…という、大好きなドラマCDがあります。
宇宙飛行士を目指す女の子のお話、パイロットとして雇われた会社への到着から最初のミッションまで、という限られた期間を描いたものですが、楽曲やトークは無く、約72分の録音時間を全てストーリーに使用している、かなりボリュームの多い作りになっています。
ドラマCD、特にアニメや漫画から派生したものですと、どうしても視覚情報が不足しますが、逆にこの作品は「音」のみの情報であることを最大限に生かしています。
特徴的なのはコクピットと管制室との通信による会話です。こういったシーンは冒頭の主人公の登場シーンに始まり、作中何度も登場するのですが、実際のキャラクター達にとっても相手の顔が見えていない、声だけのやり取りなので、恐らく映像で観てしまうよりも、非常に臨場感のある、入り込みやすい描写になっています。
キャラクター達の立ち位置のバランスが絶妙で、時に厳しく、時に優しくといった交流の描き方も良いです
難しい言葉が沢山出てきますが、付属のCD-ROM(10年前のものなので少し不安でしたが、ちゃんと今のコンピュータでも見れました)に用語解説や、機体の説明、キャラクターの自己紹介などが収録されているので、読めば充分に楽しめます。
黒地のケースに、青い地球がプリントされた12cmCDと、白い月がプリントされた8cmCD-ROMという組み合わせもまた、とってもキュート
原作は小説とのことですが、残念ながら書店などではもう手に入らなそうです
原作の方がボリュームもキャラクターも多く、かなり削って時間内に収めたそうですが。おかげで(?)難解な専門用語を華麗にまくし立てる声優さんたちの早口が聞けます。勿論、キャラクターそれぞれの特徴を丁寧に汲み取った、気持ちを込めた演技も素晴らしいです