山頭火つれづれ-四方館日記

放浪の俳人山頭火をひとり語りで演じる林田鉄の日々徒然記

紫陽花もをはりの色の曇つてゐる

2011-07-20 17:38:00 | 文化・芸術
Santouka081130081

―表象の森― 負の遺産//原発

◇放射能とはどういうものか
・放射能の怖さは、DNAを破壊し遺伝子異常を引き起こすこと。JCO臨界事故では、被曝者の細胞が再生されず、全身が焼けただれるようにして亡くなった。
・今回の事故で、すでに原爆80発分の放射性物質が飛び出している。いま問題なのは内部被曝。ベータ線やアルファ線は、進む距離は短いがエネルギーが大きい。体内の細胞に付着すると、そのごく近傍の細胞に継続的に影響を与える。

◇放射能汚染から身を守るには
・人体への影響はLNTモデル(=線量の増加に伴い危険性が増える)で説明される。原発推進派はこれを認めず、一定量以下の被曝なら影響ゼロとの立場を取る。だが、人体に影響のない被曝はない。最近では低線量被曝がむしろ危険度が高いとの研究も出ている。
・事故での被曝を防ぐには、まず事故の場所から遠ざかること。風向きと直角の方向に逃げる。雨を避ける装備やマスクなども必要。国の発表は過小評価なので、ネットなどで情報ルート開拓をする必要。
・文科省の「20ミリSvまで安全」は狂気。表土除去など被曝を少しでも減らす方策が必要だ。汚染されたゴミは原発周辺に送るしかない。また周辺の農地はすでに再生不能。気の毒だが、もう住民は元に戻れない。
・放射線は若い人ほど影響を受け、50歳以上ではガン死の可能性が劇的に下がる。汚染された食物は隠さず流通させた上で、大人が引き受けるべき。
・原発を容認した大人にも責任があるのだから、被害を福島だけに押し付けてはならない。周辺住民の重荷は社会全体が共有し、支える必要がある。

◇原発の“常識”は非常識
・原発の運転により、日本国内にある死の灰は広島型原爆の80万倍に及ぶ。国は原発の危険性を分かっていたので、原賠法で電力会社の賠償責任の上限を設定。電力会社に建設を促した。
・電力会社の利潤は、市場原理ではなく資産で決まる。原発は作れば作るほど資産になるから、電力会社は建設をやめない。一方で電力料金は高騰する。
・「原発は低コスト」は嘘。再処理や開発費用を加えると火力より高い。ウランの採掘や濃縮で多量のCO2も排出。さらに、発生した熱の3分の2は水に伝わり、海に捨てている。こんな原発のどこがクリーンなのか。

◇原子力は未来のエネルギーか?
・化石燃料枯渇への恐怖が原発推進を容認してきた。だが石油可採年数は増加。むしろウランの方が先に枯渇する。

◇「石油がダメだから原発」は誤り。
・資源不足を解決するべく始めた核燃料サイクル計画も失敗続き。もんじゅは1兆円を注ぎ込んで1kwも発電していない。実用化は無理だろう。
・プルトニウムを処理するために、MOX燃料対応の原発(大間原発)を建設中だ。原発の問題をクリアするためにまた原発。悪循環から抜け出せない。

◇地震列島・日本に原発を建ててはいけない
・地震多発地域に原発を54基も作ったのは日本だけだ。浜岡原発は、必ず起きる東海地震の想定のど真ん中。今回の停止を、津波対策のみならず全原発の安全対策検証の契機にするべき。
・六ヶ所村の核燃料再処理工場には大量の使用済み燃料が集まる。本格稼働すれば日常的に放射性物質を廃棄することに。コスト減でフィルタも取り付けられない。
・高速増殖炉もんじゅの冷却材はナトリウム。空気に触れると火災が発生する。水に触れても爆発するから、消防車も使えない。地震で施設が破損したらすべてが終わる。

◇原子力に未来はない
・原発は、先進国では縮小傾向にある産業。その上、日本は原発技術の後進国だ。原発は止めなければいけない。実は全原発を止めても、火力の稼働を7割(通常5割)にするだけで必要量は賄える。
・核のゴミは、六ヶ所村では300年監視が必要という。もう、原発で得たエネルギーより、処理のデメリットの方が大きいではないか。
・代替エネルギーの開発と普及を考えよう。日本はかつて太陽光発電では世界トップの技術を誇った。一方で、エネルギー大量消費を前提とした生活を考え直す必要がある。

  ―小出裕章「原発のウソ」より簡約


―山頭火の一句― 行乞記再び-昭和7年-192

7月20日、曇、土用入だから、かんかん照ればよいのに。
朝の山へ、蜘蛛の囲を分けて登つて萩を採つて来て活けた、温湯に挿したが、うまく水揚げしてくれるとうれしい。
昨夜はとろりとしただけだった、こんなでは困る。-略-
私は今、庵居しようなどといふ安易な気分に堕した自分を省みて恥ぢてゐる、悔いてもゐる、しかも庵居する外ない自分を見直して嘆いてゐる、私はやむなく背水の陣を布いた、もう血戦-自分自身に対して-する外ない。
緑平老へ、そしてS子へ、S女へ手紙を書いた、書きたくない手紙だつた、こんな手紙を書かなければならない不徳を憤つた。
眠れない、眠つたと思へば悪夢だ。
アルコールが私に対して、だんだん魅力を失ひつつあることは、むしろ悲しい事実だらう。

※表題句の外、3句を記す。

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Photo/川棚の紫陽花


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