目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

阿蘇プロローグ

2016-03-19 | 山行~九州・沖縄


乗馬をする人たちが点々と見える阿蘇草千里

そろそろゴールデンウィークのきちんとした計画を立てようかと思っていて、ふと、そういえば、いつぞやのゴールデンウィークに行った阿蘇の山行記録をまだアップしていなかったことに気づいた。探してみると、2008年。もう8年(!)も経つのかと思うと感慨深い。

九州の山を登りはじめたのは、おそらくこの年からだったはずだ。その後、訪れた九重や霧島連山の一部、開聞岳などは、すでにこのブログに書いている。九州がいいのは、交通の便がまずまずよくて、比較的歩きやすいコースで、景色もバリエーションに富んでいることだろうか。それに加えて安く泊まれる温泉宿があるのも魅力的だ。九州には、なぜかいい印象しか残っていない。

次にまた九州を訪れるとしたら、温泉とセットで霧島連山あたりだろうか。あるいは山の神の反対にあい、登り損ねた由布岳とか。余談はさておき、阿蘇の山行記録を次回よりスタートします。

Part1中岳・高岳へつづく
Part2杵島岳へとぶ
Part3烏帽子岳へとぶ

番外編パワースポット押戸石の丘へとぶ

 

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岩合さんの『野生動物カメラマン』

2016-03-13 | 山・ネイチャー・冒険・探検の本

 『野生動物カメラマン』 岩合光昭(集英社新書)

岩合さんの撮影裏話が満載の本。驚きの連続です。いくつか紹介しましょう。

冒頭に出てくるのは、アフリカ・タンザニアのセレンゲティ国立公園での話。まず驚かされたのは、滞在期間の圧倒的な長さ。1982年8月から84年3月までの1年半もセレンゲティで過ごしている。岩合さんは、少なくとも1シーズン以上、同じ場所に腰を落ち着けて定点観測しなければ、本当に見たことにはならないと断言している。そこまでするには、かなりの覚悟と忍耐力と資金がなければできないだろうけど。その執念には脱帽する。

さらに驚かされたのは、何度もエピソードとして出てくる、被写体の動物に心で話しかけるという、まるでテレパシー使いのような話。相手が哺乳動物であれば、なんとなく相手の気持ちを読み取れるともいう。 心で念じていると、岩合さんの思い通りに動物がそのしぐさをするというから不思議だ。

チータの撮影では、雨が降りはじめガイドが帰ろうと言い出しても、断固帰らない。並のカメラマンであれば、撮影を切り上げるのが当たり前だが、岩合さんは違った。野生のチーターが雨をどうしのぐのか見届けるのだと粘って、史上初(?)の雨中のチーター親子の写真を発表することになる。ただ帰り道がたいへんだったようだ。地面は洪水のように水が流れ、ぬかるみの中を進むことになる。

ホッキョクグマの撮影エピソードもすごい。立ち上がると3メートルはあるというホッキョクグマが、岩合さんの乗っていたツンドラバギー(雪上車)の窓枠に前足をかけ、乗り込もうとしたという。とにかくデカいから肝を冷やしたと書いているが、ホッキョクグマは、明らかに人間を食べ物と見ているのだから恐い。その割には、岩合さん、肝が据わっているのか、ピンクのお花畑のなかで気持ちよく横たわるホッキョクグマや、真正面から、しかも至近距離で親子のホッキョクグマを撮影している。傑作を撮るのは命がけなのだ。

警戒心の強い野生のパンダはこうだ。パンダは岩穴から岩穴へと移動するという習性があって、それを利用して見つけた岩穴をスタッフで手分けして見張っているのだが、見つけたという連絡で、大人数がそこへ押しかけると、恐怖を感じたパンダは死に物狂いで逃げてしまう。ならば、なるべく人数を減らそうとなり、2人で追いかけたときに成功を収める。目の前80センチのところまでパンダに接近できたのだ。親子パンダのベストショットの完成だ。

ほかに岩合さんといえば思い出す、クジラやペンギンの撮影話も出てきて、かなり楽しめる。それにここに紹介した以外の動物たちも、いきいきとした表現で、自分もその撮影現場に居合わせているような錯覚に陥るほどの臨場感をもって書かれている。写真もふんだんに掲載されているので、イマジネーションは限りなく広がる。動物たちとのふれあいが、躍動感をもって伝わってくるまさに快著です! 

