今年も宮崎カーフェリーのバースデー半額券を利用して宮崎へ……、と思い、ホテルを予約しようとしてビックリ。なんと、宮崎での定宿だったホテルプラザ宮崎さんが昨年11月末で廃業していたのです……。
宮崎市街地のお手頃価格のホテルでは唯一(たぶん)の温泉大浴場付きホテルゆえ、大のお気に入りだったのですが非常に残念なことになってしまいました。
先ほど、「お手頃価格のホテル」と書きましたが、あれほどの規模・設備のホテルが「お手頃価格」になってしまっていたこと自体、経営の苦しさを表していたとも言えます。地方都市にも有名チェーン系のホテルがどんどん進出し、こぎれいで快適、しかも宿泊費も安いというのが当たり前になってきていますから、古くからあるホテルの場合、よほど良いタイミングでリニューアルしていかない限り大変なのでしょうね。
唯一の救いは、経営者がキッチリと後始末をした上での廃業らしいこと。お世話になったホテルが経営者の夜逃げ等によって廃墟化というのは悲しすぎますからね……(このホテルの場合、大淀川沿い、という絶好のロケーションだけに余計にそう思います)。
私らが宮崎へ行き始めたのはごく最近のことなので、当然ホテルプラザ宮崎さんの全盛期は知るよしもないのですが、長い間本当にお疲れ様でした。
ついこの間宮崎を訪れた時点では、まだ内装の解体作業をしている段階で、建物自体は残っておりましたので、思い出に写真を何枚か撮ってきました。
裏側(県庁側)から見上げたところ。
別館。日帰り入浴客用の出入り口ですね。
露天風呂のあたり。ずいぶんと解体作業が進行していました。最後にもう一度ここの温泉が楽しみたかった……。
入口のところ。一部分だけブルーシートのかかっていないところがありました。
この温泉施設だけでも残せなかったのかなあ……。貴重な存在だと思うんですが。
末期の頃は半額にダンピングしていたんですね。まあ、今どき温泉付きスパ銭で¥1,000ってのはちょっと高すぎるよなあ……。
この半額キャンペーン、「好評に付き12/30迄延長」されていたようですが……
十一月三十日をもってホテルそのものが廃業……。従業員の皆さんは廃業のことをいつ知ったんでしょうか……。
駐車場を通って正面へ回りましょう。最後にこちらにお世話になったときは右から二番目の駐車レーンにチェックインのだいぶ前からクルマを停めさせてもらったっけ……(フロントの頭の禿げたオッチャン、優しかったなあ。元気にしていらっしゃるかしら……)。ちょうど消化器の置いてあるあたりでDAHONを組み立てたんだよなあ……。
やはり、営業していた頃に比べると荒れ果てた感じになっていますね。寂しい……。
昭和49年ですから、松井秀喜と同い年の建物ってことか……。これ、経営者が記念に持って帰ったりせんのだろうか……。
この「展望エレベーター」が動いているところを私らは見たことがありません。往事はさぞかしにぎわったことでしょう。
それにしても、なんで灯油のポリタンクなんぞが置いてあるんでしょう? 物騒な……。
よく分からない壁のレリーフですが、これもこのホテルがにぎわっていた頃はさぞかし派手に見えたことでしょう。
チェックアウトした客を迎えに来るタクシーの待機所。かつてはズラリとタクシーが並んでいたんでしょうね。
もともとは「シティホテル」クラスだったのでしょうね。立派なバーカウンターですが、私らはこのカウンターが本来の役割を果たしているところを見たことがありません。
コーヒーの無人販売をしていましたね。
1杯50円なんですが、料金は郵便ポスト型の貯金箱に入れる仕組み。利用客への信頼なくしては成り立たないシステムでした。
1Fロビーの広さも印象的でした。
土産物コーナーが結構充実していて便利でした。
これが正面玄関。こうして見ると、外壁の塗装がかなりみすぼらしい状態ですね……。
コチラは閉館の約2年前のフロントの様子。築年数を感じさせないリニューアルは施されていたんですよね。
やっぱり、かなり立派なホテルです。利用客が減少しはじめ、安ホテル路線へと舵を切り始めたときは、さぞかし無念だったことでしょうね……。
ブライダル・コーナーだったのか……。
この写真の突き当たりにある部屋ですね。
このホテルで結婚式を挙げた人も大勢いたんでしょうね。挙式をしたホテルがなくなる、というのは寂しい限りでしょうが、それでも廃墟化して無残な姿をさらされるよりは良かったのかも知れません。
次に宮崎に行く頃には、もうこの建物はないのでしょう。
私達にとっては短いおつきあいでしたが、ホテル関係者のみなさま、本当にありがとうございました!
でも、できれば最後にもう1泊だけでもしたかったな……。
ホテルプラザ宮崎の部屋から見下ろす大淀川。
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