はざまの庵

分類し難い存在を愛でる覚え書き by aiwendil お気軽にコメントをどうぞ。

<font size="-3">せんだいメディアテーク「イメージの庭vol.3『Saccadic Suppression』」。</font>

2006-06-08 23:52:32 | アートなど
せんだいメディアテークで開催中の「イメージの庭vol.3『Saccadic Suppression』」でインスタレーション作品をひとつと、上映プログラムをひとつを見て参りました。
元々のお目当ては映像クリエーター集団wow。以前の「イメージの庭vol.2」で『The poetry of suburbs』を見てクラクラして以来ものすごく気になっていたグループです。
今回のイベントでは、このwow関連のインスタレーション作品「Motion Texture」と上映プログラム「R」を見たくて足を運びました。
インスタレーション作品はしっかり見られましたが、時間の関係で目的の上演プログラムは観られず。代わりにタナカカツキ氏とresfestを特集したプログラム「G」を観賞しました。

「Motion Texture」は、天井から床に映写された映像が、鑑賞者が踏み込むことによって水面のようにさざ波立ち変化してゆく、とても美しい作品です。映像の上で遊ぶのはもちろん、椅子も据えられている親切設計ですので、ただひたすら眺めているのも一興。
偶然性と一回性を鍵にした作品だけあって、見ていてまったく飽きません。
ちなみにこの作品、QuartzComposerというアプリケーションで作っているそうなのですが、これ、私が先日飛行機雲を作った時に使用したのと同じソフト。同じアプリケーションでこんなにもスゴいものができるのかと舌を巻きました。脱帽です。
この作品は一階のオープンスペースで無料公開されていますので、興める方はぜひ足を運ばれてみてはいかがでしょう。
なお、この作者さんは在仙のクリエーターで、「未来派図画工作」というサイトも運営してらっしゃいます。
公開されている数々の作品はとんでもなくハイクオリティ。
「20世紀ボヤージ」「少年少女オデッセイ」などのスクリーンセイバー群は圧巻。Macユーザーは必見です。
(未来派図画工作のサイトは→こちら

上映プログラム「G」はresfest2005の受賞作11本と、タナカカツキ氏作品16本。
時間の都合ではじめの4本は見逃してしまいましたが、残りはしっかり観賞。
印象に残ったのは以下の5本。
Wilfrid Brimo『Shakedown "Love Game"』: 潔くあけすけな感じに好感。
Sally Arthur『Perfect』: 前の『Love Game』と同じ展開かと思いきや、突き抜けたどんでん返し。思わずニヤリ。
田中裕一『POLYTICS"I My Me Mine"』: 以前の田中裕一氏のトークイベント時にも見たミュージックビデオ作品。ロボットダンスを踊る人々。ストロングマシーン2号ちゃんの姿が忘れられない。"This person is not menber of POLYTICS."というテロップが大好きです。
タナカカツキ『SUNDAY』: 両手両足をばたつかせて飛翔する人影たち。異様な光景。しかし、私も腕で空気を掻いて飛ぶ夢をよく見るので、よ~く考えれば客観的にはこんな光景なのかも・・・と妙に身につまされました。
タナカカツキ『小さなおっさん』: アイデア勝ち。やられました。あのチープさも立派な表現上の武器ですね。
タナカカツキ『RS-3000/ring a rose eat propher 21』: 風景の中の風景の中の風景の中の・・・・・と続く入れ子構造で男女の一生を表現。クローズアップに終始するのかと思いきや、ズームダウンで伏線を生かす手法に感嘆。

タナカカツキ氏の作品をきちんと見たことがなかったので、まとめて見られて新鮮でした。色遣いや頻出モチーフに作家個性が現れていたような印象を受けます。好きな人はハマるだろうなと頷けました。
わたくし個人的にはカラフルすぎる表現がいまいち好きではないので氏の映像にはそれほど反応しませんでしたが、構成等で感得するところが大きかったです。
この他、resfest部門ではNAMIKIBASHIの「SAKURA WONDERFUL JET」があって思わずびっくり。
大画面で見たい方はぜひ(笑)。
なお、上映プログラムは「G」「R」「B」の3種。
7階シアターで販売されているパンフレットを購入すると、すべてのプログラムを開催期間中何度でも見ることができるそうです。非常にお得。ショートフィルム好きにはおすすめです。

この「イメージの庭vol.3」は6月14日(水)までの開催。
詳細はせんだいメディアテークのHP→こちら でご確認を。