山頭火つれづれ-四方館日記

放浪の俳人山頭火をひとり語りで演じる林田鉄の日々徒然記

水底の雲から釣りあげた

2011-07-26 12:00:00 | 文化・芸術
Santouka081130083

―四方のたより― 北の大地へ―第3日

ガーデン街道から十勝、帯広を経て、釧路湿原、そして阿寒湖へ

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宿泊地―津別町奥屈斜路温泉、ランプの宿森つべつ

―山頭火の一句― 行乞記再び-昭和7年-198

7月26日、相かはらず暑い、夕立がやつて来たさうでなかなかやつて来ない、草も木も人もあえいでゐる。
約束通り、ここの息子さんと溜池へ釣りに行く、鰻は釣れないで鮒が釣れた、何かと薄倖な鮒だつたらう、せいぜい3時間位だつたが、ずゐぶんくたぶれた。

※表題句の外、4句を記す

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Photo/川棚、妙青禅寺境内、雪舟の庭-’11.04.30


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押売が村から村へ雲の峰

2011-07-25 12:00:00 | 文化・芸術
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―四方のたより― 北の大地へ―第2日

洞爺湖から支笏湖を経て、美瑛、富良野へ

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宿泊地―富良野市下御料、ノースカントリー

―山頭火の一句― 行乞記再び-昭和7年-197

7月25日、何と朝飯のうまいこと! -現在の私には、何者でも何時でもうまいのだが-私はほんとうに幸福だ!
茗荷の子三把で4銭、佃煮にして置く、当分食卓がフクイクとしてにほふだらう、これもまた貧楽の一つ。―
怪我をするときは畳の上でもするといふ、まつたくさうだ、今朝、私は縁側でしたたかに向脛をうつた、痛い、痛い。
ここの息子さんと土用鰻釣に出かける約束をしたので、釣竿を盗伐すべく山林を歩いてゐると、仏罰覿面、踏抜をした、こんこんと血が流れる、真赤な血だ、美しい血だ、傷敗けをしない私は悠々として手頃の竹を一本切つた、いかにも釣れそうな竿だ、しかし私は盗みを好かない、随つて盗みの罰を受け易い、どうも盗みの興味が解らない。

※表題句のみ記す

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Photo/青海島奇巌めぐり-’11.05.01


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夾竹桃、そのおもひでの花びら燃えて

2011-07-24 12:00:00 | 文化・芸術
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―四方のたより― 北の大地へ―第1日

空路、北海道へ。関空発9:05―函館着10:45
函館市内めぐりの後、大沼を経て内浦湾を北上、洞爺湖へ

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宿泊地―洞爺湖温泉湖畔の壮瞥温泉ペンシヨンおおの

―山頭火の一句― 行乞記再び-昭和7年-196

7月24日、今日も暑からう、すこし寝過ごした、昨夜の今朝で、何となく気分がすぐれない。
野の花を活けた、もう撫子が咲いてゐるが、あの花には原始日本的情趣があると思ふ。-略-
―百雑砕―
燃ゆる陽を浴びて夾竹桃のうつくしさ、夏の花として満点である。
色身を外にして法身なし、しかも法身は色身にあらず、法身とは何ぞや。
貧時には貧を貧殺せよ。
私は拾ふ、落ちた物を拾ふ、落した物を拾ふにあらず、捨てたる物を拾ふなり。
緑平老からの来信は私に安心と落ち着きとを与へてくれた。-略-
―一箇半箇―
捨猫がうろついてゐる、彼女は時々いらいらした声で鳴く、自分の運命を呪ふやうな、自分の不幸を人天に訴へるやうに鳴く、そし食べるものがないので、夜蝉を捕へる、その夜蝉がまた鳴く、断末魔の悲鳴をあげる。‥‥
近眼と老眼とがこんがらがつて読み書きに具合がわるくて困る、そのたびに、年はとりたくないなあと嘆息する。

※表題句の外、5句を記す

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Photo/燃えるような夾竹桃の花


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事がまとまらない夕蝉になかれ

2011-07-23 15:00:00 | 文化・芸術
Santouka081130082

―四方のたより― 琵琶五人の会

今日もまた催しのご案内、毎年この時期、恒例の「琵琶五人の会」公演。
題して「百花繚乱、戦国武将」の絵巻とや。
関西で活躍する師範衆五人組なれば堪能できること請合いなれど、
これまた小生は参上叶いません、悪しからず、ご紹介のみでご容赦。

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―山頭火の一句― 行乞記再び-昭和7年-195

7月23日、土用らしい土用日和である、暑いことは暑いけれど、そこにわだかまりがないので気持がよい。-略-
夕食後、M老人を訪ねて、土地借入証書に捺印を頼んだら、案外にも断られた、何とかかかとは言訳はされたけれど、然諾を重んじない彼氏の立場には同情すると同時に軽蔑しないではゐられなかつた、それにしても旅人のあはれさ、独り者のみじめさを今更のやうに痛感したことである。
これで造庵がまた頓挫した、仕方がない、私は腰を据えた、やつてみせる、やれるだけやる、やらずにはおかない。‥‥
敬治さん、幸雄さんのたよりはほんとうにうれしかつたのに!
今日は暑かつた、華氏97度を数へた地方もあるといふ、しかし私はありがたいことには、樹木の多い部屋で寝転んでゐられるのだから。
幸雄さんの供養で、焼酎を一杯ひつかける、饅頭を食べる、端書を10枚差出すことが出来た。

※表題句の外、2句を記す

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Photo/川棚の三恵寺山門にて-’11.04.30


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虫のゆききのしみじみ生きてゐる

2011-07-22 16:00:00 | 文化・芸術
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―四方のたより― イベント二題

縁の深い昔の仲間から、明後日に催しがあると誘いがあつた、それもふたつ。
ひとつは蕎麦屋「凡愚」の真野夫妻からの案内で、蕎麦切り職人衆8人が集結した以下の如き催し。

Sobauchi0724
昔はこの夫婦、夫は写真で、妻は衣装デザイン、初期の頃から80年代初め頃まで、共にスタツフとして付合ってくれた。

もうひとつは、私が研究所を立ち上げたときのメンバーで加藤鈴子からで、朗読の会へのお招きで、会場は文楽劇場の小ホール。
ところがどっこい、折悪しく、此方はこの日から小旅行に出かけるべくすでに計画を立ててしまっている。何事もなければ両者共に顔を出さずばなるまいところだが、時すでに遅しでどうしようもない。
と、まあそんな次第だから、せめてこの場で広報よろしく、ご紹介だけしておく。
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―山頭火の一句―
行乞記再び-昭和7年-194

7月22日、朝曇、日中は暑いけれど朝晩は涼しい、蚊がゐなければ千両だ。
感情がなくなれば、人間ぢやない、同時に感情の奴隷とならないのが人間だらう。
さみしくいらだつからだへ蝿取紙がくつついた、句にもならない微苦笑だつた。

※表題句の外、4句を記す

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Photo/下関市豊浦町宇賀、福徳稲荷神社にて-’11.04.30


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