その下を掃き雪吊りの仕上がりぬ 片山由美子
会津盆地を取り巻く山に三回雪が降ると、平地も白一色に包まれます。すでに北の飯豊連峰は白い壁で、磐梯山もうっすらと雪化粧をしています。秋になってから蜘蛛の巣が目につきましたので、大雪のなるような気がしてなりません。会津天王寺では、私が先頭に立って去る7日8日と雪吊りをしました。例年立冬の日に行っているもので、雪で枝が折れないように綱で保持する作業です。会津では御薬園の雪吊りが有名ですが、雪国の風物詩ともなっています。平成28年度に「会津三十三観音めぐり」が日本遺産に指定されたことで、冬でも二十八番札所である私どもの高田観音をお参りする方が増えており、会津天王寺の雪吊りや雪景色が写真撮影のスポットになっています。
この句は雪吊りが終わった後に、仕上げの掃除をするという句です。何事もするにも、後始末が大切で、手を抜くことはできません。「仕上がりぬ」という句に、私は心を動かされました。
雪吊りが終わった境内では、カラスウリの実が目立つようになりました。鳥が種を運んできて自生したものですが、焼酎につけておくと、火傷に効くともいわれています。縁起がよき実としても知られています。種の中心部が盛り上がったようになっており、そこから三方向に突き出した突起があることから、大黒様や打ち出の小槌のようで縁起がよいというので、財布に入れておくと金運が上がるともいわれています。
会津もいよいよ冬本番を迎えますが、時節柄くれぐれもご自愛ください。
合掌
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