はざまの庵

分類し難い存在を愛でる覚え書き by aiwendil お気軽にコメントをどうぞ。

東京遠征10/14。

2006-10-15 01:15:51 | アートなど
本日10月14日は、東京で展示会2つと芝居を1ステージ観て参りました。

まずは、ギンザ・グラフィック・ギャラリーで開催中の中村至男+佐藤雅彦「勝手に広告」展。
既存の企業や商品やロゴを使って、それらを使わなければ決して立ち現れないたぐいの表現を追求したシリーズ。扱っているモノがモノだけにまるで広告のような体裁をとってはいますが、つまり、これらの表現の広告としての機能はあくまで副産物的なものなのだそうです。
展示は、表現の生むゆるぎない『世界』を感じられる作品ばかり。
催しに先立って発売されていた書籍の内容を大判で出力したグラフィックが主ですが、撮影に使った素材の実物や、書籍には掲載されていない新作インスタレーションもあって、たっぷり楽しむことができました。
殊に、物理法則をあざやかに活用した「NIKE」の作品が私の心を鷲掴み。毎回微妙に異なる軌跡。厳密なディティールは異なるけれど、目的に沿ったディティールには確実性と普遍性が宿る。数学的にも、物理的にも、表現的にも、とにかく強烈な美しさを感じました。
ところで、私が行った時にはたまたま写真撮影が入っていて、なんだかとても落ち着かない鑑賞でした。
本当は、「NIKE」の作品をもう少し制御できないかもっと何度も実験してみたかったのですが、傍らで写真撮影されているのでバツが悪くて早々に退散。私にしてはずいぶん早めの鑑賞だったと思います。ちょっと残念。

さて次に、東京都写真美術館で開催中の「橋村奉臣[HASHI]展 『一瞬の永遠』&『未来の原風景』」。
特殊なカメラで数十万分の1秒という人間の知覚し得ない一瞬の事象を鮮烈に切り取った写真の数々。一度見たら忘れられないこと請け合い。水が粘性の高い物質だということをあらためて実感させられました。
こちらも行ってみればギャラリートークの真っ最中。
時間の関係で対談そのものは聞けませんでしたが、写真家ご本人からの作品解説を交えたガイドツアーは拝聴することができました。とても貴重な体験。橋村氏は、おおらかでフレンドリーな切れ者といった印象を受けます。

最後に、東京グローブ座で上演中のG2プロデュース「ジェイルブレイカーズ」18時公演。
私は久ヶ沢徹氏を目当てに足を運びましたが、主演が松岡氏とあって会場はジャニーズファンが主。しかし、そのバックグラウンドの違いなど吹き飛ばす力を持ったたいそう楽しい舞台でした。

(途中休筆。また書き足します。)


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
>ざらえもんさま (aiwendil)
2006-10-22 13:24:53
>ざらえもんさま
すっかり見透かされていますね(笑)。
はい。ああいった、シンプルな物理法則を利用した作品は大好きです。釘付けでした。
かならずしも理想の形にならなくとも、企業ロゴに見えてしまう、という現象。見立ての力がはたらいているのでしょうね。ボールを転がす作業もさることながら、鑑賞する側が能動的に『見る』ことではじめて成立する作品でもあると思います。
NIKEのマークを描くための数式を、ギャラリーからの道すがら考えてしまいました(笑)。

>claさま
おお、なんと。
お昼過ぎであれば確実にすれ違っていたかと。
私が観ていた時には、たまたま子ども連れの方がいらして、グリコシティに対する親子の反応がとても面白かったです。
NIKE、キューピー、鉛筆の森、VWのレイヤー、それと、新作エプソンもかなり好きです。
観ていてニコニコがとまりませんでした。

銀座は、昨年以降なんだかんだで結構足を運んでいます。ギャラリーがたくさんあるんですよね。
そうそう、もしも文具好きでらしたら、月光荘や鳩居堂やITOYAもおすすめです。

>はなきさま
おおっ、気に入っていただけたようで嬉しいです。
「勝手に広告」は、どれも独特の表象、世界観を表したものなので、はなきさんのおっしゃるショートストーリーという言葉にも納得。
機会がありましたらDIC COLOUR SQUAREで開催中の「COLOUR OF 10」もおすすめです。

久ヶ沢さんは、久ヶ沢さんでしたね(笑)。
観ながら始終ニヤニヤしっぱなしでした。
そしてやはり、私は久ヶ沢氏のしれっとしたボケっぷりと声が大好きなのです。
河原さんにも大笑い。あれはズルい。反則です(笑)。
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お久しぶりです。 (はなき)
2006-10-20 00:32:06
お久しぶりです。
私も「勝手に広告」展、見てきました。
「NIKE」何回もチャレンジしました(笑)
ボールを投げるタイミングを変えてみたりしましたが、なかなかきれいなロゴにならず…
上手に出来た人のをチラ見して、
おお~!!と勝手に言ってました(笑)

どの作品も、ショートストーリーを観てるかのように、先の展開があることが想像できて、まるで動いている絵のようだなぁと思いました(驚)

aiwendilさんの情報のおかげで、ステキな展覧会に行く事ができました。ありがとうございます♪

もちろん、久ヶ沢さんも拝見してきましたよ~!
素敵過ぎました!!
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こんにちは。 (cla)
2006-10-16 12:15:19
こんにちは。
おひさしぶりです。

じつはワタクシも14日に銀座で勝手に広告展を見てまいりました。
すれ違ってたりしたかも。。。??

[NIKE]、さすがに面白かったですね。
なるほどこういう見方もあるのだなと納得しました。
数学の産物ってほんとうに美しいですねぇ。

個人的には[鉛筆の森]がもーぅ大好きで大好きで。
[グリコシティ]もミニチュアでありながらさすがに実物を目にすることで臨場感を感じたのです。

ついでに銀座に行くのははじめてだったので、その雰囲気も同時に体験してきましたー。
楽しかったなぁ。内容が本当に密でした。
大満足。
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やっぱり!! (ざらえもん)
2006-10-15 12:34:58
やっぱり!!
「NIKE」の作品はaiwendilさんもきっと気に入るだろうと思っていました。
私はnikeのCIのあのシュッっとした形から、ずっと筆のハネを連想していたのですが、まさか放物線からもあの形ができるとは思いもよらず、目からウロコが落ちる感じでした。
私がやった時は、2個目の玉の軌跡がなかなか重ならなくて、なが~い歪な形になってしまったのですが、ロゴが現れた瞬間に「NIKE」の広告になってしまうのが不思議だなぁと思いました。
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