言の葉の記
<棟方志功展>を観に行った。
大阪南港のATCミュージアムで開催されており、
昨日の5日が最終日。
近いことだし、おまけに招待券が手に入ったことだし、出かけない手はないと。
6年前、東北を旅した際も、
生誕の地、青森の棟方志功記念館を訪ねているので、
直に作品に触れるのはこれが初めてではないが、
その記念館でも、所蔵作品の内、1/4ずつを
四季ごとに展示換えしているとのことだったから、
まだ見ていない作品にも
お眼にかかることができるという期待感もあった。
その期待どおり、
初めて相対する作品がいくつもあった。
とりわけ、志功曰く
「この版画で、はじめて、
まっ黒い身体の中に刀(とう)をあてて、
人間の身体を出す方法をつかみました。
わたくしはこの線をいかすことによって、
版画自体の根源的なものにふれてゆくことを
身の程にしたいと思いました。」と解説する
「鐘渓頌(しょうけいしょう) 全24柵」を拝めたのは収穫。
-志功は作品の一枚一枚を、~~柵と名づける。-
版画ハ、
色デイエバ
金ヤ銀ノヨウナ、
色アッテ、
而モ無色ナモノデス。
ソレ程ニ微妙ナ
案配ノモノデス。
イクラ人ガ
出カソウトシテモ、
出来ナイヨウニ
ナッテイルトコロニ、
版画ノ大キサガ
アルノデス。
ダカラコソ、
生マレテクルノヲ
待チ遠シクシテイルノガ
嬉シイノデス。
ヨロコビモ、
オドロキモ、
カナシミモ、
湧イテ来ルヨウニ、
版画ガ湧イテ来マス。
有難イコトデス。
―棟方志功「ヨロコビノウタ」二玄社より―