今日はタイトルそのまんま、タイヤのお話です。
タイヤっていうのは一般的に、グリップのいいタイヤほど速く減る傾向にあります。
これはタイヤと路面の摩擦力を高めるとそれだけ早く減るということなので、考えれば当たり前の話ですね。
消しゴムに例えると、古くなって硬くなった消しゴムって、消しカスがあまり出ませんが消えませんし、なかなか減りませんよね、一方新しくて柔らかい消しゴムは消しカスがいっぱい出ますがよく消えます。でも減りは早い。
タイヤもこれと同じく、古く表面が硬化したタイヤや、新しくてもロングライフを重視して作ってあるものは、必然的にグリップ力が落ちます。
それとですねぇ~・・・
うーーーーん、こんな風にいちいち書くと、本になってしまいそう。
だってタイヤって一般的には丸いゴムとしか認識されてませんが、実際にすごく奥が深いんです。私はそんな中の一部を体験したに過ぎませんが、それでもかなりの情報量になってしまいます。
だから昨日、鉛筆と何となく似てるって思ったことだけ書くと、オンロードの競技用タイヤっていうのは、一銘柄(同一タイヤパターン)の中に数種類の硬さのタイヤが存在します。
ポテトチップスに塩、のり塩、コンソメとかいろいろな味があるのと同じです。
競技用タイヤ(Sタイヤ)には、各メーカー記号は違いますが、大体、SS(スーパーソフト)、S(ソフト)、M(ミディアム)、H(ハード)というようにそれぞれコンパウンド(タイヤ表面の材質)が違うタイヤが用意されていて、後は自分でその日のレースコンディションを考えて選んで使います。
私は大体、SSを雨用、Sを予選、決勝用、Hを練習用にしてましたが、ただレース始めた当初は社会人になって間もなかったからお金も無く、なかなかタイヤも揃えられないので、履いて試すっていうことが出来ず、練習も予選も決勝も常にタイヤ表面が硬くて減らないハードを使ってたんです。
だからグリップのいいタイヤの感覚をよく知りませんでした。
競技用タイヤっていうのは一般的にタイヤ温度が上がってからグリップし始めるものなのですが、公道で使用するタイヤとの大きな違いは、公道用は減ってグリップさせるのに対して、競技用はゴムを路面の摩擦熱で溶かしてグリップさせることなんです。
だからソフトコンパウンドでのレース走行後のタイヤ表面は熱くて柔らかく、ゴムというよりは消しゴムに近いような、でも熱でただれたような状態になり、そのまま小さな砂利を踏んだりするとタイヤ表面にめり込み、くっ付いて、石を手で取るとタイヤに窪みが出来ます。
でもハードコンパウンドはなかなかそうはなりません。タイヤに温度が伝わりにくいですし、なかなか溶けてもくれませんからね。
私が予算の都合でハードばかりを使っていた頃、今考えればそれはそれは大変でした。
でもその頃全く無知な私は、
「ハードでも熱をどんどんかけていけばソフトと同じ状態になるだろう」
程度に考えていて、
これって鉛筆で言えば、Hの鉛筆で4Bや6Bなどの濃さを表現しようって言っているようなもんです。
絶対に無理なんです。
でも無知って怖いですが、知らなきゃなんとかなるもんで、私は雨でもそれで走ってました。
かなり無理があり、無謀であり、無茶してたんですね。
Hの鉛筆でどんなに重ね塗りしても、どんなに力を入れて書いても、普通に書いた6Bの線の黒さにはかないません。
だからなんとなく似てるなと思ったんです。
若い時の苦労は買ってでもしろっていいますが、少し当ってますね。
私はお金がないからそうなちゃったっていうだけですが、あの恐ろしく車が滑る感覚が大分修行になりましたからね(*^^)v