きのねの本音

染色や木彫り そして気の合う仲間たち
大好きなものに囲まれ シニアライフを楽しんでいます
時には 愚痴や本音もポロリ

“やねこじき”

2012-10-06 16:32:50 | 田舎日記

“やねこじき” 何とも、滑稽な名前であるが、
私の育った阿波市市場町に、400年続く伝統行事である。

私が子供の頃は、よく見に行った。
小さな田舎の小さな町の、そこで一番賑やかな場所が、町の中心にある商店街だった。

その商店街の店の軒先に、手作りの人形が、隣の店と競い合うように飾られていた。

どれも、店の主人が作った素朴な人形ばかりだった記憶がある。

何もない時代だったせいか、それが華やかで賑やかな記憶として、
今も残っている。

あれから、私も年を取ったように、商店街も年老いて行った。
昔のような賑やかさを忘れたように、寂しい通りとなったが、
商工会や、やねこじき保存会の方々の努力で、今も続けられている。

ただ、商店街の中でも出展する店が、かなり少なくなり、今年は12点だった。

その12点も商店街の一番端だったり、商店街からずいぶん離れた場所だったりと
12点全部を探して見るのに苦労した。
結局1点だけは、どうしても探せなかった。

  
  

  

こうなると、昔の華やかさが懐かしく、
この現状を、何とかならない物かと、悔しく思う。

そんな中で、地元中学の美術部の生徒さんの、若々しくはつらつとした作品を見つけた。

「あい・らぶ・有」と名付けられた、その作品は、芸能界やスポーツ界で活躍する“あいちゃん”達や、
レンジャーズのダルビッシュ有をモデルにした作品で、
中学生らしく、芸能界や世界で活躍する若者への憧れや、未来への希望が感じられ、嬉しかった。

「よく似てますね」 横にいた中学生に声をかけた。
「ありがとうございます」 爽やかな声が帰って来た。

この子達がいる限り、この街も“やねこじき”も、まだまだ大丈夫だ!

「来年も、頑張ってね」
彼女たちの爽やかな笑顔に感動して、おせっかいなおばさんは
また、余計な事を言ってしまったようだ。

コメント
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