甘利山 標高 1731m 千頭星山 2139m 山梨県
2002年5月26日(日) 晴れ一時雨 |
メンバー 山の神と私
コースタイム 9:50広河原登山口駐車場(グリーンロッジ横)10:05--10:25甘利山山頂10:45--11:20奥甘利山近辺のピーク11:35--12:15笹原の尾根(昼食)13:10--13:20千頭星山山頂13:30--14:30甘利山--14:55グリーンロッジ
このエントリーを書くにあたって『山梨百名山』をめくっていたら、「甘利山」のところに興味深い記事を見つけた。昭和50年代に山本周五郎がここ甘利山を舞台にした恋愛時代小説『山彦乙女』を発表しているのだ。彼は執筆に際して現地取材を敢行し、甘利山を訪れたという。山の神と私がこの山に登った2002年に、この事実を知っていれば、『山彦乙女』を事前に読んで、この山への期待感が嫌がうえにも増したのだろうけど、知らなかったねえ。損なことに知らないと、それっきりで終わってしまうだよね。
前置きはさておき、山行記録に移ろう。登山口である広河原の駐車場には、9:50に到着した。ここまで上がってくる道は舗装されてはいるものの、かなりのうねうね道で道幅が狭いところもある。通行には十分な注意が必要だ。グリーンロッジ横の駐車場にたどり着くと、ほぼ先着様たちで満杯だった。でも、すぐ近くに第2駐車場が併設されていた。レンゲツツジの最盛期に、もたもたしてこんな時間に着いていようものなら、間違いなく停められないんだろうな。
トイレに寄って出発。ロッジの脇をすり抜けて登りはじめる。このグリーンロッジは昨年2010年にリニューアルして大きな施設へと変貌を遂げている。この頃はまだこぢんまりとしたかわいらしい建物だった。甘利山はロッジからすぐだ。20分ほどで到着する。下のほうでは、ちらほらとレンゲツツジが花を付けていたが、山頂では花はまったく咲いていない。咲いていないどころか新芽がようやく出てきたといったところだ。
甘利山山頂では早くもお弁当を広げているハイカーがいた。ツツジはまだだが、展望は良好。富士山が目の前にで~んと胡坐をかいている。
10:45山頂から出発。急な上りを極めて、ちょっとした踊り場のようなところ(奥甘利山を越えたピーク)で休憩とする。11:35腰を上げ、またまた急な上り。青木鉱泉への分岐を越えると、気持ちのいい笹原が続くようになる。そろそろ腹も減ったので、先着様もいることだしと、笹原の一角でコンビニ調達のお昼ごはんとなる。
山の神の本日のランチはパン
鳳凰三山をめでながら昼ごはんを食べていると、怪しげなどんよりとした雲が空に広がり始めた。嫌な予感だ。天気もってほしいなといいながら、すばやく片付けて、千頭星山へと急いだ。意外にもご飯を食べていた場所からは目と鼻の先の距離で、目指す山梨百名山の標柱はあった。林の中の山頂にいたのは1パーティだけで、甘利山山頂の人出にくらべれば、寂しいかぎりだった。しかもどんより雲はいつのまにかもう空を覆い尽くしていて、今にも雨が降りそうな気配だ。
降ってこないうちに早く下山しようと、13:30ザックを背負って、元来た道を急ぎ足でたどり始める。
上りのときは、すがすがしい新緑の道も太陽の光がさえぎられると、陰気な道に早変わりだ(左の写真は往路)。途中で年配の方々のパーティに追いつくと、ついに空からパラパラと雨粒が落ちてきた。
小雨程度なら、やり過ごそうと思っていたのだが、夕立のような雨となる。山の神ともども、全速力でゴアテックスの雨具を引っ張り出して着る。それなりに気温があるこの時期、ゴアテックスといえども、歩いていれば汗をかくし、汗をかけば蒸すし、暑いんだな、これが。
結局それから甘利山山頂に戻る頃まで、雨具のお世話になる。強い雨脚はすぐに終了したものの、やみそうでやまずの状態が続いた。そろそろ脱ごうかと思っていると、またパラパラと雨粒が落ちてくる。その繰り返しだ。天からのいじめに辟易しながらロッジへ下る。
山の神にお茶していこうかと提案し、ロッジ内に14:55入る。熱いコーヒー¥400をいただき、やっとひと心地ついた。
帰途は旧双葉町立(現在は甲斐市)温泉「百楽泉」に立ち寄る。一応温泉だが、かぎりなく銭湯に近い施設だ。客は多かったのだが、広いのでそれほど気にならない。汗を流すには申し分ない温泉だった。入浴料¥600