと

サイバー戦争~

2010年11月17日 | 日記
防衛省は来年「サイバー空間防衛隊」なる組織を立ち上げるようだ。どの程度の予算が配分され、どのような人材がアサインされるのか。警察も同様の組織を持っているだろうが、防衛省にしても警察にしても、この手の見えないサイバー空間における戦争を戦い抜ける人材を統率するような組織でもなく、またそのような指揮官もいないだろう。硬直した官僚組織では無理でしょう。
このサイバー戦争では陸軍中野学校のような組織・思考・マインドセットでなくては。

お隣中国は、ハッカー集団を取り込みサイバー戦争の部隊を編成していると言われる。このようなハッカー集団は250~300が存在すると言われ、まさに人海戦術での大規模攻撃が可能だ。米軍のサイバー司令部が立ち上がったのは今年の5月で初代司令官は暗号解読機関であるNSA長官を兼務するキース・アレキサンダー大将。大将は部隊創立式で、サイバー空間における米軍への攻撃は毎時25万回あると発言している。これは誇張ではないだろう。NSA長官の発言でもあるから。

中国のサイバー攻撃が本格化したのは2007年秋と言われる。中国のサイバー攻撃部隊は、国防総省のシステムに7万回侵入し、イラクやアフガニスタンなどを含むネットワークに接続された6000台の侵入を試みたと言われる。当面の中国サイバー部隊の目標は、ハワイの太平洋総軍司令部の孤立化を狙っていると?と言われる事が多いが、多分違うだろう。

米軍の情報通信&警戒管制のコアは人工衛星であり、この物理的破壊とサイバー攻撃による無力化が最大の目標だろう。かのF22ラプターにしも人工衛星との連携が無くては、その攻撃&防御力は半減するし、多分中国はイスラエルが2007年のシリア核施設攻撃をした際のサイバー攻撃の教訓を深く学んでいると思われ、推測だがイスラエルから中国にこの手の戦術情報は流れているだろう。
イスラエルがシリアの核施設を攻撃した際、シリアの防空レーダーにはイスラエル空軍機の機影は全く映っていなかった。シリアの防空システムにイスラエルの「ユニット8200部隊」と呼ばれるサイバー部隊が進入し無力化されていたのだ。

人工衛星に過度に依存する米軍を物理的に撃破するのは難しいが、間接的アプローチにより無力化する事は、甚だ現実的な対応だ。しかも海南島の南端にある三亜市には中国海軍の原子力潜水艦の地下基地があり、この部隊には衛星破壊ミサイルを搭載した潜水艦が配備されていると言う。