ホテル・エベレスト・ビュー(binks182によるPixabayからの画像)
宮原巍(たかし)さんが亡くなっていた。まったく知らなかったのだが、たまたま日本山岳会の会報「山」2020年1月号を見ていたら、平山善吉氏が追悼文を寄せていた。検索して調べてみると朝日新聞の訃報記事が出てきた。それによれば、2019年11月24日ネパールのカトマンズ近郊の病院で逝去。享年85。
宮原さんといえば、このブログでもとり上げたホテル・エベレスト・ビューを建てた人物として有名だった。その後、ネパールをこよなく愛しネパールをもっとよくしたいという使命に燃え、こともあろうに日本国籍を捨てネパールに帰化した。それは政党をつくり国会議員を目指したからでもある。残念ながら当選はかなわなかったが。
いっぽうでは元々アルピニスト志向の方だけにエベレストへの思いが捨てきれず、還暦記念にエベレスト登頂をも試みている。その辺りの事情は著書『還暦のエベレスト』に詳しく書かれている。とてもアクティブな方なのだ。そしていまは宮原さんにとってネパールで3番目となるホテルを建設中であった。北にアンナプルナ連峰、南にポカラの街を望む景勝の地にだ。その完成を見ることなく、逝ってしまった。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
宮原さんのプロフィール(前述の「山」に掲載)
1934年 長野県小県郡青木村生まれ。
1954年 日本大学理工学部工業化学科に入学、機械工学科にも学ぶ。
在学中は山岳部に所属
1958年 第4次南極地域観測隊に参加
1962年 初めてネパールへ。ムクト・ヒマールのホングデ初登頂。
1965年 グリーンランド遠征。
1966年 ネパール政府通商産業省家内工業局に就職。
1971年 シャンボチェの丘にホテル・エベレスト・ビューを建設。
1987年 ヒマラヤ・カトマンズにホテルを建設
2019年11月 カトマンズで逝去。享年85