きのねの本音

染色や木彫り そして気の合う仲間たち
大好きなものに囲まれ シニアライフを楽しんでいます
時には 愚痴や本音もポロリ

父が植えたユスラウメ

2017-05-29 05:34:28 | 田舎日記
主の居なくなった家にも、

庭の柿の木は、緑の葉を茂らせ
アジサイの花は、
たくさんの蕾をつけていた。

昨年と何も変わっていないのに…。

父が90歳の時だっただろうか?

ユスラウメの小さな木を買って来た。

「え〜 もう植える場所ないのに…」
その時、
私は、不服を口にした気がする。

家の周りは、既に、たくさんの植木や花が
家を取り囲むように、植えられていた。

そのユスラウメの木は、
庭の畑の隅に植えられ、
少しづつ大きくなり、
私の背丈を超えた。

昨年、初めて実を付けたが、
食べる程の数は無かった。

今年は、真っ赤な実を沢山つけていた。

お父さんに、出してあげたら、
なんと言うだろうか?

「甘いのう…」と言うだろうか?

それとも、何も言わずに、
口に入れるだろうか?

そんなことを思いながら、
潰れそうに熟した実を摘んだ。

洗うと、真っ赤でルビーのように輝いた。

ガラスの器に入れ


「お父さん、今年の初物、先に召し上がれ」

仏壇に供えて、手を合わした。






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良かった❗️生きていた❗️

2017-05-28 20:49:23 | 田舎日記
田舎に帰って来た。

2週間、戸を閉め、風の入らない室内は、
猫のトイレの臭いが充満していた。

戸を開けるより先に、呼んだ。
ミーコ ミーコ

いつもなら、ニャーンと鳴いて、
顔を出す筈のコタツの前で、
何度呼んでも、鳴き声がしない。

締め切った真っ暗な部屋に充満する悪臭が、
もしや…と、思う不安を掻き立て、

こたつの布団を、怖くて持ち上げられなかった。

遠くで、ニャーンと、呼ぶ声が聞こえた。
風呂場から、痩せ細った体で、出て来た。

良かった❗️生きていた❗️

雨戸を開け、2週間ぶりに、室内に風と光を入れた。
素足で歩けないほど、汚れた部屋に、掃除機をかけ、雑巾で拭いた。
猫のトイレを洗い、砂を入れ替え、餌や水を変えた。

帰って来て、勝手口に、荷物を置いたまま、

私は、時間も、空腹も忘れ、

猫を放ったらかしにしている事の
罪滅ぼしのように、
無心で掃除をしていた。

これが、いつまで続くのか?

もっと生きて欲しいとも思い…
それが残酷な事のようにも思い…

それでも、顔を見ると、
よく生きていてくれたね…と、
感謝した。










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これでいいのか⁈

2017-05-02 11:12:48 | 田舎日記
今日は八十八夜
立春から数えて88日目になる。
(本当に⁉︎ カレンダーを数えてみたくなるね)

夏も近づく八十八夜
野にも山にも若葉が茂る

唱歌が口をついて出て来る程、いい天気だ。

朝のひんやりした空気の中、停留所に立っている。
昨日、帰るつもりにして居たが、
目も見えなくなった老猫を思うと、もう一晩、一緒にいることにした。

昨夜も、誰を呼んでいるのか?
よく泣いて、起こされた。

雨戸を閉め、また暗い家の中に閉じ込めて来たが、
これでいいのか?…


ぴーぴーと甲高い鳥の鳴き声がする。
雲一つない青空を見上げたが、姿が見えない。

雲雀か?

居た居た!
こいつか⁈

名前はわからないが、
お前は自由でいいね⁈


花粉症の薬を飲んだせいか、バスの中で寝て居たようだ。
時計を見ると、1時間以上寝て居た。
昨夜寝られなかったせいもあるが、
こんなに爆睡したのは、久しぶりだった。

また今月末にも、帰れなければならないが、
最近2時間半のバス移動も、辛いと思ってしまう。
















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残された老猫に

2017-04-30 08:48:51 | 田舎日記
1泊2日で、田舎に帰る。
父の居ない家に残されている
老猫の様子を見に帰るのだ。

すっかり柔らかな若葉色に
おめかしした山を見ながら、
バスに揺られている。
あの薄っすらと紫色の塊は
山藤だろう。

眩しい陽射しも、綺麗な山肌も、
私には虚しい景色にしか見えない。

父が亡くなって100日が過ぎた。
帰って来るはずのない父を
小さな子供のように恋しがっている自分が
恥ずかしい。

そして、同じ気持ちで
父を探して泣き続けている
老猫がいる。

その老猫が待つ家に…

裏の勝手口の戸をあける。
靴を脱ぐのももどかしいほど、心が焦る。

ミーコ ミーコと、大声で呼びながら
家中を探すと、かすかに泣き声が…

あぁ〜生きてる。

ホッとするが、
もう目も見えない様子。

ふらふら歩きながら、
壁にぶつかる。

やせ細った身体を撫ぜてやると、
掌に触れる骨が痛いほど、心にささってくる。

戸を開けてやると、
フラフラしながら外に出て行くが、
30センチの段差に上がるのも困難そう。


すぐに部屋に戻ると、身体を長くして横になる。

目を閉じ、ダランと力なく寝る姿に、
ドキッとする。

お腹が、大きく上下して動いていることが、
生きている証拠のように…。
残り少ない力を振り絞るように、息をしている。

可哀想だね。
死ぬのも、生きているのも…。

でも、どうすることも出来ない。

父が可愛がっていた猫ちゃんだから、
最後まで出来る世話をしてあげようと思っている。

明日、置いて帰るのが辛いよ。







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有難う団子三兄弟

2017-04-15 11:12:37 | 田舎日記
3人の孫とママに
バイバイと手を振られて、
高速バスに乗り込んだ。

3週間、長かったが、アッと言う間だったね。

7.5.3…
2歳違いの、団子三兄弟。🍡

7歳の女の子は、
この4月で2年生。
制服を着ると、グンとおねぇちゃんぽく
なるけど、
制服を脱ぐと、まだネンネの顔が現れて、
癇癪を起こしたり、些細な事で、
下の子と喧嘩をする。
幼女から少女になる不安定な時期かな?

その喧嘩相手の5歳児は、
幼稚園年長サンになった男の子
2歳違いの上下に挟まれ
上とも下とも喧嘩をするトラブルメーカー

ママにもパパにも怒られる回数が一番多いね。
でも、一番甘えん坊で、シャイ
おばあちゃんの事を、
年寄りのお母さんみたいと言ってくれる。
ずっと一緒に引っ付いて寝たね。

一番下は、
一番元気なヤンチャな3歳の男の子
4月から幼稚園の年少さんになったね。

何とかレンジャーだと言って
本気のパンチで、
おばあちゃんをやっつけに来るは、
足蹴りが飛んで来るは…。
でも、生まれたまんまの素直さで、
可愛いよ。

ママは、
お仕事をしながら、家事や育児に手を抜かない
頑張り屋さん。
毎朝、手作りのパンを焼いてくれ、
テーブル一杯のお料理を食べさせてもらったね。
有難う。

父の亡くなった悲しみは、
可愛い笑顔と、
息子夫婦の優しい気遣いで癒され、

私、幸せ太りしたみたい。










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