セカンドライフ 

歳を重ねるのも悪くはない

千葉・南房総自慢

2010-03-31 | セカンドライフ
                太平洋に面した海は波が荒く今日も白波が立っていた



                           
                           
房州~よいとこ~南を向―いてよ♪~・・・冬も菜種の花が咲く~♪
なんて民謡が有る。
房州とは千葉県の南半分をボウシュウと呼ぶ。房総半島と地図に書いて有る部分。
北の部分は上総(カズサ)下総(シモウサ)と別れている。

私は南房総市千倉町で生まれ育ったので今の歳になっても千倉(チクラ)町は恋しい。
久し振りに快晴になった昨日は、海の色も青く奇麗な千倉海岸の遠くに船が浮いたりして
何時まで経っても飽きなかった。

故郷が有ると言うのは、自分の一部が其の侭故郷に有り、私が帰る時何時も喜んで迎えてくれる場所。
そしてそこで暮らす人達も皆暖かく迎えてくれる有難い場所だ。

私がいる時間も回覧板を持って来た隣の常ちゃん、同級生の広ちゃん、優等生のやっちゃん等
「や―M子かー暫くだなー。ゆっくりして行けよー」と昔とちっとも変らない。

私は小学校の4年迄分校で学んだ。その仲間達は普段交流は無いが、顔を合わせれば違和感なく
会話が成立してしまう。
今では皆地域の顔役で生まれた所をしっかり守っていてくれる。いい年代になった。

昼休みを使って姉が観光の花畑に連れて行ってくれた。
そこは1月になれば畑が全部花で埋め尽くされる。ニュース等で「房総の街はもう花が咲いています
・・・・」
なんてヘリコプターから青い海と花畑が中継される所でもある。

今回はキンセンカ、ストック、ポピー、ノースボール等が咲き観光客も大型バスで来ていた。
しかし三月も下旬となると半分以上は咲いて居る花も全部抜いてしまい田圃の準備に入る。

約半分位は抜かれ、畑の隅に積んであった。
貧乏性の私は勿体なくて仕方なかったが地元の人達はそんな事には頓着なく、どんどん次の仕事にかかる。

真冬でも氷点下になる事は殆ど無く霜が降れば大騒ぎと言う温暖な地で皆さん明るく賑やかに
生活をしている。
事件なんて物は殆ど無いので、我が家でも鍵などかけたのを見た事が無い。
夜眠る時位は鍵をかければいいと思うのだが必要が無いらしい。

両親が生きていて呉れれば、それだけで私は幸せと思って有難く故郷を訪ねている。
随分長い時間、両親とも話が出来て大きな声で笑って来た。
子供の頃、父の後をついて歩いた3か所有る山の事や、畑の事等を話題にすると「おまえは良く覚えているな~」と
父はとても楽しそうにしていた。

私は「実家の財産を狙ってお喋りしているんじゃないからね」と念を押すと更に大きな声を出して
笑った。
確かに何の資産価値も無い様な、山、畑、田圃は誰も欲しがらないので冗談で終わるが、東京だったら
遺産相続で揉めに揉めそうな広さだ。

畑なども広過ぎて草ぼうぼうになっている場所も有る、と言うので勿体ないなーと残念がる私に
「昔な、父親があの畑で梨を作るために500円で買ったんだよ。当時はうんと高い金額だった」と言いながら懐かしそうに目を細めていた。
もっともっと沢山父と話をしたかったが、兄の作業場で花の出荷の手伝い(マネゴト)をしながら兄姉と3人で
数時間を過ごし、それも又和やかな一時だった。

誰も欲しがらない、山や畑も兄の時代で終わってしまいそうだ。
私の同級生の家でも皆同じ状態だと話していた。誰も跡継ぎが居ないんだもの。淋しいものだ。
呑気に自慢している場合じゃないわね。