『ヒロシのソロキャンプ~自分で見つけるキャンプの流儀~』ヒロシ(Gakken)
いわゆるタレント本なのかと思って、たいしたことないんじゃないか、でももしかしたら本格的なのか、どちらなんだろうと半信半疑で手にとった本であるけれども、率直にいえば、ほとんど期待していなかった。
しかし、、、ヒロシ様、驚きました。本格的な内容でした。ソロキャンプにはまり、自分のスタイルを追求していくその姿は美しい!(笑)道具は自分なりの好みで揃えて、それを使う。また道具の使い方もトライ&エラーで自分なりのやり方をみつけていく。そのためには海外からも情報を得ていて脱帽だ。
オイルランタンへのこだわりは、すごい。その道具の風合いとオレンジの灯りにほだされる。飛行機だと、オイルは持ち込めないので、仕方なく、ろうそくランタンになると書かれていたが、ろうそくは味気なく嫌いだと。ちなみに私は、電池ランタンだが、、、
また飛行機を使わない場合は、愛車ジムニーでキャンプに行くというが、これがまた凝っていてハマっている。30年前の見かけはジープっぽい黒いジムニーで、タイヤも履き替えていてカッコいい。
ヒロシが何より衝撃的かつ最上のこだわりを示しているのは、火熾しキットだ。私はライターで火をつけているが、それではキャンプではないとヒロシはいう。マイ火打ち石や、ファイヤースターター(ナイフでこすると火花を散らすマグネシウムの棒)を使うのがヒロシ流なのだ。着火から火を安定させるために使用するチャ―クロス(炭化させた布)はなんと自家製だ(チャ―クロスをつくるのにライターを使っているような気がするが)。油脂が豊富な白樺の樹皮も集めてくる。ヒロシは縄文人も真っ青の火熾しスペシャリストなのだ。
ハンモックにも一家言あって、ターフとセットで使うのが極上ということらしい。ベッドであり、椅子にもなるとして、ハンモックに腰かけて調理をしたり、食事もする。
巻末では、YouTubeのヒロシチャンネルの裏話も出てくる。じつはキャンプ場の駐車場近くなのに、車を一切映さずに山中であると思わせたり、わざとカメラに木の枝をぶつけてヤブ漕ぎして山奥深くに分け入っていくと見せかけたりと、撮影時の演出を自ら披露している。
この本は意外なヒロシの一面を見られて面白いし、ソロキャンプ、あるいはソロでなくとも普通にキャンプに興味があれば、楽しめる1冊だ。自らのキャンプスタイルに取り入れられるし、参考にもなる。一読の価値あり!