映画「きかんしゃトーマス 伝説の英雄」を観てきました。純粋な願いと、それを叶えようとする行動に焦点を当てた素敵なお話です。他にも気になったポイントが色々あったので書いてみようかと思います。
ポイント1:スペンサーの重量感
実写の時にも大きくて強い機関車であることはその特徴的な車体から伝わってきたのですが、今回は迫力のある轟音や明らかに他の機関車よりも速い車軸の駆動音、更に走り抜ける時に隣の線路まで揺らしてしまうという映像表現で、スペンサーの存在感が強烈に際立っていました。実写だからできるリアルさと、逆にアニメーションでなければ表現できないリアルさがあるのだと感じました。
ポイント2:人々
CGになって変わった一番大きなポイントですね。活気に満ちた整備工場の様子や公爵夫妻など人々の動きや表情が今回の魅力でもあります。そういえば、今まで微妙に判りにくかったのですが、トーマスがトップハムハット卿の命令外の事をするときって、やはり機関士や機関助手が協力していたんですね。「え!?止めないの?」と思った場面もチラホラ… 前作でトーマスが水路を流されている時は一体どうしてたんだろう…?
ポイント3:カメラワーク
テレビシリーズにもあったカメラの上を機関車が走り抜ける映像や、「ゴードンの丘」の中腹から見下ろした風景、巨大なスペンサーを煽る構図、整備工場内部の火花など、実写ではあまり無かった表現が随所にありました。
ポイント4:仲間達の協力
今回悪役はスペンサーがほぼ全て引き受けてくれていたので、ソドー島の機関車達は皆協力的です。助け合いが感じられるシーンが多く温かいお話でした。
ポイント5:修理を終えたヒロ
もうカッコ良過ぎですポスターなどのメインビジュアルでも実は既に修理後の姿が出てしまっているのですが、映像でのしっとりとした黒の美しさと気品は一見の価値大いにありです ソドー島の機関車は皆カラフルですが、「黒」って日本独自の美的感覚なのかな。そういえば、かのエミール・ガレが、日本の美術品に触発されて、自らのガラス工芸に黒を取り入れたという話を聞いたことがあったような…。
ポイント6:声
テレビシリーズもそうですが、実写の時よりもキャラクターの台詞が多くなっています。比嘉久美子さんは一つ一つ丁寧に気持ちを込められた台詞がジンと来ますし、玄田哲章さんは繊細なヒロの心の変化の表現が見事でした。ジョン・カビラさんのナレーションも穏やかで落ち着きますね。また、前述の通り、今回はスペンサー以外は協力者なので、全体的に優しげな台詞が多かったです
トーマスの「純粋さ」
今回は特にトーマスの素直で真っ直ぐな面が強調されていたと思います。序盤、ムキになって失敗してしまうところはあるのですが、後半はヒロの願いを叶えるために一直線に突き進んでいました。特に「僕があなたを守ります」の台詞が印象的。
DVDが発売されたらきっと買っちゃうんだろうな… そういえば、Wikipediaによると、英語版のヒロの声は、「欧州列車の旅」のナレーションをされている俳優の伊川東吾さんだそうですね。これはこれで聞いてみたい…二カ国語版にしてくれないかな~