主の居なくなった家にも、
庭の柿の木は、緑の葉を茂らせ
アジサイの花は、
たくさんの蕾をつけていた。
昨年と何も変わっていないのに…。
父が90歳の時だっただろうか?
ユスラウメの小さな木を買って来た。
「え〜 もう植える場所ないのに…」
その時、
私は、不服を口にした気がする。
家の周りは、既に、たくさんの植木や花が
家を取り囲むように、植えられていた。
そのユスラウメの木は、
庭の畑の隅に植えられ、
少しづつ大きくなり、
私の背丈を超えた。
昨年、初めて実を付けたが、
食べる程の数は無かった。
今年は、真っ赤な実を沢山つけていた。
お父さんに、出してあげたら、
なんと言うだろうか?
「甘いのう…」と言うだろうか?
それとも、何も言わずに、
口に入れるだろうか?
そんなことを思いながら、
潰れそうに熟した実を摘んだ。
洗うと、真っ赤でルビーのように輝いた。
ガラスの器に入れ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/6c/bb9d994fea9e76dac9c04090b2275edc.jpg)
「お父さん、今年の初物、先に召し上がれ」
仏壇に供えて、手を合わした。
庭の柿の木は、緑の葉を茂らせ
アジサイの花は、
たくさんの蕾をつけていた。
昨年と何も変わっていないのに…。
父が90歳の時だっただろうか?
ユスラウメの小さな木を買って来た。
「え〜 もう植える場所ないのに…」
その時、
私は、不服を口にした気がする。
家の周りは、既に、たくさんの植木や花が
家を取り囲むように、植えられていた。
そのユスラウメの木は、
庭の畑の隅に植えられ、
少しづつ大きくなり、
私の背丈を超えた。
昨年、初めて実を付けたが、
食べる程の数は無かった。
今年は、真っ赤な実を沢山つけていた。
お父さんに、出してあげたら、
なんと言うだろうか?
「甘いのう…」と言うだろうか?
それとも、何も言わずに、
口に入れるだろうか?
そんなことを思いながら、
潰れそうに熟した実を摘んだ。
洗うと、真っ赤でルビーのように輝いた。
ガラスの器に入れ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/6c/bb9d994fea9e76dac9c04090b2275edc.jpg)
「お父さん、今年の初物、先に召し上がれ」
仏壇に供えて、手を合わした。