日本の自然エネルギーの現状:231219情報
ドバイで開催されたCOP28(国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議)。例によって、日本が温暖化対策に消極的だとして、国際的な環境NGO「CAN」から不名誉な「化石賞」を贈られました。温室効果ガスを大量に出す石炭火力発電を使い続けているのが理由だのようですが、世界最大の排出国である中国は化石賞にほとんど縁がありません。これだけでも、国際環境団体の本質がわかるというものです。
さて、その会場には各国がパビリオンを設けており、環境省の「ジャパン・パビリオン」には日本の14事業者が出展しているそうです。中でも特に注目されているのは、なんと太陽光発電に関連した技術なんだそうで、太陽光発電について否定的な当ブログを驚かせています。
しかも、日本における太陽光発電は現在余剰電力を生み出しているようで二重の驚きです。この間の事情を含めて国際政治学者に解説していただきました。
◼️実は電力ができすぎていた
日本での自然エネルギー発電、世に言うところの再生可能エネルギー発電は電力ができ過ぎていることがわかりました。発電のしすぎで、これ以上電力を送電網に入れると逆に停電してしまうので、発電を止める事態が頻発しているようです。
12月5日の日経新聞にも出ていますが、2023年は太陽光など発電をストップする「出力制御」が4〜9月だけで194回行われており、去年の3倍に膨らんだそうです。特に九州電力では太陽光などの再生可能エネルギー発電の55%を止めた日もあったとのこと。
事態は東京電力管内を除く全国に広がっており、せっかく作った再生可能エネルギーを十分に生かせていない状況です。
◼️効率の良い電力確保の方法とは?
では余った電気は、電池にとっておけば良いのでしょうか? 日本ではリチウムイオン電池などがありますがキャパシティの大きなものを作るのは非常にお金がかかります。一つの大きな電池の場合、放電の時間は4時間半ぐらいが限界だと言われています。そして、それ以上行おうと思えば、横にもう1個作るために倍のお金がかかります。
前から申し上げているように、一番電力をとっておくのに良い電池は揚水発電です。揚水発電というのは、電気が余っているときは下の方にある水を上の方のダムに上げ、電力が欲しいときに水を落として水力発電を行うものです。
これは雨のない国や、山や川が急峻でない国、ダムができにくいような国ではできません。全ての条件が揃っている日本は非常に恵まれている国なのです。
送電網に電気を送る世界の発電設備の97%はこの揚水発電によって電力を確保しています。圧倒的シェアであり、一番有効な方法です。
しかし、日本のジャーナリズム、特に日本経済新聞などはこのことを言いません。おかしな話なのですが、他の有望な電池があるにも関わらずリチウムイオン電池の話ばかりをしています。
今、日本はせっかく作った再生可能エネルギー発電を無駄にしています。原発なども、無理して高いコストで行う必要があるのかな、ということにもなりますね。
◼️意外に進んだ日本の再生可能エネルギー市場
これは意外だったのですが、24年1月から、西武鉄道は全12路線で消費する全ての電力を再生可能エネルギー由来にするそうです。東急電鉄はすでに全線切り替えていますし、京成電鉄も特急電車などで同じようなことをやるということで意外に日本は進んでいます。
私鉄以外でも、JR東日本が再生可能エネルギー由来の電力を電車や駅に供給できるよう、東北エリアを中心に大規模な太陽光発電所や陸上風力設備を増設していると言います。これは大変良い事のように思えます。
ただし、今までやってきた、立派な森林を切り崩して太陽光発電所メガソーラーを作るといった森林破壊のような間違いだけは繰り返してほしくありません。
◼️MADE IN JAPANへ
メガソーラーで使われている太陽光パネルは多くがMADE IN CHINAです。日本は10年以上前、世界のソーラーパネルメーカーのトップ10のうち3社は日本でしたが、すっかり没落してしまいました。ですから、このメガソーラーのパネルはやはりできればMADE IN JAPANでやって欲しい。
それが高すぎるのならば、少なくとも日本に侵略の恐怖を与えているような潜在的な侵略国であるチャイナではなく、友好国との間でつくったサプライチェーン、そこで生産したソーラーパネルを使って欲しいのです。
そして、ソーラーパネルが古くなったときには、ちゃんと分解し、環境汚染をせずに処分ができる。そういったものにしていかなければいけないと思います。そういう条件が保てるなら、太陽光発電は何の悪いこともありません。
太陽光発電のいいところは自国の自前エネルギーということです。原発も、外国からウラン燃料を買わなければいけません。そして、日本国内では、高濃度放射性廃棄物の最終処分場もないのですから、本当の意味の国産電力ではありません。
日本人が太陽光パネルを作り、日本で太陽光発電するのであれば、これはもう純粋国産電力になるわけです。ぜひ、そういう方向に政府もお金を使っていただきたいし、産業界も頑張っていただきたいですね。
ともかく、九州や四国を中心に太陽光発電ができ過ぎて困っている、そうした状況を、うまく生かすということを考えていかなければならないと思います。
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