私は知らない建物に入ると結構よく迷う。
先日も慣れない病院に見舞いに行って、帰りに出口と反対方向へ歩いた。
私には大分以前から迷い癖のようなものがあって、その迷いっぷりといったら、
ワザとやっているんではないかと疑われるほどである。
高校生の時は修学旅行に行き、自由行動の時間、友達と二人で見知らぬ土地を観光して歩き、迷うものほど遠くへ行きたがるもので散々遠くまで足を運び、気が付くと日は暮れ、現在地を見失い、タクシーに乗ろうにも田舎の高校生2人組みを乗せるタクシーは無く、仕方が無いから公衆電話から唯一の手がかりである宿泊先の電話番号をダイヤルした。
「もしもし、帰れません」
「はっ?」
「今何処かわかりません、迷いました」
「そこから何か建物は見える?」
「えーっと○○って書いた看板が見えます」
「そこでジッとして待ってて」
とまー、そんな感じを10倍はたどたどしくしたような会話をしたのだと思う。
それから間もなく添乗員さんが自転車に乗ってやってきて、そこからものの数分で宿に着いた。
そしてその後の自由行動はもちろん外出禁止という、まーなんとも情け無い結果である。
地下鉄でも迷ったことがある。
というより彷徨った。
田舎者の私が地下街という場所に初めて行った時、地底都市のようでそれは楽しかった記憶が今でも残っているが、それが迷路になるまでに時間はかからなかった。
地下鉄を降りて地下街を歩いていると、一軒の土産物屋に入ったところまではよかった。
そして楽しく買い物し、私は西から東へ向かう筈が、あろうことか買い物して方向が分からなくなり西へ戻った。
でも当然東へ歩いていると思い込んでいる私が気が付くはずも無く、しばらく歩いて出口から日の当る場所に出ると、もう全く見知らぬ土地で、仕方がないから地下鉄に乗って戻ろうとしたら、今度は逆方向の地下鉄に乗った。
まーその後どうなったかはもう書くのも嫌なので、ご想像にお任せする。
でもこれだけじゃない。
ある日、車二台で前後に並び、一人ずつ運転して二人で遠方に出かけた時、道を知らない私は当然のごとく後ろを走った。
幸いにも前車の運転手は道路に詳しいし、後ろについて行けばまず間違うことは無いはず・・・
普通は
目的地へと向かう道中、とあるT字路に突き当たり、そこを左折した。
そして用事を済ませた帰り道、私の頭にあったのは
”突き当りを左折した”ということ
だから帰りは当然右折
さすがに迷う天才(この辺で自分は天才だと気付く)でも、それくらいは分かる。
それに帰りも行きと同じように先導車だっていた。
にもかかわらず、どうやったら迷うのか
それはね、もう呆れてね。
私が信じ込んでいたのは、
”右折”
の部分よりも
”突き当たり”
の部分だったわけ
帰りもT字路の突き当たりを右折するもんだと信じ込んでいたわけ。
だからなーーーーーーーんにも考えず、
ただひたすら突き当たりを待って運転していたわけですよ、はい。
だから先導車がいつ居なくなったのかも不明。
気が付いたら居なかった。
そんな感じ。
でもコンビニにでも寄ったのかなとか思いながら、私は正直に突き当たりを目指し、
そしてとうとう着きましたよ、突き当たりに。
全く知らない突き当りにね、しかも行き止まり。
行きがT字路に突き当たったのなら、帰りは突き当たらないのが当たり前なのにね。
それもその後どーしたのか、ご想像にお任せしますよ。
ま~ま~、こういうのを挙げていくとキリがない。
全く自分でも呆れる
知らない土地へ行って目的地の人に
「私今、何処にいるんでしょ???」
って電話かけたことも何度かあったり、高速道路を逆方向に向かったことも複数回あったりして、でもそんな人間に限ってカーナビとか付けてない当り、やっぱり迷い人はこーでなくっちゃいけない。
多分アンケートをとったら、”頼りない男性”ナンバー1に輝くだろう。
にも関わらず、山の中で道なき道を歩き回っても、携帯ナビなんか全く見なくてもきちんと車の場所までは帰ってくるんだから、方向感覚なんかあるのかないのか分からない。
そのうち、地下街で遭難して死にかけてる人がいたら、それは多分私だから、みんな助けてねー。