山頭火つれづれ-四方館日記

放浪の俳人山頭火をひとり語りで演じる林田鉄の日々徒然記

虫のゆききのしみじみ生きてゐる

2011-07-22 16:00:00 | 文化・芸術
10122417

―四方のたより― イベント二題

縁の深い昔の仲間から、明後日に催しがあると誘いがあつた、それもふたつ。
ひとつは蕎麦屋「凡愚」の真野夫妻からの案内で、蕎麦切り職人衆8人が集結した以下の如き催し。

Sobauchi0724
昔はこの夫婦、夫は写真で、妻は衣装デザイン、初期の頃から80年代初め頃まで、共にスタツフとして付合ってくれた。

もうひとつは、私が研究所を立ち上げたときのメンバーで加藤鈴子からで、朗読の会へのお招きで、会場は文楽劇場の小ホール。
ところがどっこい、折悪しく、此方はこの日から小旅行に出かけるべくすでに計画を立ててしまっている。何事もなければ両者共に顔を出さずばなるまいところだが、時すでに遅しでどうしようもない。
と、まあそんな次第だから、せめてこの場で広報よろしく、ご紹介だけしておく。
072201


―山頭火の一句―
行乞記再び-昭和7年-194

7月22日、朝曇、日中は暑いけれど朝晩は涼しい、蚊がゐなければ千両だ。
感情がなくなれば、人間ぢやない、同時に感情の奴隷とならないのが人間だらう。
さみしくいらだつからだへ蝿取紙がくつついた、句にもならない微苦笑だつた。

※表題句の外、4句を記す

072202
Photo/下関市豊浦町宇賀、福徳稲荷神社にて-’11.04.30


人気ブログランキングへ -読まれたあとは、1click-

夾竹桃、そのおもひでの花びら燃えて

2011-07-22 12:00:44 | 文化・芸術
Dc09122648

―四方のたより― 北の大地へ―第1日

空路、北海道へ。関空発9:05―函館着10:45
函館市内めぐりの後、大沼を経て内浦湾を北上、洞爺湖へ

<iframe width="425" height="350" frameborder="0" scrolling="no" marginheight="0" marginwidth="0" src="http://maps.google.co.jp/maps/ms?msa=0&amp;amp;msid=207221479158413961020.0004a38845d2e0e8e3582&amp;amp;hl=ja&amp;amp;brcurrent=3,0x5f9f59209f6c888b:0x1c3cc3564fce038f,0&amp;amp;ie=UTF8&amp;amp;ll=42.171234,140.753304&amp;amp;spn=0.787588,0.163223&amp;amp;t=p&amp;amp;output=embed"></iframe>
より大きな地図で 洞爺湖 を表示
宿泊地―洞爺湖温泉湖畔の壮瞥温泉ペンシヨンおおの

―山頭火の一句― 行乞記再び-昭和7年-196

7月24日、今日も暑からう、すこし寝過ごした、昨夜の今朝で、何となく気分がすぐれない。
野の花を活けた、もう撫子が咲いてゐるが、あの花には原始日本的情趣があると思ふ。-略-
―百雑砕―
燃ゆる陽を浴びて夾竹桃のうつくしさ、夏の花として満点である。
色身を外にして法身なし、しかも法身は色身にあらず、法身とは何ぞや。
貧時には貧を貧殺せよ。
私は拾ふ、落ちた物を拾ふ、落した物を拾ふにあらず、捨てたる物を拾ふなり。
緑平老からの来信は私に安心と落ち着きとを与へてくれた。-略-
―一箇半箇―
捨猫がうろついてゐる、彼女は時々いらいらした声で鳴く、自分の運命を呪ふやうな、自分の不幸を人天に訴へるやうに鳴く、そし食べるものがないので、夜蝉を捕へる、その夜蝉がまた鳴く、断末魔の悲鳴をあげる。‥‥
近眼と老眼とがこんがらがつて読み書きに具合がわるくて困る、そのたびに、年はとりたくないなあと嘆息する。

※表題句の外、5句を記す

072401_2
Photo/燃えるような夾竹桃の花


人気ブログランキングへ -読まれたあとは、1click-