山頭火つれづれ-四方館日記

放浪の俳人山頭火をひとり語りで演じる林田鉄の日々徒然記

雪のあかるさが家いつぱいのしづけさ

2004-12-06 03:14:51 | 文化・芸術
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言の葉の記

<棟方志功展>を観に行った。
大阪南港のATCミュージアムで開催されており、
昨日の5日が最終日。
近いことだし、おまけに招待券が手に入ったことだし、出かけない手はないと。
6年前、東北を旅した際も、
生誕の地、青森の棟方志功記念館を訪ねているので、
直に作品に触れるのはこれが初めてではないが、
その記念館でも、所蔵作品の内、1/4ずつを
四季ごとに展示換えしているとのことだったから、
まだ見ていない作品にも
お眼にかかることができるという期待感もあった。
その期待どおり、
初めて相対する作品がいくつもあった。


とりわけ、志功曰く
「この版画で、はじめて、
 まっ黒い身体の中に刀(とう)をあてて、
 人間の身体を出す方法をつかみました。
 わたくしはこの線をいかすことによって、
 版画自体の根源的なものにふれてゆくことを
 身の程にしたいと思いました。」と解説する
「鐘渓頌(しょうけいしょう) 全24柵」を拝めたのは収穫。
 -志功は作品の一枚一枚を、~~柵と名づける。-


 版画ハ、
 色デイエバ
 金ヤ銀ノヨウナ、
 色アッテ、
 而モ無色ナモノデス。
 ソレ程ニ微妙ナ
 案配ノモノデス。
 イクラ人ガ
 出カソウトシテモ、
 出来ナイヨウニ
 ナッテイルトコロニ、
 版画ノ大キサガ
 アルノデス。
 ダカラコソ、
 生マレテクルノヲ
 待チ遠シクシテイルノガ
 嬉シイノデス。
 ヨロコビモ、
 オドロキモ、
 カナシミモ、
 湧イテ来ルヨウニ、
 版画ガ湧イテ来マス。
 有難イコトデス。


  ―棟方志功「ヨロコビノウタ」二玄社より―