野生動物カメラマン (集英社新書)
岩合 光昭
集英社
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出合いたい小鳥たち『ときめく小鳥図鑑』

2016-03-06 | 山・ネイチャー・冒険・探検の本

 『ときめく小鳥図鑑』 中村 文〔文〕 吉野俊幸〔写真〕 樋口広芳〔監修〕(山と渓谷社)

最近やたらと、野鳥やバードウォッチングの本を渉猟している。なぜかといえば、身近に野鳥がたくさんいることに気づいてしまったから。今までなんで気づかなかったのだろうというくらい野鳥がいる。もしかして私の住んでいるこの一帯は野鳥の宝庫なのだろうか。

それまでは、たまにスズメがいるなとか、ウグイスだと思い込んでいる人が多いメジロがいるなとか、ヒヨドリがいるなとか、限られた知っている鳥には目がいっていたのだが、それ以外はさっぱり名前もわからないし、声もわからずで自ら避けていたのかもしれない。そんなある日、森鴎外の『椋鳥通信』で名前だけは知っていた、ムクドリが周りにたくさんいることに気づいた。あれこれとネットで調べて、その鳥がムクドリだとわかり、興味が一気に広がったのだ。

そしてこの本。実際に出合ってみたいなという、かわいらしい小鳥たちが満載されている。まずカバー写真は愛らしい姿をしているエナガ。おそらく編集担当者と文章を書いている中村さんがかわいいといって選んだに違いない。この小鳥の紹介文の冒頭には、「たとえるなら、ふわふわの毛糸玉」とある。たしかに、まんまるな生き物。えてして丸いものはかわいらしく見えるものだ。

この本がいいのは、とにかく身近にいる小鳥たちがオンパレードなことだ。高尾山で見られるヤマガラも登場している。誰かが餌付けしたことで、登山者に寄ってくることで有名になったあの鳥だ。黒のネクタイがトレードマークのシジュウカラや、鍋かむりのニックネームのあるコガラなどシジュウカラ科の野鳥はなぜか親近感を覚える。山でたまにみかける小さなミソサザイ、木曽駒でひたすら鳴いて、飛び回っていたイワヒバリも出ている。イワヒバリの写真を見ると、草原地帯でピーチク、パーチクやっているヒバリと、あまりに姿・形が違うので驚かされる。同じスズメ目に分類されているのに、これほど異なるとは。頭でっかちのモズにも注目したい。しかしこの本によると、頭でっかちなのはオスだけだと書かれていて、メスは頭でっかちではない。すっきりとした姿のメスの写真も掲載されている。モズに限らず、オスとメスで種類が違うんじゃないかというくらい、見かけが異なるものが結構いるようだ。

カラフルな小鳥たちには、ぜひ出合ってみたい。ルリビタキ、カワラヒワ、ベニマシコ、オオルリなど。セキレイといえば、尾羽を上下にピクピクさせる白と黒のハクセキレイが身近だけれども、胸から腹にかけて黄色いキセキレイという鳥もいる。

見て楽しい本、でもやはり自然の中で実物を見てみたいものだ。

ときめく小鳥図鑑 (Book for Discovery)
クリエーター情報なし
山と渓谷社
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幕山としとどの窟(いわや)

2016-03-05 | 山行~伊豆・箱根と富士山周辺

標高 620m 神奈川県

2016年2月21日(日) 晴れ 

メンバー 山の神と私

コースタイム 8:17幕山公園第4駐車場8:29--管理棟8:46--9:47しとどの窟9:57--10:26林道出合い(観音様)--大石ヶ平--自鑑水分岐--11:27幕山山頂--12:12幕山公園(湯河原梅林)昼食12:58--13:20駐車場

いつものように予定より10分遅れで5:40家を出発した。圏央道の厚木PAであらかじめ買っておいたパンで朝食をとる。厚木の空は曇っていて、空気が冷んやりとしている。そのうち晴れてくるよと、山の神がスマホで天気を確認しながらいう。小田原厚木道路から海岸線へ出て、コンビニで買出し。真鶴を過ぎて右折し、予定よりも早く幕山公園の駐車場に到着した。公園最寄の駐車場は、9:00からの開放で、登山者は第4駐車場に停めてくださいと立て看板が出ていた。到着時に誘導係は誰もいなかったが、帰りに駐車料金500円をしっかりととられた。

登山者がちょうど到着する時間帯なのか、われわれの後にもひっきりなしに車がやってきて、スペースがどんどん埋まっていく。車から降りてくる人は、みな山装備だ。

 
左:幕山公園第4駐車場 右:幕山公園の白梅

8:29駐車場を後にした。厚木で心配したお天気はまったく問題なしで、スカッと晴れている。少し車道を歩いて、幕山公園の中に入っていく。やがて管理棟まで来ると、登山者がたまっていた。ここが最終トイレだ。みなザックを置いて、地図を見たり、お茶を飲んだりしている。

