目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

ジョン・ミューア・トレイルにグッと来る『野生のベリージャム』

2018-07-07 | 山・ネイチャー・冒険・探検の本

  『野生のベリージャム』小島聖(青幻舎)

刊行直後に見つけ、おもしろそうな山の本だと最初は思った。しかしネットで検索していたら、明らかに女性向けと思しき刊行イベントの告知を見てしまい、なあんだと思った。山ガール向けなのか。自分が読むべき本ではないと考えを改めた。

そのまましばらくの間、本のことを忘れていたのだが、たまたま毎日新聞や読売新聞に掲載されたこの本の書評を目にすることになった。思わぬ再会だ。また関心がむくむくと頭をもたげ、手にとることになった。

実際読み始めてみたら、山ガール向けととれなくもないが、山好きの人のための軽いエッセイといった感じだった。さらさらと読めて、読後感も気持ちいい。しかも行っている山域が私の趣味に合うところが多く、そそる。

マッターホルンとモンブランは、下から眺めるだけで十分だけれども、ネパールやジョン・ミューア・トレイル(米カリフォルニア州)、アラスカは、いずれ行ってみたいところではある。とくにジョン・ミューア・トレイルは記述内容も充実していて、個人的にはかなり盛り上がって読んでいた。ハッピー・アイルズ・ネイチャーセンターをスタートし、20日目にこのトレイルの最高地点、4418mのホイットニー山に登頂、そのままポータルに出てこのトレッキングを終えている。総延長340Kmもある超ロング・トレイル。

その踏破記録を、小島聖流にサクサクと簡潔に書いている。人との出会い、ヨセミテの美しい風景、クマの恐怖、お天気のこと、読んでいてドキドキしてしまう水浴の話など。毎日の行動時間と移動距離も出ているので、これから計画する人には参考になるだろう。そしてその日の「食べたもの」というコーナーもあって、なんとなくほほえましい。どんなに美しい風景を連日見ていても、やはり毎日の生活は単調になっていく。するとやはり大きな関心事となるのが食事だ。

13日目の「食べたもの」を抜粋してみよう。

朝 ヘーゼルナッツコーヒー、ポタージュごはん(インスタントのコーンポタージュにクスクス、乾燥たまねぎ、乾燥トウモロコシを入れて)。昼 エナジー・バー、ドライアンズ(ミューア・トレイル・ランチで持っていっていいものの中からもらったもの)
夜 スープご飯(キヌアに乾燥大根葉と高菜のふりかけ、ドライベーコンを加えオリーブオイルで炒め、水を加えて炊く。最後にフライドオニオンをトッピング。燃料節約のためにキヌアの茹で時間を短縮した。アルデンテな食感が意外とおいしかった。スープごはんは温まる)。デザートはいつものハーブティーと、イチジククッキーの上に、カスタードをトッピング。 

記録をみると、毎日おいしそうなものを食べている。充実の食生活だ。ちょっとした料理のレシピも出てくるので、山ごはんの参考になる。一家に一冊どうぞ!  

野生のベリージャム
小島 聖
青幻舎

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