目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

スイッチインタビューにサバイバル登山家、服部文祥氏登場。

2018-10-07 | テレビ・映画

 『サバイバル登山家』みすず書房

NHK Eテレの「SWITCHインタビュー達人達」9/16放送分を録画して、ようやくこの連休に見た。サバイバル登山家の服部文祥氏と俳優の井浦新氏の回だ。

冒頭で、なんと井浦氏側からの申し出でこの番組が実現したと紹介していた。彼がサバイバル登山家に関心があるというのは意外だけれども、番組内で若松考二監督の影響について語っていて、なるほどと思った。この監督の破天荒さ、好奇心旺盛にして猪突猛進の行動力にほれ、自らそれを実践することになったのだろう。

井浦氏は何度も若松監督の作品に出て、その謦咳に触れているのだが、監督のある発言を披露していた。「台本は週刊誌と思え!」(うそっぱちだ)。台本はいったん食って、すべて出す。そして「うそを本当にしていく」のだと。脚本家が聞いたら、卒倒しそうだ。その教えを忠実に守り、自分流の演技スタイルに昇華していった井浦氏はすごい。『止められるか、俺たちを』という若松監督を主人公にした井浦氏主演映画が10/13に封切られる。ちょっと観てみたくなった。

さて、服部文祥氏に話題を移そう。番組では、著書『サバイバル登山家』に出てくる一節をとり上げ、彼の登山家としてのスタイルや思想をまず紹介していた。20代でK2に登って、登山家としての王道(ヒマラヤの高峰に登るという)を踏み出したけれども、K2は隊長の企画に乗っただけだったとし、のちに山への向き合い方への疑問がもたげてきたという。

そして本来もともとあった登山の姿を思い浮かべるようになった。すなわちサバイバル登山だ。極力荷物を少なくし、身軽に山中を移動する。食糧をはじめ山中で調達できるものは、山中で調達する。移動はもちろん整備された登山道ではなく、バリエーションルートだ。

そんなサバイバル登山の延長線上に、自給自足があった。この番組を見るまではまったく知らなかったが、服部氏は自宅で家庭菜園を始めていた。ニワトリを飼い、ブルーベリーやトマトといった野菜を育てている。さらには自作のウッドデッキまである。山で始めたサバイバルを、実生活でもということらしい。奥さんの小雪さんがスーパーで肉を買ってくると怒るというからその徹底ぶりは半端ではない。怒るからには、そう、服部氏は自ら肉を調達してくるのだ。料理もてがけ、自らつくった猪熊カレー(イノシシとクマの肉のカレー)や、ヌートリア(大ネズミ)の肉の唐揚げなどを井浦氏にふるまっていた。

最後のほうで、井浦氏は文明の利器を避けて不便ともいえるこんな生活をなぜ始めたのかとサバイバル登山家に問うと、まるで用意周到に準備していたかのように、彼はこう答えた。

●おもしろくないから
●自分でやりたいから
●思考停止になるから

もっともらしい理由を考えて、他人になんでも理解してもらおうというのは、インテリの性(さが)であって、シンプルに「そうするのが好きだから」といわないのは、やはり服部文祥の服部文祥たるゆえんなのかもしれない。 

 

参考:当ブログサバイバル~服部文祥の世界

サバイバル登山家
クリエーター情報なし
みすず書房

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