 
左:林道を歩き、観音様が鎮座しているここから登山道へ入る 右:しとどの窟までは薄暗い道

管理棟の横を抜けていくと、林道歩きになる。右手に梅を見ながら進み、左折ポイントを探しながら歩いていく。そのうち左折できる道が出てきて、山の神と地図を眺めていると、気のよさそうなおじいさんが声をかけてきた。しとどの窟(いわや)へ行くのなら、もっと先で曲がるんだよ。

礼をいって、坂を上がっていくと、たしかに道標があって、「しとどの窟」と書かれていた。無事道を見つけ、この時期、花粉症もちにはデンジャラスな杉に囲まれた林道をしばらくいくと、再び道標が出てきて登山道に入る。いよいよ急登の始まりだ。日影で薄暗い道ながら、そのうち汗ばんできて、山の神がレイヤー調整する。

 
左:岩に沿ってつけられた道を行く 右:岩の下には、石仏群が

沢を何度か渡渉して高度を上げていくと、突然岩場に出て、石仏群が出てくる。


しとどの窟

まもなくしとどの窟(いわや)に到着した(9:47)。霊気漂う、怪しげな雰囲気の場所だ。窟の上からは、雨のように水が滴っている。お参りをして、下のベンチでお茶を飲みながら休憩をとった。ふと傍らにあった案内板の写真を見て、何か違和感を感じた。石灯篭の間に祭壇(?)なんてあったか? もう一度窟に戻ると、たしかにあった。そのとき向かって右手の毘沙門天に目がいった。前方に控えし石仏が台座だけ残して一体なくなっているではないか。だれかが背負っていってしまったのか?

 
左:大石ヶ平。幕山は右手に折れていく 右:丈のある笹の中を進む

9:57しとどの窟を後にし、元来た道をサクサクと下った。林道出合いで、地図を見て、大石ヶ平を目指す。舗装路で杉が植わった、まったくもってつまらない道を進んでいく。途中脱兎のごとく、われわれを追い抜いていく年配のジモティがいて、驚かされる。

大石ヶ平から右に折れ、笹地帯に入っていく。かなり丈のある笹で、人が隠れるくらいに生い茂っている。登山道はよく整備されていて、きれいに刈り払われていた。


真鶴半島がよく見える

やがて自鑑水の分岐に出ると、またもや杉の登場だ。ここで休憩を予定していたのだが、花粉に恐れおののく山の神は、早く行こうと私を促した。分岐からは、手ごろな休憩場所がなく、しかも登山者やハイカーがたくさん歩いていたこともあり、結局ノンストップで幕山山頂を目指すことになった。


伊豆大島もすっきりと見えていた

山頂手前では、太平洋が一望でき、突き出した真鶴半島や、右奥にぽっかりと伊豆大島が浮かんで見えていた。

11:27幕山山頂に到着。すごい人出だ。皆お弁当を広げていて、腰を上げる人はまったくいない。むしろ増えていくいっぽうで、ここでごはんは落ち着かないなと思い、いっそのこと、幕山公園まで下りてしまおうと山の神にいうと、しぶしぶといった感じで賛同した。

 
左:幕山山頂はハイカーや登山者でごった返していた 右:幕山公園(湯河原梅林)

そうと決まれば、バリバリ下るだけだ。これから山頂を目指す人がごまんといるなか、こちらは下る、どんどん下る。ようやく梅林までたどりつくと、もう時計は12:00を回っていた。しとどの窟から休憩らしい休憩もとらずにここまで来てしまった。

公園内を移動し、12:12レジャーシートを広げて、ようやく腰を下ろした。上空ではトンビが旋回している。そのうち園内アナウンスが流れた。現在トンビが公園上空におります。ごはんをとられないようにお気をつけください。とんびは揚げしか盗まないと思った(笑)が、そんなことはないようだ。

12:58そろそろ帰るかと腰を上げ、公園を出て駐車場へ向かうと、車列がとんでもなく続いている。駐車場に入れずに待っている車だ。梅の時期はこんなにも人が来るのかと驚かされた。

13:20予定よりもかなり早く駐車場に到着した。渋滞なしでスイスイ帰れるとほくそえんでいたのだが、いとも簡単にその思いは打ち砕かれた。国道135号に入ると、渋滞しまくっていた。かなり先まで車が詰まっているのが見え、精神衛生上よくない。ここでいらついたため、西湘バイパスから小田原厚木道路に乗りそこね、さらに時間をロスしてしまった。思わぬドライブになって、家には16:00過ぎの到着になった。あとから道路地図を引っ張り出して湯河原のあたりを広げてみると、国道135号のところに注が入っていて、「休日午後は渋滞」と書かれていた。この道の渋滞は、いつものことだったのだ。

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