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山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

スズメが減ったのはなぜ?『身近な鳥の生活図鑑』

2016-03-30 | 山・ネイチャー・冒険・探検の本

 『身近な鳥の生活図鑑』三上 修(ちくま新書)

タイトルどおり、身近にいる鳥たちをとり上げている。具体的にはスズメ、ハト、カラス、ツバメ、ハクセキレイ、コゲラ。実際にこうした鳥は街中でよく見かけますよね(コゲラはそうでもないか)。著者は都市の鳥類研究家だから、まさに本職。観察結果、研究結果を私たちに教えてくれています。

まず意外だったのは、スズメの巣の考察。スズメの巣は主に屋根瓦の隙間につくられることが多いという。ところが、最近の住宅は、瓦というものを使わない。そればかりか、そもそも隙間というものがない。隙間がなければ、巣をつくることはできない。だから新興住宅街にスズメは住めないということだ。朝チュンチュン声がしている場所は、大概古くからの住宅街で、新興住宅街の朝は、しんと静まり返っている。スズメの住める街のほうが断然よさそうだけれど、果たして巣がつくれるような環境(隙間)を、私たちは提供できるものなのか、難しい問題だ。

お次は、ツバメ。スズメの巣は見つけにくいところにあるが、逆にツバメの巣は目立つところにある。故意に人間の活動圏の中に巣をつくり、外敵から身を守っているのだ。しかしせっかく外敵から身を守りやすくしているのに、雛や卵を巣から落とす行為もなされるという。それは独身のツバメの仕業。そうしておいて、巣に戻ってきたメスとつがい、自らの子孫を残そうという魂胆なのだ。

コゲラは、キツツキの仲間だ。樹皮下に住む虫を主食としているので、よく幹をコンコン突ついている。そんなコゲラの巣は、柔らかい木や枯れた木に穴をうがってつくられる。かわいそうなことに、せっかくつくった巣を、ほかの鳥に奪われることがままあるらしい。

以上巣をテーマに3つばかり本から紹介しました。ほかにレースバト・通信バトの興味深い逸話や、キジバト・ドバトの共通点や相違点、ハシブトガラスとハシボソガラスの生態など、毎日のように見かける鳥たちの話題で盛り上がる。彼らの知識をちょっとでももてば、姿を見かけたとたん愛着が生まれるのかもね。

身近な鳥の生活図鑑 (ちくま新書)
クリエーター情報なし
筑摩書房

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