赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

地球温暖化とCO2 三題

2023-12-27 00:00:00 | 政治見解



地球温暖化とCO2 三題:231227情報

化石燃料が地球温暖化に悪影響を及ぼすという意見が主流になっていますが、これに逆らう動きも顕著になっています。日本メディアではなぜか報じられないのですが、国際会議の場でも化石燃料について「段階的削減」「段階的廃止」を強く主張する声と、「石燃料の段階的廃止が必要だと示す科学は存在しない」という声が錯綜しています。

この間の事情を国際政治学者は以下のように解説します。



「地球温暖化論」UAEの議長が二酸化炭素による地球温暖化を否定

COP28(国連気候変動枠組み条約の第28回締約国会議)を主導するアラブ首長国連邦(UAE)のアル・ジャベル議長は、スルタン(貴族)と呼ばれていますから、この国の市長の1人ということでしょう。

彼が「CO2地球温暖化説は間違っていて、科学ではない」ということを明確に言ったというのです。これは日本経済新聞とか日本のメディアは絶対に取り上げないでしょう。おそらく、欧米のメインストリームメディアや大手メディアも言いたがりません。しかし、報道されています。

COP28の議長が再確認したということですが「脱石炭を説く世界の代表たちに向かって化石燃料の段階的廃止を求める要求には何の科学的根拠もない。石炭・石油・天然ガスを廃止すれば、世界の人々を原始時代の洞穴生活に連れ戻すことになる」と述べました。続けて、ジャバール議長の述べたことで「私はあなた方を尊敬していますが、あなた方の脱炭素に関する意見は間違っていると、はっきりと言わしてもらいます」と主張したのです。私も100%同じ意見で、これ以上付け加える必要もありません。


「インドの石炭生産」2027年までに石炭生産量を40%増大させる計画

今の話と似たような文脈になるのですが、インドの11月の発表において2027年までに石炭生産量を40%も増大させる計画を立てています。

インドのモディ首相が登壇した12月1日の演説によると「先進国が排出した温暖化ガスによって、途上国が苦しんでいる。自分だけが得すればいいという考え方は良くない。先進国と途上国が目的を達成できるように一致団結して取り組む必要がある」とここまでは綺麗事ですけど、そのあと本音を言っています。

続いてモディは「気候変動資金と技術はグローバルサウスにとって非常に重要である」と言っていて、途上国の気候変動対策は先進国が金を出し、技術を持ってきてやればいいということです。これがグローバルサウス代表的な立場、いわゆる第3世界の南の低開発国を代表するような形でモディが述べたということで「あなた方がお金と技術を持ってこないならば先進国の皆さん、我々はCO2排出規制をやりません」というのが本音でしょう。

今の地球上で一番CO2を出しているのはチャイナ、第2位がアメリカ、第3位のインドは世界一の人口14億人となってチャイナを抜きました。そして、部電源構成を見ると石炭火力・発電に頼るところがインドは大きいです。国内で石油・石炭ともに出るということで、エネルギー需要の約8割を化石燃料に依存しているのもインドになります。

ところが、インドの新電力大臣兼新再生可能エネルギー大臣は「11月にCOP28では石炭の使用量を減らすように各国から圧力がかかるだろうが、妥協するつもりはない。インドは2027年の石炭生産量を現在よりも更に40%増やす計画を打ち出す」ということです。我々が乾いた雑巾を絞るようにCO2削減をやったところで意味がありません。チャイナやインドがCO2を出しまくるということで、地球温暖化説を前提としてもこのようになるのです。

大体人間の出したCO2で地球が温暖化しているわけでもないので、まさにそれは仮説にすぎなくて科学的ではありません。その仮説もかつては有力だったのですが、今や科学的に言うと否定されている仮説です。それでインドとしても遠慮なく今後も石炭を使いまくっていくでしょう。


「COP28」2023年国連気候変動会議で決まった2つのこと

COP28で具体的に日本の新聞の見出しになっていることは「2030年までに自然エネルギー発電の設備容量を3倍にします」ということです。

この設備容量ということが大事なのですけど「2050年までに原発の設備容量を3倍にします」と言っていて、原発に関しては110カ国出ているうちの22カ国が賛成しました。賛成国にはフランス、韓国、アメリカが含まれていますが、この設備容量というのはフル稼働時にどれだけ電力が出るかという量です。

当然、自然エネルギー発電は年中動いているわけではありません。風力発電は風が来なかったら発電できないし、太陽光だと夜、雨、極端な曇りのときは当然発電できないということになります。

そして、アメリカのエネルギー省のエネルギー情報局というところが、どの程度の設備利用率(capacity factor)、あるいは日本でいう稼働率という言葉を使ってもいいと思います。どの程度の設備利用率があるのかと言うと、太陽光の2022年の平均はアメリカで24.8%、風力の方は2022年の平均は36.1%となっていて、大体この辺りを目安に考えておくといいと思います。

ちなみにアメリカでは天然ガス・コンバインドサイクル火力発電が、2021年の平均が54.4%です。かつて天然ガス発電は低い稼働率だったのですが、54.4%まで上がってきたということになります。石炭火力発電所が49.3%、原発は計画的に年中動かしていて、動き始めたらすぐに止められるものでもないため、発電量を減らしたり増やしたりする調整も非常に難しいです。

アメリカの原発の場合は稼働率が高くて92.7%となっています。この設備容量を3倍にしても、この設備容量が全て出てくるわけではなく原発の方は9割くらいの電力が出るのです。これは頭に置いておく必要があると思います。

この自然エネルギー発電に関しては、新規のものであるほど着々とコストが安くなっているのです。発電コストを同じ何kWの電力を使うことに対するコストは、安くなっています。ただし、前から申し上げているように洋上風力発電は次々にキャンセルされていてコストが高くかかりすぎるため、これは将来性がありません。私は全面的に駄目だと思います。本当に恵まれた条件にある洋上風力発電であれば、例外的に成功するのではないでしょうか。



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